円形脱毛症とは
円形脱毛症とはいわゆる「10円はげ」などと言われている、
円形~楕円形に頭髪が抜けてしまう皮膚病です。
見た目以外の自覚症状が少ないため、人から指摘されて初めて気づくことも多いです。
人口の約1%は円形脱毛症を発症していると考えられており、男性と女性の間に発症の差はみられません。また、子供でも発症することがあります。
江坂駅前花ふさ皮ふ科では円形脱毛症の治療を行っております。 お悩みの方はお気軽にご相談下さい。
円形脱毛症の分類
円形脱毛症は症状によって、以下のように分類されます。
- ❶単発型:
円形脱毛症のなかで最も多く見られる症状で、豆粒大から500円硬貨ほどの比較的小さな脱毛が1カ所~数カ所にできます。 - ❷多発型:
脱毛部が2カ所以上あり、何度も繰り返す症状です。 - ❸蛇行型:
後頭部や側頭部などの髪の生え際に、帯状につながって脱毛します。 - ❹全頭型:
多発型が頭部全体に広がり、ほとんどの髪の毛が抜け落ちてしまう症状です。 - ❺汎発型:
頭髪だけでなく、眉毛やまつげ、脇毛など全身の毛が抜け落ちてしまう重い症状です。
原因
現在は局所的な自己免疫疾患の一種と考えられています。私たちの身体には、細菌やウイルスなどの外敵から身を守る「免疫」という仕組みがあります。その免疫が暴走し、自分自身の細胞を攻撃してしまうことを自己免疫疾患と言います。その働きをもつリンパ球が誤って成長期の毛包を攻撃・破壊してしまうため、毛包が縮んで休止状態になってしまいます。毛は抜けても毛包は残っているので、発毛の可能性は常にあります。
自己免疫応答により毛が拔ける仕組み
-
正常な場合
-
円形脱毛症の場合
このような免疫機能の異常を発生させる要因としては、感染症やストレス、遺伝的素因などが考えられていますが、まだはっきり分かっていません。
また、円形脱毛症の方の40%以上がアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患をもっていると言われており、甲状腺疾患や尋常性白斑、SLEなどの自己免疫性疾患などを合併することがあります。さらに、脱毛症の原因として梅毒による脱毛、微量元素(亜鉛、鉄など)の欠乏によるものなどがありますので、血液検査をすることもあります。
治療方法
-
塗り薬
炎症や暴走した免疫機能を抑える効果があるステロイドの外用剤を、患部に塗ります。脱毛部だけでなく、脱毛斑の周辺部と痒みや違和感など脱毛前駆症状のある部位にも外用して下さい。
他に、血流促進や発毛促進効果のあるフロジン外用液を併用します。 -
飲み薬
脱毛範囲の縮小効果を期待して、セファランチンやグリチルリチンなどを併用することがあります。また、アトピー素因がある場合は、抗ヒスタミン剤の内服も有効と言われています。ステロイドの外用や注射が効かない場合に、ステロイドの内服を行うこともあります。
-
ステロイド局所注射
円形脱毛症の症状がひどく、長期化している場合、脱毛部に直接ステロイドを月に1回くらいの頻度で注射します。副作用として、注射部位の疼痛、萎縮、血管拡張、皮膚の陥没などがあります。
-
紫外線療法
脱毛斑部に、エキシマライトという治療機を用いて紫外線を照射します。1週間に1~3回くらいの頻度で、数ヶ月治療を行っていきます。照射部位に軽い痒みやヒリヒリ、赤みが生じることがあります。
-
液体窒素による凍結療法
脱毛斑部を液体窒素で冷却することで、脱毛範囲を縮小させる効果があると言われています。治療の際に多少の痛みを感じ、ときに治療後に水疱を生じることがあります。
-
局所免疫療法(SADBE等)
人工的にかぶれを起こす薬剤を頭皮に塗り、かぶれを起こすことで発毛を促します。子供にも行うことができ、重症の脱毛に勧められる治療です。しかし、保険適応がなく、当院では行っておりません。
-
ステロイドパルス療法
点滴により、ステロイドを3日間ほどの短期間で大量に投与する治療法です。
進行が早く、頭髪全体や体の毛まで抜けてしまうような重症の脱毛症に対して行われます。発症後6ヶ月以降は効果が落ちるため、発症後6ヶ月以内に行います。
また、大量のステロイドを点滴で投与するため、入院が必要になるので、総合病院や大学病院をご紹介致します。