アトピー性皮膚炎の新しい選択肢「イブグリース」とは
イブグリース(一般名:レブリキズマブ)は、既存の治療では効果が不十分な中等症から重症のアトピー性皮膚炎に対して使用される生物学的製剤(注射薬)です。
2024年5月に発売された最新の注射薬であり、アトピー性皮膚炎の根本的な原因にアプローチするため、皮膚科専門医の診察の下で導入が行われます。
名称の由来
「イブグリース(Ebglyss)」は、一般名のレブリキズマブ(lebrikizumab)の「leb」から取った「イブ」、幸福を意味する「ブレス(Bliss)」、そして潤滑油を意味する「グリース(Glyss)」を組み合わせて作られました。
患者様の人生の歯車を「円滑に」回し、「幸福」をもたらしたいという願いが込められています。
【イブグリース】の特徴
アトピー性皮膚炎の「かゆみ」や「赤み」などの炎症を引き起こし、皮膚のバリア機能を低下させる主な原因のひとつに「IL-13(インターロイキン-13)」という物質があります。
イブグリースの最大の特徴は、このIL-13のみをピンポイントで強力に抑え込む(選択的に阻害する)点にあります。これにより、炎症の悪循環を断ち切ることが期待できます。

剤形(おくすりの形)
イブグリースは皮下注射薬で、2つのタイプがあります。
- オートインジェクター: 肌に押し当てるだけで薬液が自動で注入されます。ご自身で自己注射しやすいタイプです。
- シリンジ: ご自身や医療従事者が手動で注入する従来の注射器タイプです。
引用:アトピー性皮膚炎治療薬イブグリース®の情報提供サイト|日本イーライリリー株式会社
(https://jp.lilly.com/ebglyss)
【イブグリース】の使用方法、使う疾患
適応となる疾患と対象者
- 対象疾患: ステロイド外用剤などの既存治療を6か月以上行っても十分な効果が得られない中等症〜重症のアトピー性皮膚炎。
- 対象年齢: 成人、および12歳以上かつ体重40kg以上の小児。
使用方法(投与スケジュール)
イブグリースは、お腹、太もも、上腕部のいずれかに皮下注射します。
- 導入期(初回および2週間後): 1回500mg(250mgの注射器を2本)を投与します。
- 維持期(4週間後以降): 通常、1回250mg(1本)を2週間隔で投与します。
- スケジュールの調整: 症状が安定した場合は、医師の判断により4週間隔(月1回)へ投与間隔を延ばすことが可能です。

引用:アトピー性皮膚炎治療薬イブグリース®の情報提供サイト|日本イーライリリー株式会社(https://jp.lilly.com/ebglyss)
【イブグリース】を使用する上の注意点
- 副作用について:
主な副作用として、結膜炎(目やまぶたの赤み、かゆみ)、注射部位の反応、好酸球増加症などが報告されています。目の異常を感じた場合は、すぐに医師へご相談ください。 - 外用薬の併用:
原則として、投与中も保湿剤やステロイド外用剤などの外用療法を併用する必要があります。 - 自己注射について:
導入当初は医療機関で行いますが、指導を受けた後はご自宅での自己注射が可能になります。高額療養費の助成対象になれば、経済的・時間的な負担を軽減できます。
【イブグリース】の薬価と費用
2024年11月に薬価改定が行われ、2025年3月時点のイブグリースの薬価は以下の様になっています。
- 1本(250mg)あたりの薬価: 50,782円
- 3割負担の場合の費用(1本): 15,235円
| 治療フェーズ | 自己負担目安(3割負担) |
|---|---|
| 導入期(初回・2週後):1回に2本注射 | 1回につき 約30,469円 |
| 維持期(2週間隔投与):1か月に2本注射 | 1ヶ月あたり 約30,470円 |
| 維持期(4週間隔投与):1か月に1本注射 | 1ヶ月あたり 約15,235円 |
※薬剤費のみの目安です。高額療養費制度などの対象となる場合があります。
花ふさ皮ふ科グループの処方方針と症例数
処方方針
花ふさ皮ふ科グループでは6ヶ月以上アトピーの標準治療(ステロイド外用など)を行った場合に導入を検討します。
紹介状が無い場合、
※他院様ですでにイブグリース、紹介状を持参された場合、
継続治療は必要に応じて注射・処方を検討します。
症例数
| 実績数 | |
|---|---|
| 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 | 6例 |
| 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 | 1例 |
| みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 | 0例 |
| 花ふさ皮ふ科グループ全体 | 7例 |
イブグリース希望の方は
花ふさ皮ふ科グループへお気軽にご相談ください。
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※皮膚症状(蕁麻疹・アトピーなど)でお悩みの方は、皮膚科専門医の診察をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1:3割負担の場合の1ヶ月の費用はいくらですか?
