MAST48(マスト48)とは、一度の採血で48種類のアレルゲンに対する特異的IgE抗体を同時に測定できるアレルギー血液検査です。
アトピー性皮膚炎・蕁麻疹(じんましん)・アレルギー性鼻炎など、アレルギー症状の原因を調べたい方に広く活用されています。
この記事では、MAST48の検査項目のカテゴリ・費用の目安・保険適用の条件・検査の流れについて、日本アレルギー学会アレルギー専門医・日本皮膚科学会皮膚科専門医である花房崇明 理事長(医学博士・大阪大学大学院)の監修のもと、正確にお伝えします。
1. MAST48とは?
MAST48(正式名称:MAST48mix)は、1回の採血で48種類のアレルゲンに対する特異的IgE(アイジーイー)抗体を同時に測定できるアレルギー血液検査です。
「MAST」はMultiple Antigen Simultaneous Test(多項目同時アレルゲン検査)の略称で、少量の血液から多くの情報を得られる点が特徴です。
測定方法はCLEIA(シーレイア:化学発光酵素免疫測定法)が用いられており、検体に必要な血清量はわずか0.6mLと少量です。
小さなお子さまや採血が苦手な方にとっても、身体的な負担が比較的少ない検査といえます。
【ポイント】MAST48で調べられるのは「アレルゲンに対するIgE抗体の有無や量」です。
検査結果だけで診断が確定するわけではなく、症状の経過・問診・身体所見と合わせて医師が総合的に判断します。
陽性であっても必ずしも症状が出るとは限らず、陰性であっても他の原因が隠れている場合もあります。
2. MAST48でわかること(検査項目のカテゴリ)
MAST48では、食物・花粉・環境因子など幅広いカテゴリのアレルゲンをカバーしています。以下に主なカテゴリをご紹介します。
① 食物系アレルゲン(約20種類)
食物アレルギーの主要な原因となる食品が含まれています。
代表的なものとして、牛乳・小麦・卵白・ピーナッツ・エビ・カニ・大豆・そば・ゴマ・果物類などが挙げられます。
食後に蕁麻疹や消化器症状が出る方、乳幼児のアトピー性皮膚炎で食物との関連を調べたい場合に役立ちます。
② 花粉系アレルゲン(約15種類)
季節性アレルギーの原因として代表的な花粉類が含まれます。
スギ・ヒノキ・ブタクサ・イネ科(カモガヤなど)・シラカバ・ヨモギなど、春から秋にかけて飛散するさまざまな花粉を網羅しています。
鼻炎・目のかゆみ・皮膚症状が季節によって悪化する方に有用です。
③ 環境・その他のアレルゲン
室内環境に関連するアレルゲンとして、ハウスダスト・ダニ(コナヒョウヒダニなど)・カビ(アルテルナリアなど)・ラテックス(天然ゴム)・ネコやイヌのフケなどが含まれます。
通年性のアレルギー症状や職業性アレルギーの原因検索に活用されます。
| カテゴリ | 主なアレルゲン例 | 関連しやすい症状 |
|---|---|---|
| 食物系(約20種) | 卵白・牛乳・小麦・エビ・カニ・ピーナッツ など | 蕁麻疹・アトピー・消化器症状 |
| 花粉系(約15種) | スギ・ヒノキ・ブタクサ・イネ科 など | アレルギー性鼻炎・目のかゆみ・皮膚炎 |
| 環境・その他 | ハウスダスト・ダニ・カビ・ラテックス・ペットのフケ など | 通年性鼻炎・喘息・蕁麻疹 |
3. こんな方にMASTアレルギー検査が向いています
MAST48は、アレルギー症状の原因を幅広く効率よく調べたい方に適した検査です。
- アトピー性皮膚炎で、悪化の原因となるアレルゲンを特定したい方
- 蕁麻疹(じんましん)が繰り返し出て、食物や環境因子との関連を調べたい方
- アレルギー性鼻炎・花粉症で、何の花粉に反応しているか確認したい方
- 乳幼児・小児で少量採血で多項目を調べたい場合
- 複数のアレルゲンが疑われ、一度に幅広くスクリーニングしたい方
千里中央・豊中エリアで「アトピーや蕁麻疹の原因をきちんと調べたい」とお考えの方は、皮膚科専門医とアレルギー専門医のダブル資格を持つ医師が在籍する千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科へご相談ください。
症状の経過を踏まえた上で、MAST48をはじめとする適切な検査をご提案します。
4. 検査の方法と流れ
MAST48の検査は、通常の外来診療の中でスムーズに行えます。以下が一般的な流れです。
STEP 1:受診・問診・診察
まず医師が症状の経過・生活環境・既往歴などを確認します。
アレルギー疾患の診断や診療に必要と医師が判断した場合に検査が行われます。
STEP 2:採血
腕の静脈から少量(血清0.6mL相当)の採血を行います。
食事制限は原則不要ですが、受診前に医療機関へご確認ください。
STEP 3:検査結果の確認(採血後7〜14日程度)
採血した検体を検査機関へ提出し、結果は採血後おおよそ7〜14日程度で判明します。
結果が出たら再診にてご説明します。
STEP 4:結果説明・治療方針の相談
検査結果と症状を総合的に照らし合わせ、医師が診断・治療方針をご説明します。
IgE抗体が陽性であっても、必ずしもそのアレルゲンが症状の直接原因とは限らないため、医師の説明をしっかり確認することが大切です。
5. 費用と保険適用について
MAST48の費用について、以下のポイントを押さえておきましょう。
保険適用の条件
医師がアトピー性皮膚炎・蕁麻疹・アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の診断や診療に必要と判断した場合、公的医療保険が適用されます(診療報酬1,430点)。
※公的医療保険適用の場合
自己負担の目安
3割負担の場合、MAST48の検査費用の自己負担はおおよそ数千円程度が目安とされています。
ただし、初診料・再診料・診察料・その他の処置費用が別途加算されます。最終的なご負担額は受診時に医療機関へご確認ください。
【注意点】
- 保険適用の可否は、症状や診察内容によって異なります。必ず受診時に医師・スタッフへご確認ください。
