【デュピクセント(デュピルマブ)】とは|【医師監修】皮膚科専門医が解説|効果・使い方・注意点・料金

アトピー性皮膚炎

デュピクセント(デュピルマブ)とは

デュピクセント(一般名:デュピルマブ)は、アトピー性皮膚炎の治療に劇的な変化をもたらした「生物学的製剤」と呼ばれる注射薬です。
2018年の登場以来、従来のステロイド外用薬や内服薬では十分な効果が得られなかった中等症から重症の患者様にとって、ゲームチェンジャーとなり、新しいスタンダード治療として今や定着しています。

1. デュピクセントの特徴

デュピクセントの最大の特徴は、アトピー性皮膚炎の炎症の主因である「Type2炎症(タイプ2炎症)」のシグナルをピンポイントでブロックする点にあります。

仕組み:炎症の「スイッチ」を完全にブロックする

アトピーの体内では、IL-4とIL-13(IL:インターロイキン)という物質が細胞の受容体(スイッチ)に結合し、炎症や痒みを引き起こすように指令を出しています。
デュピクセントはこれらのIL-4とIL-13のスイッチ(IL-4受容体α)に先回りして結合し、完全に「フタ」、ブロックをすることで、アレルゲンが侵入しても炎症シグナルが伝わらないようにします。

  • 根本へのアプローチ: 単なる対症療法ではなく、体内の炎症反応を根本に近い部分から完全に制御します。
  • 高い安全性: 免疫全体を抑制するのではなく、アトピーに関与する特定の経路のみに作用するため、感染症のリスクを抑えた治療が可能です。

2. 適応疾患と使用方法

適応疾患

  • アトピー性皮膚炎: 既存治療で効果不十分な中等症以上の患者様。
  • 結節性痒疹、特発性慢性蕁麻疹(原因不明のタイプの慢性蕁麻疹)
    その他、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
    生後6ヶ月以上に対応: 2023年9月より、生後6ヶ月以上(体重5kg以上)の乳児から使用可能となりました。

使用方法

通常、初回は2本、その後は2週間に1回のペースで皮下注射を行います。
医療機関での接種だけでなく、「自己注射(ペン型・シリンジ型)」を選択することも可能です。自己注射の場合、最大3ヶ月分(6本)をまとめて処方ができるため、通院負担を減らすだけでなく、高額療養費制度を利用して費用を抑えることができるメリットがあります。

3. 花ふさ皮ふ科グループの処方方針と症例数

処方方針

花ふさ皮ふ科グループでは6ヶ月以上デュピクセント以外でのアトピーの標準治療(ステロイド外用など)を行った場合に導入を検討します。

紹介状が無い場合初診時からいきなりデュピクセントの投与は行っておりません。

ステロイド外用などデュピクセント以外のアトピー性皮膚炎の標準治療

※他院様ですでにデュピクセントを投与されていて紹介状を持参された場合
継続治療は必要に応じて注射・処方を検討します。

症例数

実績数
千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 112例
江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 27例
みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 14例
花ふさ皮ふ科グループ 153例

※2026年2月現在

デュピクセント希望の方は
花ふさグループへお気軽にご相談ください

4. 使用上の注意点

効果が高い薬剤ですが、以下の点に注意が必要です。

  • 投与間隔を守る: 症状が良くなったからと間隔を空けすぎると、体内に「中和抗体」や「抗薬物抗体」と呼ばれる抗体ができてしまい、薬が効きにくくなるリスクが高まる可能性があります(2週間隔:4.3%に対し、8週間隔では11.7%に上昇)。
  • 副作用: 主な副作用として、結膜炎(目やまぶたの赤み・痒み)や注射部位反応、顔の赤みが見られることがあります。
  • 継続的な外用: デュピクセント開始後も、医師の指示に従い保湿剤やステロイド外用薬の併用を継続することが必須です。

5. デュピクセントの薬価

2026年2月現在、300mgのペン/シリンジの薬価がそれぞれ53659円/53493円となります。
成人の場合、初回は2本、その後は2週間間隔で1本注射するので、自己負担が3割の方で初回は約32000円、2週間後以降は毎回16000円の注射代がかかります。

※別途、再診料や処方箋料、処置料がかかります。
※小児の場合は体重によって、200mgのペン/シリンジを用いるなど、投与量や投与間隔が異なります。
※自己注射の場合、最大3ヶ月分(6本)をまとめて処方ができるため、通院負担を減らすだけでなく、高額療養費制度を利用できたり、小児の場合は自治体の小児医療費助成を利用することで、実際の窓口負担はさらに軽減されるケースがあります。

6.FAQ(よくある質問)

デュピクセントは何歳から使えますか?

A

日本では2023年9月より、生後6ヶ月以上のアトピー性皮膚炎患者様(体重5kg以上)から使用できるようになりました。皮膚科専門医の診断のもと、乳幼児期から早期に炎症を抑えることで、健やかな肌、体、精神の成長をサポートします。
自己注射のメリットは何ですか?

A

通院回数を減らせるだけでなく、経済的なメリットも大きいです。3ヶ月分(6本)をまとめて処方することで、1ヶ月の自己負担限度額を超える「高額療養費制度」を適用しやすくなり、トータルの医療費を抑えることが可能です。
症状が良くなったら、注射の間隔を空けてもいいですか?

A

原則として2週間に1回の間隔を守ることが重要です。間隔を4週、8週と空けてしまうと、体内に中和抗体ができやすくなり、将来的に薬の効果が弱まってしまうリスク(8週間隔で11.7%)があるため、自己判断での調整は控えましょう。
デュピクセントの最新の費用はいくらですか?(3割負担の場合)

A

2024年11月の薬価改定後、300mgペン1本の薬価は51,041円です。3割負担の方の場合、1カ月分(2本)の薬剤費は約30,625円となります。ここからさらに高額療養費制度等の助成が適用される場合があります。
副作用にはどのようなものがありますか?

A

最も多い副作用は結膜炎(目のかゆみ、ゴロゴロ感、充血)です。また、注射した部位が一時的に赤くなることもあります。これらは皮膚科や眼科での適切な処置でコントロール可能ですので、異変を感じたらすぐに皮膚科専門医へご相談ください。症状が強い場合はデュピクセントの投与を中止することもあります。

【皮膚科専門医によるまとめ】

デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の根本原因である「タイプ2炎症」を抑える革新的な注射薬です。

  • 対象: 生後6ヶ月以上の乳児から成人まで、中等症〜重症の患者様。
  • 効果: 投与4週間で痒みや睡眠障害の劇的な改善が期待できます。
  • 費用: 3割負担で月額約3万円(薬剤費)。自己注射によるまとめ処方で高額療養費制度の活用が可能です。
  • 重要点: 効果を維持し抗体発生を防ぐため「2週間に1回」の投与間隔を厳守することが推奨されます。

大阪の花ふさ皮ふ科グループ(千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科・みのお花ふさ皮ふ科)では、皮膚科専門医が一人ひとりのアトピーの皮膚症状に合わせた最適な治療計画をご提案します。

 

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