ゲンタシンとは
ゲンタシン(一般名:ゲンタマイシン硫酸塩)は、細菌の増殖を抑える「アミノグリコシド系」の代表的な外用抗生物質です。
名称の由来は、この薬を産生する放線菌の一種である Micromonospora purpurea の「purpurea(紫色の)」から、ギリシャ語で紫を意味する「Genta」を冠して命名されました。
医療現場では数十年にわたり、とびひ(伝染性膿痂疹)や手術後の感染予防、化膿した傷口の治療に広く用いられてきた歴史のある信頼性の高い薬剤です。
ゲンタシンの特徴
ゲンタシンには、患部の状態や部位に合わせて使い分けられる2種類の基剤(タイプ)があります。
ゲンタシン軟膏(油性)
白色ワセリンを主成分としています。刺激が少なく、患部を保護する力が強いため、ジュクジュクした傷口や乾燥した部位の両方に適しています。
ゲンタシンクリーム(水溶性)
伸びが良く、ベタつきにくいのが特徴。見た目が目立たないメリットがありますが、軟膏に比べて皮膚への刺激がやや強く、特に火傷などで皮膚が剝がれている部位に使用すると成分が過剰に吸収されるリスクがあるため注意が必要です。
使用方法と適応疾患
皮膚科専門医の診断のもと、細菌感染が疑われる以下の疾患に使用します。
適応疾患
- とびひ(伝染性膿痂疹)
- 毛嚢炎(毛穴の炎症)
- 化膿した傷・火傷の二次感染
正しい塗り方
1FTU(フィンガーチップユニット):人差し指の先から第一関節まで出した量(約0.5g)が大人の手のひら2枚分の面積を塗る目安です。
傷口がうっすら軟膏で光る程度に外用するのが適切です。通常、1日1〜数回、直接塗布するかガーゼに伸ばして使用します。
使用上の注意点
「家庭の常備薬」として自己判断で使いがちですが、以下の点に注意が必要です。
- 「消毒代わり」の乱用は禁物:きれいな擦り傷などは水道水での洗浄とワセリン保護(湿潤療法)で十分な場合が多く、不必要な使用は皮膚の回復を遅らせることがあります。
- 耐性菌のリスク:漫然と使い続けると、薬が効かない「耐性菌」を生む原因になります。医師に指示された期間を必ず守りましょう。
- ニキビ・水虫・ヘルペスには無効:ゲンタシンは「細菌」にのみ作用します。カビ(水虫)やウイルス(ヘルペス)には効果がないどころか、かえって症状を悪化させる恐れがあります。
- 副作用:稀にアレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)を起こすことがあります。赤みや痒みが強まった場合は、すぐに使用を中止してください。
5. よくある質問 (FAQ)
【皮膚科専門医によるゲンタシン解説まとめ】
- 主な効果: 細菌を殺菌する抗生物質。とびひ、化膿した傷、火傷、手術後の感染予防に有効。
- 注意点: 消毒薬ではないため、綺麗な傷には不要。ウイルス(ヘルペス)や真菌(水虫)には無効。
- リスク: 漫然とした使用は「耐性菌」を発生させ、将来的に薬が効かなくなる恐れがある。
- 使い分け: 刺激の少ない「軟膏」と、サラッとした「クリーム」があり、症状により医師が判断する。
大阪の花ふさ皮ふ科グループでは、塗り方を丁寧に説明し、副作用を適切にコントロールしながら、感染症を早期に治癒させるための治療を提供しています。


