Vビーム(Vbeam Prima)とは、波長595ナノメートルの色素レーザーを照射することで、ニキビ跡の赤みの原因となる皮膚内の余剰血管に選択的に作用し、赤みを目立ちにくくする医療レーザー機器です。ニキビ跡には「赤み型」「色素沈着型」「クレーター型」など複数のタイプがありますが、Vビームが特に有効とされるのは赤み型のニキビ跡です。本記事では、Vビームの仕組みから施術の流れ・回数の目安・施術後の経過まで、皮膚科専門医・医学博士の花房崇明理事長が監修のもと正確にお伝えします。
目次
Vビームとは?ニキビ跡の赤みへの仕組み
Vビーム(正式名称:Vbeam Prima)は、米国キャンデラ社が開発した色素(しきそ)レーザー機器で、2020年より国内でも使用されています。波長595ナノメートルのレーザー光は、皮膚内のヘモグロビン(赤血球中の赤い色素)に選択的に吸収されるという特性を持ちます。
ニキビが炎症を起こすと、患部周辺に毛細血管が増生・拡張し、炎症が治まった後も血管が残存することで赤みのあるニキビ跡が生じます。Vビームを照射すると、このレーザー光が余剰な血管のヘモグロビンに吸収されて熱エネルギーに変換され、血管を選択的に収縮・閉塞させることで赤みを改善へと導きます。周囲の正常な皮膚組織へのダメージを最小限に抑えるよう設計されており、前世代機より照射径が最大15mmまで拡大したことで、広範囲の照射にも対応しやすくなっています。
Vbeam Prima の主なスペック(当院導入機種)
・製造元:米国キャンデラ社
・レーザー波長:595ナノメートル(色素レーザー)
・照射径:最大15mm(前世代機は最大3mm)
・機器内蔵の冷却機能により、成人は通常麻酔不要
ニキビ跡のタイプ別:Vビームが向くケース・向かないケース
ニキビ跡は大きく3つのタイプに分類されます。Vビームが有効なのは主に「赤み型」です。自分のニキビ跡がどのタイプかを把握することが、適切な治療選択の第一歩です。
| タイプ | 特徴 | Vビームの適合性 |
|---|---|---|
| 赤み型(紅斑性ニキビ跡) | 炎症後に残る赤みや毛細血管拡張 | ◎ 特に有効 |
| 色素沈着型(茶色・黒ずみ) | メラニン増加による褐色の跡 | △ 別のレーザーや内服が適切な場合が多い |
| クレーター型(萎縮性瘢痕) | 皮膚が凹んだ状態 | ✕ フラクショナルレーザー等の別治療が必要 |
クレーター型・色素沈着型には別治療が必要です
クレーター状に皮膚が凹んでしまった萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)や、茶色い色素沈着にはVビームは適していません。これらのタイプには、フラクショナルレーザーや美白内服・外用薬など別のアプローチが必要です。ご自身のニキビ跡のタイプが分からない場合は、まず皮膚科専門医による診察を受けることをおすすめします。
施術の流れ
初めてVビームを受ける方のために、当日の施術の流れをご説明します。
① カウンセリング・診察
皮膚科専門医がニキビ跡の状態を確認し、Vビームが適切かどうかを判断します。他の治療との組み合わせが有効な場合もあるため、気になることはこの段階でご相談ください。
② クレンジング・洗顔
施術部位のメイクや汚れを落とします。洗顔は施術当日から行えます。
③ レーザー照射
専用のゴーグルで目を保護した後、Vbeam Primaを照射します。機器に内蔵された冷却機能(クライオジェン)が照射と同時に皮膚を冷却するため、成人は通常麻酔不要です。照射時間は照射範囲によって異なりますが、比較的短時間で終了します。
④ アフターケア・説明
施術後の注意事項(当日の入浴を控えるなど)の説明を受けて終了です。メイクは当日から可能です。
【施術当日のNG行動】
- 当日の入浴・長時間の湯船への浸かり(シャワーは可)
- 激しい運動・サウナなど体温が上がる行為
- 施術部位を強くこすること
- 日焼け止めを塗らずに紫外線を浴びること
回数・間隔の目安
「Vビームはニキビ跡に何回必要?」というご質問をよくいただきます。当院公式情報に基づいた目安をご紹介します。
照射回数の目安(個人差があります)
多くの症例で3〜5回ほどで改善する傾向があるとされています。ただし、ニキビ跡の範囲・深さ・肌質によって必要な回数は異なります。
施術間隔の目安
・自由診療の場合:1か月以上の間隔
・保険診療の場合(一部の血管腫など):約3か月の間隔
1回の施術で劇的に変化することもありますが、複数回の施術を重ねることで、より安定した改善が期待できます。施術ごとに医師が効果を確認しながら、回数や照射設定を調整していきます。具体的な回数や料金については、診察時に医師にご確認いただくか、当院の施術ページをご参照ください。
施術後の経過とダウンタイム
Vビーム施術後の経過について、あらかじめ知っておくことで安心して治療に臨めます。
施術直後〜数日
照射部位に赤み・むくみ・ほてり感が生じることがあります。これらは多くの場合、数日以内に落ち着いていきます。また、照射の強度によっては内出血(紫斑)が生じる場合があります。
数日〜1〜2週間
内出血が生じた場合は、1〜2週間程度で徐々に消退していくことが多いです。この間、日焼け止めをしっかり使用し、紫外線対策を行うことが大切です。
