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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、
以下のように定義されています。

  • アトピー性皮膚炎の定義1

    かゆい

  • アトピー性皮膚炎の定義2

    肘、膝など特徴的な左右対称性の湿疹病変

  • アトピー性皮膚炎の定義2

    慢性的に(乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上ダラダラ)繰り返す

アトピー性皮膚炎について動画でも解説しています!

多くの患者さんは以下のような「アトピー素因」という遺伝的な
体質が関係しています。

  • 皮膚が乾燥して皮膚のバリア機能が低下しやすい体質

  • アレルギーを起こしやすい体質 (気管支喘息やアレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎などの家族歴や既往歴がある)

江坂駅前花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医がアトピー性皮膚炎の治療を行っております。お困りの方はお気軽にご相談下さい。

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  • アトピー性皮膚炎の原因

  • アトピー性皮膚炎の症状

  • アトピー性皮膚炎の治療法(塗り薬)

  • アトピー性皮膚炎の治療法(飲み薬)

  • アトピー性皮膚炎の治療法(注射薬)

  • スキンケアについて

  • 悪化因子の除去

  • 日常の注意点について

原因

遺伝的な素因(アトピー素因、バリア機能の低下)環境的な素因(アレルゲンへの曝露、気温、湿度など)が合わさると発症すると考えられています。乾燥や遺伝的な素因で皮膚のバリア機能が低下していると、外部からの刺激を受けやすい状態になります。ここに、アレルゲン(ダニやハウスダスト、食物など)や汗、細菌、ウイルスなどが容易に侵入し皮膚の炎症を起こします。

この「皮膚のバリア機能が低下している」とは、どんな状態なのでしょうか?
皮膚の表面は角質層と呼ばれる層に覆われており、レンガとセメントを積み上げたような構造になっています。このレンガに例えられる部分が、天然保湿因子をもつ角質細胞であり、セメントに例えられる部分がセラミドなどの細胞間脂質にあたります。健康な皮膚の場合、このように角質層の細胞がレンガ状に綺麗に整って並んでおり、外部のアレルゲンとなる(細菌や食べ物、花粉などの)刺激から皮膚を守り、水分をしっかり保つことができます。

しかし、アトピー性皮膚炎の人や乾燥した皮膚では、角質細胞のレンガ配列が乱れ、天然保湿因子とセラミドが減少しているため、外部刺激が皮膚に侵入しやすく、水分が蒸発しやすい状態になってしまっています。

  • 健康な皮膚の状態

  • 乾燥した皮膚の状態

近年、フィラグリン遺伝子の異常がアトピー性皮膚炎に関係していることが分かりました。フィラグリンは皮膚の一番外側の角質細胞がつくるタンパク質で、皮膚のバリアを強くする働きや潤いを保つ働きを持っています。このフィラグリンの遺伝子に変異があると、フィラグリンが減り皮膚のバリア機能が弱くなってしまいます。アトピー性皮膚炎と診断されている日本人の10~30%がこの変異をもっていると言われています。

症状

アトピー性皮膚炎は生後2ヶ月頃から始まることが多く、湿疹が慢性的に続きますが、成長するにつれて湿疹が軽快することが多い傾向にあります。以下のように、年齢によって特徴的な湿疹がみられます。

乳幼児(2歳未満)
  • 口の周り、頬、首、頭にジクジクした湿疹
  • 1歳前後から次第に乾燥した湿疹が増える
  • 湿疹には食物アレルギーが関係することもある
幼児期・小児期(2~12歳)
  • 顔の症状は軽くなる
  • 首、わきの下、肘や膝の内側に乾燥した湿疹
思春期・成人期(13歳以上)
  • 顔や首など上半身を中心に治りにくい湿疹
  • 顔全体が赤くなる

