Qスイッチルビーレーザーとは、波長694nmの光を極めて短いパルス幅で照射し、皮膚のメラニン色素を選択的に破壊するシミ取りレーザー治療です。老人性色素斑(日光性黒子)・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)・太田母斑など、濃いシミ・深いシミに対して選択されることの多い治療法として知られています。本記事では、Qスイッチルビーレーザーの仕組みから効果の出方・ダウンタイム・料金・ピコレーザーとの違いまで、皮膚科専門医・医学博士の花房崇明理事長が監修のもと詳しく解説します。治療を検討されている千里中央・豊中・吹田エリアの方はぜひ参考にしてください。

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

・難病指定医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本臨床皮膚科医会 / 日本美容皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会 等

目次

Qスイッチルビーレーザーとは?(波長694nmの仕組み)

Qスイッチルビーレーザーは、波長694nmのルビー結晶を光源とするレーザーで、「Qスイッチ」と呼ばれる技術によってナノ秒(10億分の1秒)単位の極めて短いパルス幅でエネルギーを照射します。この短パルスにより、周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えながら、メラニン色素だけを選択的に破壊(光音響効果)できるのが最大の特徴です。

破壊されたメラニンの微細な粒子は体内のマクロファージ(免疫細胞)に取り込まれ、時間をかけて体外へ排出されます。その結果、シミが徐々に薄くなることが期待できます

694nmの波長はメラニン色素への吸収率が高く、茶色〜青灰色の濃いシミに対して特に親和性が高いとされています。ただし、すべてのシミに適応があるわけではなく、シミの種類・深さによって適切な治療法は異なります。医師による正確な診断が不可欠です。

対象となるシミの種類

Qスイッチルビーレーザーは、メラニンが比較的濃く、境界が明瞭なシミに対して選択されることが多い治療です。主な適応となるシミの種類を以下に整理します。

シミの種類特徴Qスイッチルビーレーザーとの相性
老人性色素斑(日光性黒子)加齢・紫外線による境界明瞭な茶色いシミ。頬・額・手の甲など◎ 良い適応
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)真皮内のメラニンによる青灰色のシミ。20〜30代女性に多い◎ 良い適応(複数回必要)
太田母斑顔面の青灰色の色素斑。先天性のものも多い○ 適応あり(複数回必要)
ソバカス(雀卵斑)遺伝的要素が強く、鼻周辺の小さな斑点○ 適応あり
肝斑(かんぱん)両頬骨の左右対称のもやっとした色むら単独照射は悪化リスクあり・原則NG
炎症後色素沈着(PIH)ニキビ・湿疹後の色素沈着△ 多くは自然軽快。慎重な判断が必要

特に注意が必要なのが肝斑です。肝斑に強いレーザーを単独で照射すると、かえって色素沈着が悪化するリスクがあります。肝斑にはトラネキサム酸内服・低出力レーザートーニング・遮光・スキンケアを組み合わせた治療が基本です。老人性色素斑と肝斑が混在しているケースも多く、医師による正確な見極めが治療成功の鍵となります。

シミ治療全般については、千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 シミ治療ページもあわせてご覧ください。

ピコレーザーとの違い

「ピコレーザーとどう違うの?」というご質問をよくいただきます。大きな違いはパルス幅(照射時間の長さ)にあります。

項目Qスイッチルビーレーザーピコレーザー(ピコスポット)
パルス幅ナノ秒(ns)単位ピコ秒(ps)単位(ナノ秒の1/1000)
主な作用光音響効果・光熱効果光音響効果(より強力な衝撃波)
主な適応濃いシミ・ADM・太田母斑老人性色素斑・薄めのシミ・くすみ
ダウンタイムかさぶた約1〜2週間かさぶた数日〜1週間程度(傾向として)
当院料金(1cm)11,000円16,500円

ピコレーザーはパルス幅が極めて短いため、熱による周囲組織へのダメージがさらに少ないとされています。一方、Qスイッチルビーレーザーは特に色素が濃く深いシミ(ADMや太田母斑など)に対して、長年の実績を持つ治療法です。どちらが適しているかはシミの種類・深さ・状態によって異なるため、カウンセリングで医師が判断します。

ピコレーザーによるスポット照射についてはピコスポットのページもご参照ください。

施術の流れ

① カウンセリング・診察(初回1,100円)

医師がシミの種類・深さ・範囲を診察し、Qスイッチルビーレーザーが適切かどうかを判断します。肝斑の混在がないか、他の治療法との組み合わせが必要かなども確認します。

② 麻酔クリームの塗布(必要に応じて)

照射部位に麻酔クリームを塗布し、一定時間置いてから施術を行います。痛みの感じ方には個人差があります。

③ レーザー照射

専用のゴーグルで目を保護したうえで、シミ部位にレーザーを照射します。照射時間はシミの範囲によって異なりますが、スポット照射であれば数分程度のことが多いです。照射直後は白く変色(白霜反応)し、その後赤みが生じます。

④ アフターケア・お会計

照射後は冷却・保護テープ(必要に応じて)を行い、ホームケアの説明をします。治療後の保湿と徹底した紫外線対策(SPF・PA高めの日焼け止め)が経過に大きく影響します。

