その首のポツポツ、気になっていませんか?
ある日ふと鏡を見て、首にできた小さなポツポツに「これって何だろう?」「もしかして、うつるのかな?」「年を取ったせいかもしれない…」そんな不安や疑問を抱いたことはありませんか?
多くの方が「首イボ」と呼ぶこのポツポツ、実は「アクロコルドン」というできものです。

首にできたアクロコルドン(軟性線維腫)

 

 

この記事では、この「アクロコルドン」の正体から
原因、そして治療法まで、皮膚科専門医が解説しています。
あなたのその悩みを、スッキリ解決していきましょう。

 

 

 

 

目次

 

1. その正体は感染力のある「ウイルス性イボ」ではないことがほとんど

まず知っておくべき最も重要な事実は、多くの人が「首イボ」と呼ぶもののほとんどが、
医学的な意味でのウイルス性、つまり感染力があり、うつる「イボ(尋常性疣贅)」ではないということです。

その正体は、主に「アクロコルドン」あるいは「軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)」と呼ばれる、
良性の皮膚腫瘍(できもの)です。

アクロコルドンは、接触でうつる尋常性疣贅とは別のできものですので、
人にうつる心配はありません。まずこの点を理解するだけで、大きな安心材料になるはずです。

なお、一部の研究ではアクロコルドンの組織からヒトパピローマウイルス(HPV)が検出されたという報告もあります。
ただし、尋常性疣贅のように接触で人から人へうつる病気とは考えられていませんので、その点はご安心ください。

 

2. 主な原因は、ウイルスではなく「摩擦」と「加齢」

では、なぜこのポツポツができてしまうのでしょうか。
主な原因はウイルスではなく、日常生活の中に潜んでいます。

一つの大きな要因が「加齢」です。
これらのポツポツは中年以降に多く見られるようになります。
また、遺伝的な体質や、肥満、糖尿病、妊娠などによるホルモンバランスの変化が関係する場合もあります。

またもう一つの大きな要因は、ネックレスや衣類の襟などがこすれることによる「摩擦」や「圧力」です。
そのため、首の周りや脇の下といった、皮膚が擦れやすい部分にできやすい傾向があります。
つまり、アクロコルドンは何か特別な病気というわけではなく、多くの人に起こりうる、老化現象を含む皮膚の自然な変化の一つなのです。

なお、アクロコルドンが多発している方では、肥満・2型糖尿病・メタボリックシンドロームとの関連が複数の研究で報告されています。
数が急に増えてきた場合は、健康診断の結果もあわせて確認しておくとよいでしょう。

 

3. 放置してもOK。治療は美容目的がほとんど

アクロコルドンは良性の腫瘍であり、悪性化することはまずありません。
またアクロコルドンを触った手で他の皮膚を触っても感染して広がることもなく、
放置していてもそれほど大きくなることはありません。
そのため、医学的には放置しても全く問題ないとされています。
実際に治療を受ける人のほとんどは、
「見た目が気になる」「ネックレスが引っかかって煩わしい」といった、美容的な理由(整容的な目的)からです。

ただし、急に大きくなる・色が濃くなる・出血する・数が急激に増えるといった変化がある場合は、
別のできものの可能性もあるため、一度診察を受けてください。

 

4. 綺麗に治療するならCO2レーザー(保険適用外)

皮膚科で治療する場合、最も一般的に行われるのが保険適用となる「液体窒素療法」です。
これはマイナス196℃の液体窒素で組織を凍結させ、壊死・脱落させる方法です。
しかし、この治療法には大きな落とし穴があります。
それは、周囲の皮膚まで凍結するため、治療後に「炎症後色素沈着(シミ)」が残りやすいという点です。
治療直後は赤く腫れぼったくなり、その後黒いカサブタになるため、一時的に元のポツポツより目立った状態になります。
このシミが消えるまでには数ヶ月から1年、場合によってはそのまま残ってしまう可能性もあるのです。
そのため千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科・みのお花ふさ皮ふ科ではこの液体窒素療法は行っておらず、
自費診療になりますがCO2レーザーを用いた治療を行っています。
CO2レーザーはピンポイントでアクロコルドンを蒸散させる(削り取る)ため、
炎症後色素沈着のリスクが低いのです。
CO2レーザー後は一時的にアクロコルドンがあった部位が傷になるので、1-2週間、傷の処置が必要です。
その後1-3ヶ月程度して赤みが徐々に消えていきます。

 

5. 塗り薬(市販薬も処方薬も)は効果なし。自分で取るのは絶対にNG

残念ながら、市販の塗り薬、皮膚科クリニックで処方できる塗り薬でアクロコルドンを治すことはできません。
そして最も注意していただきたいのが、自分で無理に引っ張ったり、自宅のハサミで切ったりすることです。
これは感染症出血を引き起こす可能性があり、非常に危険です。
手軽に見える自己処理は、傷跡を残したりすることも含め、深刻な肌トラブルにつながる可能性があります。
見た目が気になる場合、皮膚がんが心配な場合、絶対に自己判断で除去せず、皮膚科専門医に相談しましょう。

 