アトピー性皮膚炎があると、以下のような病気も発症しやすいと
言われています。

  • アレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)
  • 眼疾患(白内障、網膜剥離など)
    アトピー性白内障やアトピー網膜剥離と言われ、視力低下が起こります。そのメカニズムは分かっていないことも多いですが、目の周りの湿疹が強く、患者さん自身がまぶたを掻いたり叩いたりする行動が原因の一つと言われています。掻くと白内障、叩くと網膜剥離のリスクが上がるので、定期的な眼科受診が大切です。 また、ステロイドを漫然と目の周りに塗っていると、緑内障を引き起こすことがありますので注意が必要です。
  • 皮膚感染症
    皮膚のバリア機能が低下していると、伝染性膿痂疹(とびひ)伝染性軟属腫(みずいぼ)カポジ水痘様発疹症など、細菌やウイルスの感染症にかかりやすくなります。アトピー性皮膚炎の治療と日々のスキンケアを行い、皮膚のバリア機能を保つことで予防することができます。

治療

アトピー性皮膚炎は遺伝や環境など様々な要素が原因で起こる病気で、現時点では病気そのものを根治させる治療法はありません。アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018にも以下のような内容で治療の目標が記されており、症状を上手にコントロールする事が大切です。

治療目標

症状がない、あるいは軽度で日常生活に支障がない状態を、スキンケアと少しの薬物療法で維持できること

治療は、以下の3本柱があります。

  • 薬物療法
  • スキンケア
  • 悪化因子の除去

薬物療法

アトピー性皮膚炎の治療は、有効性・安全性の面から
塗り薬が基本です。

他に痒みを抑えるための抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の飲み薬を併用したり、重症な場合はステロイドやシクロスポリンなどの飲み薬を短期間使用したり、過剰な免疫を抑える効果のある紫外線療法を併用することもあります。

さらに、これらの治療を行っても十分な効果が得られない難治性のアトピー性皮膚炎に対して、2018年4月に注射薬(デュピルマブ)が登場し、また関節リウマチの治療薬として使われている飲み薬が、2020年(バリシチニブ)、2021年(ウパダシチニブ)からアトピー性皮膚炎にも使えるようになりました。

(薬物療法-1)塗り薬

アトピー性皮膚炎の炎症を抑える塗り薬には、現時点(2021年)でステロイド外用薬・タクロリムス軟膏・デルゴシチニブ軟膏があります。それぞれの違いを以下の表にまとめました。

 ステロイド
外用薬
タクロリムス
軟膏
デルゴシチニブ
軟膏
しくみ

人間の体内にある副腎皮質ホルモンの構造をもとにつくられた薬剤。この中のコルチゾールが炎症を抑える。

T細胞からのサイトカイン産生を抑制し、体の過剰な免疫反応を抑えて、かゆみや炎症を軽減する。

免疫の活性に関わるヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きを阻害し、体の過剰な免疫反応を抑えて、かゆみや炎症を軽減する。

特長

強さによって5段階に分類される。軟膏やクリーム、ローションなど様々な剤形がある。

ステロイドのような副作用はおきにくい。低下している皮膚のバリア機能を回復させる効果も期待できる。

ステロイドのような副作用はおきにくい。

注意点

血管拡張(皮膚が赤くなる)や皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)などの副作用が出ることがある。

使い始めは、刺激感を感じやすい。掻き傷やジクジクした感染部位には使用できない。

タクロリムス軟膏のような刺激感は少ない。

どの塗り薬も、適切な量を使わないと十分な効果を得ることができません。“1 Finger Tip Unit(1 FTU)”という考え方があり、「チューブに入っている塗り薬は、人差し指の先から第1関節までの長さまで縦に出した分の量を手のひら2枚分の面積に塗るのが適量」という目安になります。ローションの場合、1円玉硬貨の大きさ分が手のひら2枚分の面積に塗るのが適量です。

