ヒルドイドとは
ヒルドイドは、ドイツのルイトポルト社(現在はマルホ株式会社が承継)で開発された「ヘパリン類似物質」を主成分とする外用薬です。
名前の由来は、血液凝固を防ぐ「ヘパリン(Heparin)」に似た作用を持つことから、「ヘパリン様物質(Heparinoid)」を縮めて「ヒルドイド(Hirudoid)」と名付けられました。
単なる保湿剤ではなく、医師が治療の現場で処方する「医療用」の保湿薬として、一般の方も名前を知っている人も多く、圧倒的な認知度があります。
ヒルドイドの特徴(基剤の種類)
ヒルドイドには、肌の状態や使用部位に合わせて選択できるよう、多様な基剤(タイプ)が用意されています。
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ヒルドイドソフト軟膏 0.3%
最もポピュラーな油中水型(W/O型)のクリーム。
高い保湿力と肌への密着性が良いのが特徴で、乾燥が強い部位に適しています。
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ヒルドイドクリーム 0.3%
水中油型(O/W型)で、ソフト軟膏より伸びが良く、ベタつきが少ないのが特徴です。
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ヒルドイドローション 0.3%
乳液状の製剤。広範囲に塗りやすく、夏場や体への使用に非常に適しています。
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ヒルドイドフォーム 0.3%
泡状のスプレー。頭皮や広範囲の乾燥肌に最適で、ベタつきを嫌う方に人気があります。
ヒルドイドの使用方法、使う疾患
【主な効果・作用】
- 保湿作用:皮膚の角質層まで浸透し、水分を保持してバリア機能を整えます。
- 血行促進作用:血流を改善し、しもやけや打ち身・ねんざ後の腫れを緩和します。
- 抗炎症作用:湿疹や皮膚炎に伴う赤みや痛みを穏やかに鎮めます。
- 組織修復促進作用:傷跡(肥厚性瘢痕やケロイド)をきれいに治すのを助けるマイルドな作用があります。
【適応疾患】
皮脂欠乏症、凍瘡(しもやけ)、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療など。
ヒルドイドを使用する上の注意点
皮膚科専門医の視点から、特に注意すべき点は以下の通りです。
- 出血性血液疾患の方は注意:血友病や血小板減少症など、わずかな出血でも重大な結果を招く恐れがある方は、必ず事前に医師へ相談してください。
- 潰瘍・ただれ面への直接塗布は避ける:傷口が完全に塞がっていない「生傷」の状態には直接塗らず、医師の指示に従ってください。
- 目には入れない:粘膜への使用は想定されていません。誤って目に入った場合はすぐに水で洗い流してください。
ヒルドイドに関するFAQ
皮膚科専門医によるヒルドイド解説まとめ
ヒルドイドは、豚の気管軟骨等を原料とした「ヘパリン類似物質」を主成分とする保湿剤です。
- 4つの主な作用: 保湿、血行促進、抗炎症、組織修復。
- 適応: アトピー性皮膚炎や乾燥肌、しもやけ、傷跡の治療に用いられます。
- 種類の使い分け: 軟膏、クリーム、ローション、フォームがあり、部位や季節に応じて使い分けます。
大阪の花ふさ皮ふ科グループでは、皮膚科専門医が患者様の肌質や季節などに応じて、最適な処方とスキンケア指導を行っています。


