水イボ(伝染性軟属腫)とは
伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルス)が感染してできるイボです。
見た目は、数mm~5mmくらいのドーム状に盛り上がったイボで、表面がツルツルして光沢があり、てっぺんが凹んでいるのが特徴です。子どもの手足や体、陰部によく見られます。
水イボをもっている子と直接肌が接触することで接触感染することが多いですが、ビート板やタオルを介して間接的に感染することもあります。特にアトピー性皮膚炎やアセモの湿疹や乾燥肌でバリア機能が低下した肌に感染しやすく、掻くことでイボの内容物に含まれるウイルスが周囲の皮膚に付着して広がり、水イボが増えていきます。
治療方法
水イボの治療として、一般的には以下のような治療があります。
- ❶1年程度で水イボに対する免疫が体につき、自然に消えるため、経過観察する
(→当院の基本方針です) - ❷専用のピンセットで除去(当院では行っておりません)
水イボの中に、ウイルスを含む白い塊が存在します。この芯を水イボ専用のピンセットでつまんで取り除きます。麻酔のテープを貼って、つまんで取り除きますが、麻酔のテープを貼っても痛いものは痛いので当院ではお子様の負担も考えて、水イボの除去は行っていません。 - ❸液体窒素による凍結療法(当院では行っておりません)
−196℃の冷たい液体でイボを凍らせて治していきます。イボに対する免疫を高める効果があります。
医師や病院によって、治療方針や考え方は様々です。②ピンセットで除去と③液体窒素による凍結療法は有効ですが、恐怖や痛みを伴いますので、子どもたちには精神的・肉体的な負担になってしまいます。
水イボは、1年程度で自然に治癒しますので、当院では基本的に摘除は行いません。
しかし、最も大切なことは、水イボにかからないように、また水イボができても増やさないように、皮膚のバリア機能を強く保つことです。湿疹や乾燥肌を放置せず、必要な場合にはステロイドの塗り薬や保湿剤で健康なお肌を維持していきましょう。