塗り薬(軟膏・クリーム・ローション)の適量とは

実際ここまで厳密にするのは大変ですし、チューブの種類や手の大きさによっても差がありますので、たっぷり塗ることが大切ということを覚えておいて下さい。お薬を塗った後にティッシュをのせたらくっついて落ちない程度にしっかり塗ることが大切です。

「ステロイドを塗ったら良くなるけど、やめるとすぐ悪くなります…一生治らないのでしょうか?」という悩みをよく耳にします。先に掲げた「症状がない、あるいは軽度で日常生活に支障をきたさない状態を、スキンケアと少しの薬物療法で維持できること」という目標を達成するために登場したのが、プロアクティブ療法という塗り方の概念です。

  • リアクティブ療法

    アトピー性皮膚炎の治療で、従来行われていた外用方法です。時々湿疹が出るくらいの軽症の場合は、症状が出現したときにステロイド外用剤を使う方法が適しています。

  • プロアクティブ療法

    何度も同じ場所に繰り返して湿疹が出る場合は、この外用方法が有効です。湿疹が外見上はおさまっていても、皮膚の中では炎症が残っていて、その段階でステロイドやタクロリムスなどの外用を中止してしまうと湿疹が再燃してしまいます。
    まず炎症がゼロの状態まで抑えて、その後もステロイドやタクロリムスの外用回数を少しずつ減らしていくことで、再燃を防ぐことができます。

    ※上図に示した外用回数や期間は、あくまでも目安です。実際の治療では、担当の医師の指示に従って下さい。

(薬物療法-2)飲み薬

  • 抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬

    アトピー性皮膚炎は痒みを伴う湿疹なので、掻くことで炎症が悪化しさらに痒くなってしまいます。これを「itch-scratch cycle(痒くて引っ掻くともっと痒くなりさらに引っ掻くという悪循環)」と呼びます。その痒みを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を外用療法と併用する場合があります。

  • シクロスポリン

    シクロスポリン

    過剰な免疫反応を抑える飲み薬です。16歳以上のアトピー性皮膚炎の患者さんで、ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤などこれまでの治療で十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲にある場合に、一時的な使用(最大で12週間)を検討します。血圧上昇、腎機能障害、多毛、歯肉炎などの副作用が出る可能性があるので、定期的な血圧の測定や血液検査が必要です。ほとんどの副作用は、お薬の中止によって元に戻ります。

  • バリシチニブ・ウパダシチニブ

    リンヴォック

    JAK/STATシグナル伝達経路を阻害することで、痒みや炎症を抑え、皮膚のバリア機能の低下を抑制する効果があります。副作用として、感染症の悪化、消化管穿孔、肝機能障害などの副作用があるので、事前に血液検査やレントゲン検査が必要です。内服開始後も定期的な検査が必要です。

(薬物療法-3)注射薬

これまでの外用薬や内服薬による治療は、炎症や痒みを抑える対症療法でしたが、最近ではアトピー性皮膚炎の原因に関わる分子をターゲットにした治療薬であるデュピルマブという注射薬が登場しました。これは、炎症に関わる免疫細胞が出す物質の働きを抑えることで、湿疹や痒みを抑えることができます。

スキンケア

皮膚のバリア機能を高めるためには、正しいスキンケアを継続して行うことが大切です。スキンケアの基本は、入浴と保湿です。

  • 入浴

    42度以上の熱いお湯は、皮膚バリアの回復を低下させることや痒みが誘発されることが科学的に分かっています。36~40度の温度だと成熟した角層の形成を促し、皮膚バリアを回復すると言われています。ぬるめの温度(38~40度のお湯)で入浴するようにしましょう。

    石けんやボディソープは低刺激性のもの選び、しっかり泡立てて指の腹で優しく洗うようにしましょう。石けんが残らないように、十分にすすぎましょう。

  • 保湿

    ヒルドイドソフト軟膏

    1日1回の保湿より1日2回(朝・夕)保湿する方が、保湿効果が高いことが分かっています。そのうち1回は、入浴後30分以内に保湿剤を塗って肌を保護しましょう。入浴後、洗顔後30分~1時間の間に急速に肌が乾燥していきます。

