たこ・魚の目は、皮膚の一部が慢性の圧刺激に対する防御反応によって角質層が厚くなる病気です。
体重の軽い子供ではバレエやスポーツなどをやっていない場合には、たこ・魚の目ができることは少なく、たこ・魚の目だと思っていたらウイルス性のイボだったということもあります。
お子さまの足裏にたこ・魚の目のようなものがあるという場合には放置せずに受診をしましょう。
たこ・魚の目の原因と症状
足の裏や一部に連続して強い圧刺激が繰り返されることで、角質が厚くなるために発症します。
圧迫や摩擦を受けているところを厚く覆って守ろうとするために、生体の防御反応がはたらき、表皮の一番外側の角質層がケラチンというたんぱく質を余分に作りだします。
この角質が硬い骨の上にできるもを「たこ」と言い、骨と骨の間のようにやわらかいところにできるものを「魚の目」と言います。
<圧刺激となる原因>
- ・足に変形がある
- ・足の形やサイズに合わない靴を履く
- ・歩き方に癖がある(つま先から着地するなど)
- ・加齢による脂肪細胞の減少 など
たこ・魚の目の治療
たこの治療では、硬くなった角質を軟膏などで柔らかくする、スピール膏やハサミ、メスなどを用いた除去などを行います。
足底粉瘤など皮下腫瘍が原因で表面の皮膚にたこができていることがあり、このような場合は原因である腫瘍の治療が必要です。
魚の目の治療では、まず歩行時の痛みを取ることを優先します。
痛みの原因である楔状に食い込んだ角質を除去することが必要で、以下のような方法があります。
削る
メスやハサミで削るだけでも、痛みが軽減されます。この処置を1ヶ月に1回繰り返します。その間に魚の目に体重がかからないように工夫することで、だんだん芯が浅くなって治る方もいます。
冷凍凝固法
液体窒素で凍結させ、中心の芯となっている細胞を壊します。
スピール膏
魚の目の大きさに合わせて切ったスピール膏を数日間貼り、角質を軟らかくし、中心部の“眼”の部分だけをメスやハサミなどで取り除きます。スピール膏は、患部より大きく貼ると、周りの皮膚が傷んだり、白くふやけたりしてしまうので、患部と同じ大きさに切って貼るようにします。
ドーナツ型パット
疼痛軽減や再発予防のために、ドーナツ型パッドなどを用いて、圧迫除去を行うこともあります。
手術
メスによる切除は、その後の傷あとの傷み方が魚の目の痛みより強いことがあるため、お勧めはできません。
歩行異常や骨の異常の可能性がある場合は整形外科をご紹介します。
生活の注意点
たこ・魚の目は根本的な原因である圧刺激を取り除かなければ再燃してしまいます。歩き方や靴のサイズ、靴の履き方を見直してみましょう。
シューフィッターのいるお店などで、まずは足のサイズを測定してもらい、きちんと足に合った靴を選びましょう。大きい靴だから大丈夫と思う方もいらっしゃいますが、大きすぎる靴も、靴の中で足が遊んでしまい、逆に刺激が加わっている場合もあるので、注意が必要です。もしくは、足の形に合った中敷きを作成してもらい、体重がバランスよく足底にかかるように工夫することが大切です。
靴のサイズだけでなく、靴の履き方も重要です。すぐに履けるように、靴紐を緩めたままにして、結び直さずに履く方も多いのではないでしょうか?靴も正しく履かないと、たこや魚の目、靴擦れの原因になってしまいます。