たこ・魚の目とは
たこも魚の目も、皮膚の一部が慢性の圧刺激を受けて、
生体の防御反応により角質層が厚くなる病気です。
以下の表のように、たこは角質が外側へ均一に肥厚する一方、魚の目は角層の中心が、芯のように内側(真皮側)に侵入していくため、“魚や鳥の目”のような見た目になり、芯が神経を圧迫することで圧痛を伴うことがあります。
「お子さんは通常、体重が軽いため、バレエやスポーツなどをしていなければ、たこや魚の目ができることは少ないです。お子さんの足の裏にたこや魚の目があると思って放置していたら、ウイルス性のイボだった、ということもあります。
江坂駅前花ふさ皮ふ科では皮膚科専門医が、たこ・魚の目・ウイルス性のイボの治療を行っています。 お気軽にご相談下さい。
-
たこ(胼胝)
- 症状
-
圧刺激を受けた全体の皮膚が、少し黄色味を帯びて、厚く硬くなって盛り上がる。芯は持たない。
- 部位
-
足の裏だけでなく、指(ペンだこ)、お尻(座りだこ)、唇(吸いだこ)など身体の色んな部位にできる
- 痛み
-
なし
-
魚の目(鶏眼)
- 症状
-
皮膚の角質層が硬く厚くなった膨らみの中央に、さらに皮膚の奥深くにめり込む硬い芯を持つ。真皮層に達すると、神経を圧迫して痛みを伴う。
- 部位
-
足の裏や足の指の間
- 痛み
-
あり
原因
足に変形がある、足の形やサイズに合わない靴を履く、つま先から着地するなどの歩き方の癖がある、加齢による脂肪組織の減少…といったことが原因で、足の裏の一部に連続して強い圧刺激が繰り返されることで、角質が厚くなるために発症します。
圧迫や摩擦を受けているところを厚く覆って守ろうとするために、生体の防御反応がはたらき、表皮の一番外側の角質層がケラチンというタンパク質を余分に作り出します。この角質が、硬い骨の上にできるものがたこ、骨と骨の間のようなやわらかいところにできるのが魚の目です。
治療
根本的な治療方法は、原因となっている皮膚への物理的な刺激を取り除くことです。
たこについては、硬くなった角質を軟膏などで軟らかくしたり、スピール膏やハサミ、メスなどを用いて除去したりします。また、足底粉瘤などの皮下腫瘍が原因で表面の皮膚にたこができていることがあり、このような場合は原因である腫瘍の治療が必要です。
魚の目の場合、まずは歩行時の痛みをとることが先決です。そのためには、痛みの原因である楔状に食い込んだ角質を除去することが必要で、以下のような方法があります。
- ❶削る…
メスやハサミで削るだけでも、痛みが軽減されます。この処置を1ヶ月に1回繰り返します。その間魚の目に体重がかからないよう工夫すると、だんだん芯が浅くなって治る方もいらっしゃいます。 - ❷冷凍凝固療法…
液体窒素で凍結させて、中心の芯となっている細胞を壊します。 - ❸スピール膏…
魚の目の大きさに合わせて切ったスピール膏を数日間貼り、角質を軟らかくし、中心部の“眼”の部分だけをメスやハサミなどで取り除きます。スピール膏は、幹部より大きく貼ると、周りの皮膚が傷んだり白くふやけたりしてしまうので、患部と同じ大きさに切って貼るようにして下さい。 - ❹ドーナツ型パッド…
疼痛軽減や再発予防のために、ドーナツ型パッドなどを用いて圧迫除去を行うこともあります。 - ❺手術…
メスによる切除は、その後の傷あとの痛みの方が魚の目の痛みより強いことがあり、お勧めできません。歩行異常や骨の異常の可能性がある場合は、整形外科へご紹介します。
注意点
治療により一旦改善しても、根本的な原因である圧刺激を取り除かなければ、再燃してしまいます。歩き方、靴のサイズや靴の履き方を見直してみましょう。
シューフィッターのいるお店などで、まずは足のサイズを測定してもらい、きちんと足に合った靴を選びましょう。大きい靴だから大丈夫と思う方もいらっしゃいますが、大きすぎる靴も、靴の中で足が遊んでしまい、逆に刺激が加わっている場合もあるので、注意が必要です。もしくは、足の形に合った中敷きを作成してもらい、体重がバランスよく足底にかかるように工夫することが大切です。
靴のサイズだけでなく、靴の履き方も重要です。すぐに履けるように、靴紐を緩めたままにして、結び直さずに履く方も多いのではないでしょうか?靴も正しく履かないと、たこや魚の目、靴擦れの原因になってしまいます。
正しい靴の履き方
-
椅子に座って、靴ひもを緩めてから、靴に足を入れます。
-
かかとを地面にトントンと軽く打ちつけて、靴のかかとに自分のかかとを寄せます。
-
足が靴の中で動かないように、爪先の方かた順に靴ひもを締めて固定します。
最近はたこや魚の目の治療薬が市販で売られており、ご自身で治療を試みてから受診される方も多くみられます。正しい治療のためには正しい診断がとても重要です。一見、魚の目やたこのように見えても、別の病気であったり、他の病気が混ざったりしていることがあります。「たかが魚の目やたこで…」と遠慮せずに、お気軽にご相談下さい。