まれに生じる副作用
まれに水疱(すいほう)・瘢痕(はんこん)が生じることがあります。施術後に気になる症状が現れた場合は、自己判断せず速やかにクリニックにご連絡ください。
施術後のポイント
・メイク・洗顔:当日から可能
・入浴(湯船):当日は控える
・紫外線対策:施術後はとくに念入りに
・異常を感じたら:すぐにクリニックへ連絡
保険診療と自由診療の違い
Vビームは一部の疾患では保険診療が適用されますが、ニキビ跡の赤みへの照射は自由診療(公的医療保険適用外)となります。
| 適応 | 診療区分 |
|---|---|
| 乳児血管腫など一部の血管腫 | 保険診療(条件あり) |
| ニキビ跡の赤み・赤ら顔(美容目的) | 自由診療(※公的医療保険適用外) |
| 老人性血管腫(赤イボ) | 自由診療(※公的医療保険適用外) |
保険適用の可否は症状や診断によって異なりますので、最終的な判断は必ず診察を受けた上で医師が行います。「保険で受けられるか?」というご質問も、診察時にお気軽にご相談ください。
こんな時は早めにご相談を
以下に当てはまる方は、ニキビ跡が悪化したり色素沈着が定着したりする前に、早めに皮膚科専門医にご相談されることをおすすめします。
- ニキビが繰り返し炎症を起こし、赤みが長期間残っている
- 市販の化粧品・スキンケアでは赤みが改善しない
- 赤みだけでなく、凹凸(クレーター)も気になり始めた
- 赤みと色素沈着が混在していて、何から治療すべか分からない
- 結婚式・就活など、肌を整えたい時期が近づいている
千里中央・豊中・吹田エリアにお住まいの方は、千里中央駅から徒歩約5分の千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科へお気軽にご相談ください。皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ花房崇明理事長(医学博士)が、お一人おひとりのニキビ跡の状態に合わせた治療プランをご提案します。
まとめ
まとめ|Vビームによるニキビ跡の赤み治療について
Vビーム(Vbeam Prima)は、波長595nmの色素レーザーでニキビ跡の赤みに関わる余剰血管に選択的に作用し、赤みを改善へ導く医療レーザーです。
- 有効なタイプ:赤み型のニキビ跡(紅斑性ニキビ跡)
- クレーター・色素沈着には別治療が必要:まず皮膚科専門医に診てもらうことが重要
- 回数の目安:多くの症例で3〜5回ほどで改善する傾向(個人差あり)
- ダウンタイム:赤み・内出血などが生じることがあるが、多くは数日〜2週間程度
- 診療区分:ニキビ跡への照射は自由診療(※公的医療保険適用外)
- 料金・詳細:施術ページまたは診察時に医師へご確認ください
ニキビ跡でお悩みの方は、自己判断せず皮膚科専門医による診察を受け、ご自身の肌状態に合った治療を選択することが大切です。
FAQ(よくある質問)
Q1:Vビームはニキビ跡の赤みに何回くらい必要ですか?
A.
多くの症例で3〜5回ほどで改善する傾向があるとされていますが、ニキビ跡の範囲・深さ・肌質などによって個人差があります。1回ごとに効果を確認しながら回数を調整していきますので、まずは医師にご相談ください。
Q2:Vビームはニキビ跡のクレーター(凹み)にも効きますか?
A.
Vビームは主に「赤み型」のニキビ跡に有効な色素レーザーです。皮膚が凹んだクレーター型(萎縮性瘢痕)には適していません。クレーター型にはフラクショナルレーザーなど別の治療が必要です。ご自身のニキビ跡のタイプが分からない場合は、皮膚科専門医による診察をお受けください。
Q3:Vビーム施術後のダウンタイムはどのくらいですか?
A.
施術後に赤み・むくみ・内出血が生じることがあります。赤みやむくみは多くの場合数日以内に落ち着きますが、内出血が出た場合は1〜2週間程度かかることがあります。メイクと洗顔は当日から可能ですが、当日の入浴(湯船)は控えていただく必要があります。
Q4:Vビームは保険診療で受けられますか?
A.
乳児血管腫など一部の血管腫は保険診療の対象となる場合がありますが、ニキビ跡の赤みへの照射は美容目的の自由診療(公的医療保険適用外)となります。保険適用の可否は症状・診断によって異なりますので、最終的な判断は診察を受けた上で医師が行います。
Q5:施術中は痛いですか?麻酔は必要ですか?
A.
Vbeam Primaには機器内蔵の冷却機能が搭載されており、照射と同時に皮膚を冷やすため、成人は通常麻酔なしで施術を受けられます。ゴムで弾かれるような感覚を感じることがありますが、多くの方が耐えられる程度とされています。小児の場合は局所麻酔の利用も可能です(別途料金)。
Q6:Vビームとほかのニキビ跡治療を組み合わせることはできますか?
A.
ニキビ跡に赤みと色素沈着が混在している場合や、赤みとクレーターが両方ある場合は、Vビームと他の治療法(美白内服薬・フラクショナルレーザーなど)を組み合わせることが有効なケースがあります。最適な組み合わせはお一人おひとりの肌状態によって異なりますので、皮膚科専門医にご相談ください。