    病院で処方できる保湿剤には、ヘパリン類似物質含有製剤や尿素製剤、ワセリンなどがあります。最近は、市販でも低刺激性で保湿効果の高い製品もあるので、自分に合うものを探していきましょう。

    赤ちゃんの時から保湿をすることによって、アトピー性皮膚炎の発症を予防できる可能性があるという日本発の研究結果もあります。父親もしくは母親がアトピー性皮膚炎の場合、子どもも遺伝的にアトピー素因を持っている可能性が数倍高くなるという研究報告もあるので、赤ちゃんの時から保湿をするようにしましょう。

悪化因子の除去

アトピー性皮膚炎の悪化因子を
取り除くことにより、悪化を防ぐことができます。
以下に関係しているものがあれば、
できることから始めていきましょう。

  • 食物アレルゲン

    赤ちゃんの頃は、卵や牛乳、小麦などの食べ物に対するアレルギーが原因になることがあります。しかし、血液検査(特異的IgE検査)で陽性になったことだけを根拠に食物を除去する必要はありません。経過や皮膚テスト、負荷試験などを行い、総合的に判断することが大切です。

  • 環境アレルゲン

    ダニ、花粉、ペットの毛などによって症状が悪化することがあります。
    ダニ対策→布団に掃除機をかける、週に1回はシーツを交換する、ベッドにぬいぐるみを置かないなど。
    花粉対策→マスクやメガネを着用する、帰宅後に衣類の花粉を落とし洗顔•洗髪をする。
    ペット→ペットを定期的に洗う、寝室にペットを入れない。

  • 汗をかくこと自体は良いことですが、放っておくと汗による刺激で症状が悪化することがあります。汗をかいたら、濡れたタオルで拭くかシャワーで洗い流すようにしましょう。

  • 接触刺激

    衣類や頭髪、シャンプーやリンスなどの刺激によって症状が悪化することもあります。過敏になった皮膚では、羊毛素材などの衣類や髪の毛の先端の接触などの刺激でも痒みを感じることがあります。皮膚に直接接触する衣類は、綿素材のものを着用する、髪を束ねるなどの工夫も大切です。

  • 接触アレルギー

    外用薬、化粧品、金属、香料など、日常的に使用するものに含まれる成分に対するアレルギー(かぶれ)が皮疹の原因になっていることもあります。接触皮膚炎が疑われる場合は、パッチテストで原因を検索していきます。

  • 精神的ストレス

    思春期以降は、学校や仕事のストレスや緊張、睡眠不足などが原因で、皮膚炎が悪化することがよくあります。ストレスをうまく解消し、十分な睡眠を確保するようにしましょう。

注意点

「ステロイドを塗ると皮膚が黒くなるのですか?」と患者様からたまに聞かれることがありますが、これは間違いです。炎症が長引くと、メラノサイト(メラニンを作る細胞)が刺激されて、皮膚に黒い色素(メラニン色素)が生成されます。ステロイド外用薬を塗ることによって皮膚の赤みや炎症が抑えられると、この黒い色素(炎症後色素沈着)が見えるので、誤解されたのでしょう。この炎症後色素沈着をなるべく残さないためにも、早い段階でステロイド外用薬を使って炎症を早く鎮めることが重要です。

痒いところを掻いてしまうと余計痒くなるので、掻かないようにすることが大切です。ガマンできない時は、氷や保冷剤で冷やすことも有効です。寝ている時に掻いてしまう場合は、長そで・長ズボンや手袋を着用する方法も有効なことがありますが、なかなか痒みが止まらない時は、遠慮なくご相談下さい。

文責:江坂駅前花ふさ皮ふ科院長 大村 玲奈(日本皮膚科学会皮膚科専門医)

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