維持期に2週間隔で投与する場合は1ヶ月(2本)で約30,470円、症状が安定して4週間隔(月1回)の投与になった場合は1ヶ月(1本)で約15,235円の自己負担となります。
Q2:デュピクセントとの違いは何ですか?
Q3:効果はいつ頃から実感できますか?
早い方で投与2週目からかゆみの改善が確認されています。おおむね開始から4〜8週間で、赤みやかゆみの改善を実感される方が多いです。
Q4:自宅での自己注射は可能ですか?
はい、可能です。医療機関でトレーニングを受けた後は、ご自宅での自己注射(オートインジェクターまたはシリンジ)に移行できます。
Q5:副作用で目が赤くなると聞きましたが本当ですか?
はい、イブグリースの主な副作用として、結膜炎やアレルギー性結膜炎(目やまぶたの赤み、腫れ、かゆみなど)が報告されています。異常を感じた場合は、悪化を防ぐためにも早めに皮膚科専門医へご相談ください。
【皮膚科専門医監修】イブグリースの重要ポイントまとめ
- 概要: 12歳以上かつ体重40kg以上から使用可能な、中等症〜重症アトピー性皮膚炎の最新注射薬。
- 作用: かゆみの原因「IL-13」を選択的に阻害。
- 投与: 状態安定後は4週間隔(月1回)へ延長可能。
- コスト: 3割負担で1本15,235円。月1回投与なら経済的負担も軽減。
- 利便性: 自己注射が可能で、生活スタイルに合わせやすい。
関連動画
参考文献
- Silverberg JI, Guttman-Yassky E, Thaçi D, et al. Efficacy and safety of lebrikizumab in moderate-to-severe atopic dermatitis: results from two phase 3 randomized clinical trials (ADvocate1 and ADvocate2). N Engl J Med. 2023;388:1080-1091. doi:10.1056/NEJMoa2206714
▶ IL-13阻害薬レブリキズマブ(イブグリース)の第III相試験。中等症〜重症アトピー性皮膚炎に対する有効性と安全性を示した主要臨床試験。 - Blauvelt A, Simpson EL, Silverberg JI, et al. Lebrikizumab treatment in adults and adolescents with moderate-to-severe atopic dermatitis: 52-week results from phase 3 trials. J Am Acad Dermatol. 2023;89(4):760-769. doi:10.1016/j.jaad.2023.05.028
▶ IL-13阻害薬レブリキズマブ(イブグリース)の52週間の長期投与データにより、持続的な効果と安全性を確認。 - Wollenberg A, Christen-Zaech S, Taieb A, et al. European Task Force on Atopic Dermatitis (ETFAD) position paper on biologics and JAK inhibitors in atopic dermatitis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2022;36(8):1137-1147. doi:10.1111/jdv.18274
▶ 欧州皮膚科学会によるアトピー性皮膚炎治療におけるIL-13阻害薬レブリキズマブ(イブグリース)の生物学的製剤の位置付けを示した論
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