AGAとは
AGA(Androgenetic Alopecia、男性型脱毛症)は、男性ホルモンと遺伝が関与している脱毛症です。思春期以降の男性におこる進行性の脱毛症で、主に前頭部・頭頂部の毛髪が薄くなります。日本人男性の3人に1人がAGAと言われています。
最近では女性の男性型脱毛症(FAGA)という病態も分かってきました。女性でも量は少ないものの男性ホルモンを持っていますが、女性ホルモン(エストロゲン)があるため薄毛を防いでいます。しかし、何らかの原因でこの女性ホルモンが減ってしまうために相対的に男性ホルモンが多くなり、薄毛になってしまうことがあり、これをFAGAと呼びます。女性ホルモンの減少理由は加齢やストレス、生活習慣の悪化などですが一定量は分泌されるため、髪の毛が全て抜けるようなことは少なく、前頭部や頭頂部の比較的広い範囲の薄毛が目立つのが特徴になります。
江坂駅前花ふさ皮ふ科では、AGA、男性の薄毛治療を実施しています。お困りの方はお気軽にご相談下さい。
AGAについて動画でも解説しています!
AGAの進行パターン分類
ハミルトン・ノーウッド分類
Ⅰ型 | 額の生え際から薄毛が始まり、M字型にラインが後退し始まている。 |
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Ⅱ型 | Ⅰ型が進行、M字型の切れ込みが深くなっている。 |
Ⅱ Vertex型 | Ⅱ型に加え、頭頂部のO字型の薄毛が見られる。 |
Ⅱa | Ⅱ型に加え、前頭部の薄毛が進行している。 |
Ⅲ型 | Ⅱ型からさらに進行、M字型の切れ込みがさらに深くなり前頭部も薄毛になる。 |
Ⅲ Vertex型 | Ⅲ型に加え、頭頂部もO字型の薄毛になる。 |
Ⅲa | 生え際の薄毛が進行してM字になっており、全体的な髪のボリュームも減少している。 |
Ⅳ型 | Ⅲ型より生え際が後退し、頭頂部にO字型の薄毛が現れる。 |
Ⅴ型 | Ⅳ型がさらに進行。生え際が頭頂部に迫りO字型の薄毛の範囲も広がる。 |
Ⅴa | Ⅳa型より更に前頭部の薄毛が進行して頭頂部の髪の毛も薄くなり始める。 |
Ⅵ型 | M字後退した生え際とO字型の薄毛がつながって側頭部と後頭部に発毛が残る。 |
Ⅶ型 | Ⅵ型がさらに進行。側頭部の薄毛も進み後頭部も頭頂部に近い部分は発毛がない。 |
Ⅳa | Ⅲa型より更に前頭部の薄毛が進行して髪が残っていたM字の中心部分も薄くなっている。 |
AGAの原因
私たちの髪の毛は、毛周期(ヘアサイクル)を繰り返しています。毛周期とは、髪が生えて抜け落ち、また生えてくる周期のことで、以下のように成長期・退行期・休止期に分けられます
- 成長期
髪が成長する段階。毛母細胞の分裂によって髪が成長する。成長期は約3~6年で、髪全体の85~90%を占める。髪は1日約0.3mm成長し、1年で約15cmのびる - 退行期
髪の成長が衰える段階。毛乳頭細胞からの指令や栄養の供給が弱まることで毛母細胞の分裂が低下し、髪の成長も止まる。退行期は約2~3週間で、髪全体の1%を占める。 - 休止期
髪の成長が完全に止まった段階。毛乳頭細胞が縮小して指令や栄養の供給が止まる。休止期は2~3ヶ月で、髪全体の10~20%を占める
やがて、毛乳頭細胞が活動を再開すると、新しい毛が古い毛を押し出すように生えてきて、古い毛が自然に抜けていきます。
このヘアサイクルによって、1日50~100本の髪の毛が自然に抜けます。
AGAは、男性ホルモンの影響でこのヘアサイクルが乱れてしまうことで起こります。
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5α還元酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)に変化します。一般的に男性ホルモンは筋肉の発達を促したり、髭や胸毛などの毛を濃くしたりする働きがあります。しかし、前頭部や頭頂部の毛に対しては、このジヒドロテストステロンは、髪の毛の毛周期の成長期を短縮させ、軟毛化を引き起こします。
治療
AGA治療に有効とされているのは、以下の内服薬と外用薬です。
内服薬
(1)フィナステリド
フィナステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素II型に対する阻害剤です。
(2)デュタステリド
デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素Ⅰ型とⅡ型に対する阻害剤です。
Ⅱ型のみを阻害するフィナステリドよりも、Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害するデュタステリドの方が発毛効果は高いと考えられています。臨床試験において、デュタステリド24週間の内服は、フィナステリドに比べて発毛効果が約1.6倍、毛髪の太さは1.45倍とするデータがあります。
内服方法 | 1日1錠あるいは1カプセルを24時間ごとに決めた時間(朝食後、あるいは夕食後など)に内服するようにしましょう。 |
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効果 | 通常、3~6ヶ月で抜け毛が減る、髪の毛のハリやコシが戻ってくるなどの効果がでてきますが、飲み続けることが重要です。 プロペシア(フィナステリドの国内先発品の国内データ) |
注意点 |
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外用薬
ヴェラルティスローション(ミノキシジル)
毛周期における成長期を延長させる作用があります。当院では、高濃度ミノキシジル製剤による外用治療を行なっております
ヴェラルティスVL15ローション
ヴェラルティスVL15ローションとは下記の有効成分を配合した塗り薬です。
有効成分
15%ミノキシジル | 毛周期における成長期を延長する(国内で一般的に市販されているミノキシジル製剤は5%程度です。) |
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アデノシン | 発毛促進因子を産生し発毛を促進 |
プロシアニジンB2 | 髪そのものを太く濃く |
プロキャピル | 頭皮の血流を増加 |
1日2回、1回あたり5プッシュを目安に薄毛の気になる箇所に塗布して、3分前後、頭皮を揉み込むようにしてマッサージをして浸透させてください。その後は4時間以上放置してください。
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今までに薬や化粧品などによりアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人。
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高血圧、低血圧の人。
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心臓または腎臓に障害のある人。
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むくみのある人。
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65歳以上の人。
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甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症)の人。