- 自由診療(保険適用外)で実施する場合は全額自己負担となります。※公的医療保険適用外
6. 他のアレルギー検査との違い
アレルギー血液検査には、MAST48のほかにもView39(ビュー39)など複数の種類があります。(花ふさグループはViewは行なっておりません。)
それぞれ測定できるアレルゲンの種類・数・測定方法が異なります。
どの検査が適しているかは、症状・年齢・疑われるアレルゲンなどによって異なるため、医師との相談のうえで選択することが重要です。
MAST48とView39など各検査の詳しい違いについては、MAST48とView39の違いを比較(詳しくはこちら)で解説しています。あわせてご参照ください。
7. まとめ
まとめ|MAST48について皮膚科専門医・アレルギー専門医にご相談を
MAST48は、一度の少量採血で48種類のアレルゲンに対するIgE抗体を同時に測定できる、効率的なアレルギー血液検査です。
アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・アレルギー性鼻炎などの原因アレルゲンを幅広くスクリーニングするのに役立ちます。
- 検査項目:食物系・花粉系・環境因子など48種類のアレルゲンをカバー
- 採血量:血清0.6mLと少量。結果は採血後7〜14日程度で判明
- 保険適用:医師が必要と判断した場合、公的医療保険が適用(診療報酬1,430点)
- 費用目安:3割負担でおおよそ数千円程度(初診料等は別途)。詳細は受診時に確認を
- 重要:検査結果だけで診断は確定しません。症状と合わせた医師の総合的な判断が必要です
千里中央・豊中エリアで「アレルギーの原因をきちんと調べたい」とお考えの方は、千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央駅徒歩約5分)へお気軽にご相談ください。
最終的な診断・治療方針は、必ず医師の診察を受けたうえでご確認ください。
8. FAQ(よくある質問)
Q1:MAST48は子どもでも受けられますか? A.(クリックで表示)
はい、乳幼児・小児でも受けることができます。MAST48は血清0.6mLという少量の採血で48種類のアレルゲンを調べられるため、お子さまへの身体的負担が比較的少ない検査です。ただし、採血に伴う痛みや不安への配慮が必要なため、受診前に医療機関へご相談ください。
Q2:MAST48で陽性が出たら、そのアレルゲンを食べてはいけませんか? A.(クリックで表示)
IgE抗体が陽性であっても、必ずしもそのアレルゲンを摂取すると症状が出るわけではありません。検査結果はあくまで「IgE抗体が存在するかどうか」を示すものです。実際に除去や制限が必要かどうかは、症状の経過や問診・身体所見と合わせて医師が総合的に判断します。自己判断で食品を制限することは栄養面のリスクもあるため、必ず医師にご相談ください。
Q3:MAST48の検査結果はどのくらいで出ますか? A.(クリックで表示)
採血後、おおよそ7〜14日程度で結果が判明します。結果が出たら再診の予約をとり、医師から詳しい説明を受けてください。なお、受診する医療機関や検査機関の状況によって多少前後することがあります。
Q4:MAST48に保険は使えますか?費用はどのくらいですか? A.(クリックで表示)
アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の診断や診療に必要と医師が判断した場合、公的医療保険が適用されます(診療報酬1,430点)。3割負担の場合の自己負担はおおよそ数千円程度が目安ですが、初診料・診察料などが別途加算されます。最終的な費用は受診時に医療機関へご確認ください。
Q5:MAST48とView39はどう違いますか? A.(クリックで表示)
MASTアレルギー検査(MAST48)とView39は、いずれも一度の採血で複数のアレルゲンを調べられる血液検査ですが、測定できるアレルゲンの種類・数・測定方法が異なります。どちらが適しているかは症状や疑われるアレルゲンによって異なるため、医師と相談のうえで選択することが重要です。詳しい比較についてはMAST48とView39の違いを比較で解説しています。
Q6:MAST48の検査前に食事制限は必要ですか? A.(クリックで表示)
MASTアレルギー検査は原則として絶食不要とされていますが、受診する医療機関によって異なる場合があります。念のため事前に受診先の医療機関へご確認いただくことをおすすめします。
9. 参考文献
1. SRL 総合検査案内「特異的IgE(MAST48mix)」(測定方法:CLEIA〔化学発光酵素免疫測定法〕、検体量:血清0.6mL、所要日数:4〜6日、保険点数1,430点。30の単独アレルゲンと6のミックスアレルゲンの計36項目で48アレルゲンをカバー)
https://test-directory.srl.info/akiruno/test/detail/038820200
2. 日本小児アレルギー学会 食物アレルギー診療ガイドライン2021 ダイジェスト版 第8章「診断と検査(総論)」(特異的IgE抗体陽性は「感作」の証明であり、症状誘発とは異なる。感作の証明だけで除去を安易に指導しない)
https://www.jspaci.jp/guide2021/jgfa2021_8.html
3. 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024. 日本皮膚科学会雑誌. 2024;134(11):2741-2843.(特異的IgE検査は診断の補助であり、症状・診察所見と合わせて評価する)
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/ADGL2024.pdf
10. 医師が解説するアレルギー関連動画
アレルギー検査の種類や特徴、食物アレルギー・接触皮膚炎(かぶれ)のメカニズムについて、皮膚科・アレルギー専門医が詳しく動画で解説しています。ぜひ参考にしてください。













