「しっかり洗顔しているのに頬の赤みが消えない」「夜になると顔がムズがゆい」「急に顔が火照ってなかなか元に戻らない」——その出口の見えずに不安になる顔の赤みの背景には、皮膚の常在寄生虫である「ニキビダニ(顔ダニ)」の異常増殖と、それに伴う「酒さ(しゅさ)」が隠れているかもしれません。

大阪の花ふさ皮ふ科グループを統括する皮膚科専門医・医学博士の花房崇明が、ニキビダニの正体を解き明かし、治療薬の正しい使用法と、酒さの根本解決のための「ニキビダニとの共生の新常識」を徹底的に解説します。

 

監修者:花房崇明

監修者
理事長:花房崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院)
・日本皮膚科学会皮膚科専門医
・日本アレルギー学会アレルギー専門医
・日本抗加齢医学会専門医
・難病指定医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会
・日本小児皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会
・日本美容皮膚科学会

 

 

1. 顔ダニは「敵」ではなく「肌の掃除屋」

「ニキビダニ=酒さ」は医学的な誤解です。ニキビダニ(デモデックス)は成人の90%以上、70歳以上ではほぼ100%に存在する「常在性の寄生虫」です。

  • デモデックス・フォリクロルム: 毛穴の奥で角質を食べる。
  • デモデックス・ブレビス: 皮脂腺に住み、皮脂をエサにする。

通常、ニキビダニは余分な皮脂や細菌を食べる「肌の掃除屋」として、皮膚の生態系を維持する味方の側面も持っています。

 

2. 夜のむずがゆさはSOS?異常増殖のサイン

「皮膚の奥から湧き上がるような独特のむずがゆさ」は、ニキビダニの活動に連動している可能性があります。

  • 夜間の活動: 顔ダニは夜間に活動が活発になり、産卵を行います。
  • 火照りの誘因: 入浴や運動で体温が上がると顔が真っ赤になり、チクチクと感じることがあります。

これらを単なる敏感肌として片付けず、早期に皮膚科専門医に相談することが改善の鍵です。

 

3. 薬が効かない理由は「原因」の誤認にあり

ニキビ治療を続けても改善しない場合、それは「アクネ菌」ではなく「ニキビダニ」が関与する酒さ(デモデクソージス)かもしれません。

【酒さ・ニキビダニ治療薬の使い分け】

  • ロゼックスゲル(メトロニダゾール): 酒さ治療の標準薬。増殖抑制と抗炎症のバランスに優れています。
  • イベルメクチンクリーム(自費): 高い殺虫効果を持ち、ダニの密度を直接下げる強力な選択肢です。
  • ビブラマイシン(ドキシサイクリン): ダニを殺すのではなく、強力な抗炎症作用で赤みを鎮めます。

 

4. 注意!ステロイドが作る「ダニの楽園」

炎症を抑えるためのステロイド軟膏を自己判断で長期使用することは非常に危険です。

局所的な免疫が抑制されることで、天敵のいない「ダニの楽園」が形成され、症状を劇的に悪化させることがあります。不要な薬を減らす「引き算の治療」が最短ルートとなる場合も多いのです。

 

5. 「腸-皮膚軸(Gut-Skin Axis)」の重要性

最新の皮膚科学では、腸内環境の乱れが全身の免疫バランスを崩し、ニキビダニの増殖や酒さを悪化させることが示唆されています。

オメガ3系脂肪酸や食物繊維の摂取など、内側からの免疫コントロールは、ニキビダニとの平和な共生を支える重要なスキンケアです。

 

まとめ:ニキビダニと上手に共生するために

ニキビダニは根絶すべき悪魔ではなく、適切な数でコントロールすべき「同居人」です。

  1. 専門的治療: ロゼックス、イベルメクチン、Vビームレーザーなど、エビデンスに基づいた治療を行う。
  2. 基本の洗顔: 過剰な皮脂を放置せず、必要に応じてイソトレチノインで皮脂分泌をコントロールする。
  3. 生活習慣: 腸内環境を整え、内側から免疫を安定させる。

 

FAQよくある質問

Q1. ニキビダニ(顔ダニ)とは何ですか?
A. 成人の90%以上の皮膚に常在する寄生虫です。皮脂や角質を食べる「掃除屋」であり、存在自体は異常ではありませんが、数が増えすぎることが問題となります。
Q2. 夜に顔がむずがゆくなるのはなぜですか?
A. ニキビダニは夜間に活動が活発になるため、その刺激で独特のむずがゆさを引き起こすことがあります。夜間のかゆみや入浴後の火照りは重要なサインです。
Q3. ステロイド軟膏を使い続けても大丈夫ですか?
A. 長期の自己判断使用は非常に危険です。免疫を抑制し、ニキビダニを異常増殖させる「ダニの楽園」を作る原因になりかねません。必ず皮膚科専門医の指導を受けてください。

参考論文

  1. E J van Zuuren et al., Interventions for rosacea: abridged updated Cochrane systematic review including GRADE assessments Br J Dermatol. 2015 Sep;173(3):651-62.
  2. Martin Steinhoff et al., Topical Ivermectin 10 mg/g and Oral Doxycycline 40 mg Modified-Release: Current Evidence on the Complementary Use of Anti-Inflammatory Rosacea Treatments. Adv Ther. 2016 Sep;33(9):1481-501.
  3. Benjamin M Clanner-Engelshofen et al., S2k guideline: Rosacea. J Dtsch Dermatol Ges. 2022 Aug;20(8):1147-1165.

 

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