6. まとめ:正しい知識で、アクロコルドンと上手に付き合おう

この記事で解説した5つの重要なポイントを振り返ってみましょう。

  1. 首のポツポツの正体はウイルス性のイボではない(アクロコルドン、あるいは軟性線維腫という良性腫瘍)。
  2. 主な原因は加齢や摩擦であり、接触でうつる心配はない。
  3. 放置しても問題なし。美容目的に治療可能。
  4. 治療法は千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科・みのお花ふさ皮ふ科ではCO2レーザーで治療している(保険適用外)
  5. 塗り薬は効かない。自己処理は絶対にダメ

首のポツポツは、多くの人に起こる老化現象、摩擦による自然な皮膚の変化です。

 

気になるお悩みのある方は、千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科の皮膚科診療をご予約ください。

 

7. よくある質問(FAQ)

Q1:首のポツポツ(アクロコルドン)は人にうつりますか?

うつりません。アクロコルドン(軟性線維腫)は、接触で感染するウイルス性イボ(尋常性疣贅)とは別のできものです。触れたり、タオルを共有したりしてうつるものではありません。なお一部の研究ではアクロコルドンからヒトパピローマウイルスが検出されたという報告もありますが、感染してうつる病気とは考えられていません。

Q2:アクロコルドンの原因は何ですか?

はっきりした原因は分かっていませんが、加齢と、ネックレスや衣類の襟による摩擦・圧力が主な要因と考えられています。そのため首や脇の下などこすれやすい部位にできやすい傾向があります。また、肥満・糖尿病・メタボリックシンドロームとの関連も報告されています。

Q3:アクロコルドンは放置しても大丈夫ですか?

医学的には放置して問題ありません。アクロコルドンは良性のできもので、悪性化するリスクはごく低いとされています。治療を受ける方のほとんどは、見た目が気になる、ネックレスが引っかかるといった整容的な理由です。ただし急に大きくなる、色が濃くなる、出血するといった変化がある場合は診察を受けてください。

Q4:液体窒素とCO2レーザー、どちらがよいですか?

液体窒素療法は保険適用ですが、周囲の皮膚まで凍結するため炎症後色素沈着(シミ)が残りやすいという難点があります。CO2レーザーはピンポイントで蒸散させるため色素沈着のリスクが低く、当院グループでは自費診療でCO2レーザーによる治療を行っています。仕上がりを重視される場合はCO2レーザーが選択肢になります。

Q5:アクロコルドンの治療に健康保険は使えますか?

液体窒素療法は健康保険が適用されます。一方、当院グループが行っているCO2レーザーによる治療は自費診療(保険適用外)です。色素沈着のリスクを抑える目的で選択する治療のため、費用は自己負担となります。料金は診察時にご案内します。

Q6:市販の塗り薬で取れますか?自分で切ってもよいですか?

市販薬でも処方薬でも、塗り薬でアクロコルドンを取ることはできません。また、自分で引っ張ったりハサミで切ったりするのは、出血や細菌感染、傷跡が残る原因になるため避けてください。皮膚がんとの見分けが必要な場合もあるため、皮膚科専門医にご相談ください。

 

8. 参考文献(Evidence)

  1. Pandey A, Saleh HM. Skin Tag (Acrochordon). StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025.
    NCBI Bookshelf NBK547724
    ▶ アクロコルドンの定義・原因・肥満/糖尿病との関連・悪性化リスク・治療法を網羅した総説。液体窒素による凍結で周囲皮膚の色素異常が生じうる点も記載。
  2. El Safoury OS, Ibrahim M. A clinical evaluation of skin tags in relation to obesity, type 2 diabetes mellitus, age, and sex. Indian Journal of Dermatology. 2011;56(4):393-397.
    doi:10.4103/0019-5154.84765
    ▶ アクロコルドンと肥満・2型糖尿病・年齢・性別との関連を臨床的に評価した研究。
  3. Kahana M, Grossman E, Feinstein A, et al. Skin tags: a cutaneous marker for diabetes mellitus. Acta Dermato-Venereologica. 1987;67(2):175-177.
    doi:10.2340/0001555567175177
    ▶ 多発するアクロコルドンが糖尿病の皮膚サインとなりうることを示した古典的報告。
  4. Dianzani C, Calvieri S, Pierangeli A, et al. The detection of human papillomavirus DNA in skin tags. British Journal of Dermatology. 1998;138(4):649-651.
    doi:10.1046/j.1365-2133.1998.02178.x
    ▶ アクロコルドンからHPV DNAが検出されうることを報告した研究。ただし接触感染する疾患であることを示すものではない。

最終確認日:2026年8月17日(各文献はDOIで実在を照合済み)

炭酸ガスレーザーについて動画でも詳しく解説しています。

 

監修者:花房崇明 理事長

監修者
理事長:花房崇明
(はなふさ たかあき)
[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院)
・日本皮膚科学会皮膚科専門医
・日本アレルギー学会アレルギー専門医
・日本抗加齢医学会専門医
・難病指定医

[ 所属学会 ]

日本皮膚科学会
・日本アレルギー学会
・日本小児皮膚科学会
・日本抗加齢医学会
・日本美容皮膚科学会