【アポハイドローション】とは|【医師監修】皮膚科専門医が解説|効果・使い方・注意点・費用

塗り薬

1 アポハイドローションとは

アポハイドローション20%は、日本で初めて保険適用が認められた「原発性手掌多汗症(手汗)」専用の外用治療薬です。

有効成分のオキシブチニン塩酸塩が、汗腺にあるムスカリン受容体をブロック(抗コリン作用)することで、脳からの「汗を出せ」という指令を直接遮断し、過剰な発汗を抑制します。

これまで手汗の悩みは、市販の制汗剤や自費の塩化アルミニウム液、自費診療のボトックス注射などに限られていましたが、現在は皮膚科にて保険診療での処方が可能となりました。

自費のボトックス注射についての
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2 アポハイドローションの特徴

アポハイドローションは、その名の通り「ローション剤(液状)」の薬剤です。主な特徴は以下の通りです。

  • 日本初の保険適用外用薬:手汗に悩む12歳以上の患者さんが対象です。
  • 高い有効性:国内の臨床試験において、4週間の使用で約半数(52.8%)、52週間の長期使用では約7割(72.6%)の患者さんで発汗量が半分以下に改善したというデータがあります。
  • 副作用の軽減:飲み薬の抗コリン薬に比べ、局所に塗布するため、口の渇きや便秘といった全身性の副作用が出にくい設計となっています。

3 適応疾患と使用方法

適応疾患

原発性手掌多汗症(原因となる他の病気がないにもかかわらず、日常生活に支障をきたすほど手のひらに汗をかく状態)に使用します。

使用方法

1日1回、就寝直前に塗布します。

  1. 手を洗う:石鹸で手を洗い、水分を完全に拭き取って乾かします。
  2. 塗布:両手掌に対して計5プッシュ分を手に取り、手のひら全体に均一に塗り広げます。
  3. 乾燥・就寝:薬剤を自然乾燥させてから就寝します。起床後まで手を洗わないでください。
  4. 起床後の洗浄:翌朝、流水または石鹸でしっかりと薬剤を洗い流します。

4 使用する上の注意点

安全に使用するために、以下の点に十分注意してください。

  • 顔や目に触れない:塗布後、手を洗う前に目や口に触れると、瞳孔が開く(散瞳)などの副作用が出る恐れがあります。コンタクトレンズの着脱は塗布前に済ませてください。
  • 密閉厳禁:塗った後に手袋(特にゴム製など気密性の高いもの)を履かないでください。吸収が過剰になり副作用のリスクが高まります。
  • 傷口を避ける:湿疹や傷がある部位には塗らないでください。
  • 禁忌(使用できない方)閉塞隅角緑内障の方、前立腺肥大による排尿障害がある方などは、抗コリン作用により症状が悪化する恐れがあるため使用できません。

5 アポハイドローションの薬価(目安)

アポハイドローションは1本(4.5mL)が約1週間分の用量です。

項目 費用(目安)
1本あたりの薬剤費(100%) 2,358円
3割負担の場合(1本/1週間分) 約707円
3割負担の場合(4本/28日分) 約2,829円

※別途、診察料や処方箋料などがかかります。
※2024年現在、発売後1年が経過したため、処方本数の制限は解除されています。

FAQ(よくある質問)

Q1: アポハイドローションは子供でも使えますか?
A1: 対象年齢は12歳以上となっています。12歳未満の小児については、臨床試験が行われていないため、安全性と有効性が確立されていません。
Q2: 塗るタイミングはいつが良いですか?
A2: 1日1回、就寝の直前です。日中ではなく就寝前に塗る理由は、就寝中の発汗が抑えられている時間帯に薬をしっかり浸透させ、かつ無意識に目や顔を触るリスクを低減するためです。
Q3: 3割負担の場合、1ヶ月の費用はいくらですか?
A3: 薬剤費のみの計算では、1本(1週間分)が約707円のため、4本(28日分)で合計約2,829円となります。これに診察料や薬局での調剤料が加わります。
Q4: 副作用にはどのようなものがありますか?
A4: 主な副作用は、塗った部位の皮膚炎(赤み、かゆみ)や湿疹、口の渇きなどです。もし目に薬剤が入ると、副作用で瞳孔が開き(散瞳し)眩しさや視界のかすみを感じることがありますので、朝起きたら必ず手を洗ってください。
Q5: 塗り忘れた場合はどうすればいいですか?
A5: 起床後に気づいた場合は、そのタイミングでは塗らずに、次の就寝前に通常通り1回分(5プッシュ)を塗ってください。一度に2回分を塗ることは避けてください。

まとめ

【皮膚科専門医監修】アポハイドローションのまとめ

  • 適応:12歳以上の原発性手掌多汗症(手汗)
  • 効果:1日1回就寝前の塗布で、神経伝達物質アセチルコリンをブロックし、手汗を抑制
  • 料金:3割負担で1本(1週間分)約707円。保険適用で治療可能
  • 注意点:塗布後は目や口を触らず、翌朝必ず洗い流すこと
  • 大阪での治療:千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科・みのお花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医が診断に基づき、アポハイドローションの処方や正しい使い方の指導を行っています。
多汗症の関連動画

参考論文

Nawrocki S, Cha J.
The etiology, diagnosis and management of hyperhidrosis: A comprehensive review.
Journal of the American Academy of Dermatology
▶︎多汗症の病態、診断、外用薬・内服薬・ボツリヌス療法などの治療を体系的にまとめた総説で、現在の多汗症診療の基礎となる代表的レビュー。
Solish N, et al.
A comprehensive approach to the recognition, diagnosis, and severity-based treatment of focal hyperhidrosis.
Journal of the American Academy of Dermatology
▶︎局所多汗症の診断基準と重症度に応じた治療アルゴリズムを提示した論文で、外用療法からボツリヌス療法までの治療戦略を整理している。
Strutton DR, et al.
US prevalence of hyperhidrosis and impact on individuals with axillary hyperhidrosis.
Journal of the American Academy of Dermatology
▶︎多汗症は人口の約3%にみられると報告されており、日常生活や社会生活に大きな影響を与える疾患であることが示されている。

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