巻き爪・陥入爪とは
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巻き爪
- 症状
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爪の両側縁が内側に巻き込まれた状態
周りの皮膚に爪が食い込んで痛みを伴うことや、細菌感染を伴って炎症を起こす(陥入爪)こともある
- 原因
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窮屈な靴などによる慢性的な圧迫
長期の寝たきりや麻痺による歩行量の不足
浮き足、外反母趾
変形性関節症による末節骨の変形
深爪(爪の切り過ぎ)
爪白癬や乾癬などの皮膚疾患
薬剤
- 治療予防
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器具を用いた矯正治療(自費治療)
→形状記憶合金のワイヤー※1やクリップ、樹脂製のプレートなど
生活習慣の改善(正しい爪の切り方をする※6、窮屈な靴は避ける、正しい歩き方で適度な運動をする)
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陥入爪
- 症状
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爪の側面の端が皮膚に食い込み、炎症をきたした状態
巻き爪を伴っている場合と伴っていない場合がある
強い痛みがある
出血しやすい肉芽を伴うことがある
- 原因
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深爪(爪の切り過ぎ) 生まれつき指の横幅に対する爪の横幅が大きいため、爪が皮膚に食い込みやすい
- 治療予防
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テーピング法※2
コットンを爪と皮膚の間に挟み込む※3
細菌感染を伴う場合、抗生剤の内服
爪甲側縁楔状切除術※4
外科的手術、フェノール法※5
正しい爪の切り方をする※6
江坂駅前花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医が巻き爪の治療・矯正を行っております。 お困りの方はお気軽にご相談ください。
※1 形状記憶合金のワイヤーを留置する方法
爪の先端に2カ所の穴をあけ、形状記憶合金で作られたワイヤーを通して固定します。
ワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して、巻いている爪を矯正する方法です。治療後、再発する可能性もあります。
費用
- 初期費用:1趾につき8,640円(初診料+手技料+ワイヤー代)
- 入れ替えのみ:1趾につき3,140円(再診料+手技料)
1ヶ月~1ヶ月半に1度の間隔でワイヤーを入れ替えます。 - 治療期間:3~6ヶ月
※2 テーピング法
伸縮性のある布テープを使って、爪の周りの皮膚を引っ張り、爪と皮膚の間にすき間を作る方法です。特に症状がひどい場合は即効性に乏しいので、症状が長引くようであれば、別の治療への切り替えも検討する必要があります。
肉芽がない場合
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テープを5~6cmにカットし爪の端ギリギリに貼る
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爪から皮膚を離すようにテープを下へ引っ張りながら裏側にまわす
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まわしたテープをらせん状に引っ張りながら斜めに貼る
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完成
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肉芽がある場合
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患部を全体的に覆うように両側にテープを貼る
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1の上に5~6cmにカットしたテープを重ね、下へ引っ張りながら斜め上にまわして貼る
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完成
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※3 コットンパッキング法
脱脂綿やチューブなどの小片を爪の先端・側面と皮膚の間に挟み込む方法です。特に症状がひどい場合は即効性に乏しいので、症状が長引くようであれば、別の治療への切り替えも検討する必要があります。
※4 爪甲側縁楔状切除術
皮膚に食い込んでいる爪甲の側縁を楔状に切除する方法です。痛みや炎症は数日で改善する即効性のある治療です。爪母(爪の根元にある、爪の形成に関わる部分)は残されるので、また爪は生えてきますが再燃する可能性はあります。
※5 外科的手術、フェノール法
爪母の一部を含めて食い込んだ爪を切除したり、フェノールなどを用いて化学的に爪母の一部を腐食させたりすることで、爪甲の幅を永久的に狭くすることで陥入爪を治療し再発を防ぐ最終手段のような治療です。治療後、爪の幅が狭くなり、また爪が変形することもあるので、江坂駅前花ふさ皮ふ科では行っていないで、他のクリニック・総合病院をご紹介いたします。
※6 正しい爪の切り方
巻き爪や陥入爪を繰り返さないためにも、正しい爪の切り方を知ることが大切です。理想的な爪の形は、スクエアオフカット(角に少し丸みのある四角形)という切り方です。短く切りすぎ(深爪)たり、角を深く切り過ぎたりしてしまうと陥入爪の原因になり、深爪の状態が長く続くと巻き爪や爪の変形の原因になります。また、爪が長過ぎると靴などの外力がかかり、痛みや爪の変形の原因になってしまいます。適度な長さを保つようにしましょう。