顔や胸、背中などの毛穴で細菌が増殖することによって起こる炎症疾患です。
ニキビは適切な治療を行わないことで、ニキビ跡が残ってしまうこともあります。
たかがニキビと思わずに、お気軽に来院してください。
当院では、保険治療だけでなく、重症な方はニキビ跡などが気になる方に自由診療に積極的な治療を行っております。
ニキビの原因
- ・皮脂の分解産物などの刺激により、毛穴の出口付近の角質が厚くなり、出口が塞がる
- ・ホルモンバランスやストレスなどの要因により、皮脂が過剰に分泌される
上記のことが原因となり、毛穴の内部に皮脂や角質がたまり面ぽうができます。
これが白ニキビ(毛穴が閉じていて、全体が白っぽく見えるタイプ)や黒ニキビ(毛穴が開いていて、毛穴の汚れが黒く見えるタイプ)の状態です。さらに、ニキビ菌が皮脂を栄養源として繁殖し、赤く炎症を起こすと、炎症性ざ瘡・いわゆる赤ニキビや黄ニキビになります。
近年、フィラグリン遺伝子の異常がアトピー性皮膚炎に関係していることがわかりました。
フィラグリンは皮膚の一番外側の角質細胞がつくるタンパク質で、皮膚のバリアを強くする働きや潤いを保つ働きを持っています。このフィラグリンの遺伝子に変異があると、フィラグリンが減り皮膚のバリア機能が弱くなってしまいます。
アトピー性皮膚炎と診断されている日本人の10~30%がフィラグリン遺伝子の変異を持っているといわれています。
ニキビの治療方法
ニキビ跡を残さないようにするために、2ヶ月以内に赤ニキビをなくすことを第一目標として、治療を行います。
同時に、新しいニキビができないようにしていきます。
ニキビ治療は時間がかかりますが、諦めずに根気よく治療をしていきましょう。
主な治療方法
- 1.赤ニキビに対する抗生剤の塗り薬と飲み薬
- 2.白ニキビに対する「毛穴の詰まり」をとるピーリング作用を持つ塗り薬
飲み薬
抗生剤
赤ニキビや黄ニキビが多い場合は、ニキビ菌を抑える抗製剤を併用していきます。
漢方薬
皮脂の分泌や炎症を抑える、ニキビをできにくくするなど、様々な効果があります。
ビタミン剤
皮脂の分泌をコントロールする、ニキビ痕を改善するといった効果が期待できます。
塗り薬
抗菌外用剤
赤ニキビや黄ニキビに使用します。ニキビ菌を抑えていく効果があります。
ピーリン作用のある外用剤
アダパレンゲル
毛穴の詰まりを取り除く作用と炎症を抑える効果があります。
過酸化ベンゾイルゲル
毛穴の詰まりを取り除く作用と殺菌作用によりニキビ菌を減らします。
過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン配合ゲル
毛穴の詰まりを取り除く作用と殺菌作用によりニキビ菌を減らします。
アダパレン+過酸化ベンゾイルゲル
「アダパレンゲル」と「過酸化ベンゾイルゲル」を配合したものです。
効果は最も強力ですが、刺激がでやすい傾向があります。
イオウ・カンフルローション
毛穴の詰まりを取り除く作用と、皮脂を抑える効果があります。
ニキビの自費診療
当院では、保険診療の治療で改善しにくいニキビやニキビ痕に対し、自費診療にも力を入れております。
様々な段階のニキビに効果的なケミカルピーリングや、ニキビ痕に効果のあるレーザー治療、重症なニキビにはイソトレチノインの内服療法も可能です。
また、ひげ剃り負けによるニキビの悪化には医療脱毛も有効です。
一人一人のお悩みや目標に沿って丁寧にカウンセリングを行いますので、医師やスタッフまでご相談下さい。
また、ホームケア用にニキビ用のピーリング石鹸や、ビタミンCローションも販売しております。
日常生活の注意点
ニキビ跡を残さないようにするために、2ヶ月以内に赤ニキビをなくすことを第一目標として、治療を行います。同時に、新しいニキビができないようにしていきます。
ニキビ治療は時間がかかりますが、諦めずに根気よく治療をしていきましょう。
1.正しい洗顔方法を身につけましょう
洗顔を制する者はニキビを制す!と言っても過言ではないくらい、洗顔方法はとても大切です。
正しい洗顔を行うことで、肌を清潔に保ち、適度な状態に皮脂をコントロールすることで、にきびの改善につながります。基本的には、朝晩の2回、石鹸洗顔をしましょう。スキンケア用品やメイク用品は、ノンコメドジェニック(ニキビ用)を選びましょう。
2.規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとりましょう
“睡眠不足はお肌の大敵”と言いますが、睡眠不足がお肌のバリア機能やターンオーバーを低下させることが解明されてきています。
睡眠中にはお肌のダメージを修復してくれる成長ホルモンやお肌の炎症を抑えるコルチゾールなどが分泌されるため、質の良い睡眠がとても大切です。
3.バランスの良い食事を心がけましょう
チョコレートやピーナッツなどの油分の多いものを食べるとニキビができると、よく耳にしますが、今のところ科学的な根拠はありませんが、バランス良い食事を摂りましょう。
4.髪の毛や整髪料の刺激を避けましょう
前髪や頰にかかる髪の毛が刺激となり、ニキビを悪化させることがあります。ピンで前髪をとめたり、ゴムでくくったりしましょう。
5.日焼けに注意しましょう
前髪や頰にかかる髪の毛が刺激となり、ニキビを悪化させることがあります。ピンで前髪をとめたり、ゴムでくくったりしましょう。
文責:みのお花ふさ皮ふ科 院長 角村 由紀子(皮膚科専門医)
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