効果の出方と必要な回数

Qスイッチルビーレーザーによる効果の出方は、シミの種類・深さ・個人差によって異なります。一般的な傾向として以下のことが知られています。

  • 老人性色素斑(表皮性の濃いシミ):1〜2回の照射でシミが薄くなることが期待できるケースもありますが、シミの濃さや範囲によっては複数回必要なこともあります。
  • ADM・太田母斑(真皮性のシミ):真皮深くのメラニンを対象とするため、複数回(目安として数回〜それ以上)の照射が必要になることが多いとされています。

照射後はかさぶたが形成され、剥がれ落ちた後に効果を確認します。かさぶたを無理に剥がすと炎症後色素沈着のリスクが高まるため、自然に取れるまで待つことが大切です。また、治療後の徹底した紫外線対策がシミの再発予防・色素沈着予防に不可欠です。

ダウンタイムについて

Qスイッチルビーレーザー照射後のダウンタイムの目安は以下の通りです。

  • 照射直後〜数日:照射部位に赤み・腫れが生じます。
  • 数日〜約1〜2週間かさぶた(痂皮)が形成されます。この間はメイクで隠せる場合もありますが、テープ保護が必要なこともあります。
  • かさぶたが自然に剥離後:ピンク色の新しい皮膚が現れ、その後徐々に落ち着いてきます。

【やってはいけないNG行動】

  • かさぶたを無理に剥がす(炎症後色素沈着・傷跡のリスク)
  • 照射部位を強くこすったり掻いたりする
  • 日焼け止めを怠る(シミの再発・色素沈着悪化のリスク)
  • サウナ・激しい運動など過度に体を温める行為(炎症悪化のリスク)

副作用・リスク

Qスイッチルビーレーザーは医療行為であり、以下の副作用・リスクが生じる可能性があります。事前に十分ご理解のうえ治療をご検討ください。

  • 炎症後色素沈着(PIH):照射後の炎症反応によりシミが一時的に濃くなることがあります。多くは時間とともに軽快しますが、紫外線対策・保湿が重要です。
  • 赤み・腫れ:照射直後から数日間続くことがあります。
  • かさぶた・びらん:照射エネルギーによって皮膚表面にかさぶたが形成されます。
  • 色素脱失(白抜け):まれに照射部位のメラニンが過度に減少し、白くなることがあります。
  • 瘢痕(きずあと):適切なアフターケアを怠った場合や体質によって生じることがあります。

副作用・リスクについては、カウンセリング時に医師から詳しく説明いたします。不安な点はお気軽にご質問ください。

当院のQスイッチルビーレーザー料金

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科におけるQスイッチルビーレーザーの料金は以下の通りです。※公的医療保険適用外(自由診療)

照射範囲料金(税込)
1cm以内11,000円
2cm以内19,800円
3cm以内26,400円
両頬110,000円
全顔132,000円
手の甲55,000円

初回カウンセリング料:1,100円(税込)/自由診療再診料:1,100円(税込)

シミの種類・範囲によっては、QスイッチルビーレーザーではなくピコスポットBBL光治療ピコトーニングなどとの組み合わせをご提案する場合があります。また、治療後の美白効果を高めるためにターゲットクール(薬剤導入)やケミカルピーリングを組み合わせるケースもあります。最適な治療プランはカウンセリングにてご相談ください。

千里中央駅から徒歩約5分・駐車場9台完備の当院では、日本皮膚科学会皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ花房崇明理事長(医学博士)が診察・監修を行い、一人ひとりのシミの状態に合わせた治療方針をご提案しています。

まとめ|Qスイッチルビーレーザーは「濃いシミ」に選択される治療法

Qスイッチルビーレーザーについて、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 波長694nmのレーザーでメラニン色素を選択的に破壊。老人性色素斑・ADM・太田母斑など濃いシミへの効果が期待できます。
  • 肝斑への単独照射は悪化リスクがあるため原則NG。医師による正確な診断が不可欠です。
  • ダウンタイムは約1〜2週間のかさぶた形成が目安。かさぶたを無理に剥がさず、紫外線対策・保湿を徹底することが大切です。
  • 炎症後色素沈着などの副作用リスクがあります。事前のカウンセリングで十分な説明を受けてください。
  • 当院料金は1cm 11,000円〜、全顔132,000円(税込・公的医療保険適用外)

シミの種類・状態によって最適な治療法は異なります。最終的な診断・治療方針は必ず医師の診察を受けたうえでご判断ください。

千里中央でシミ・美白治療のご相談は花ふさ皮ふ科・美容皮膚科へ

シミ・くすみ・肝斑のお悩みは、皮膚科専門医がカウンセリングのうえ、お一人おひとりに合った治療プランをご提案します。

シミ治療カウンセリングを予約する

FAQ(よくある質問)

Q1:Qスイッチルビーレーザーは何回くらい必要ですか?

A.
シミの種類・深さ・濃さによって異なります。表皮性の老人性色素斑(日光性黒子)では1〜2回の照射でシミが薄くなることが期待できるケースもありますが、ADMや太田母斑など真皮深くのメラニンが原因のシミは、複数回の照射が必要になることが多いとされています。必要な回数はカウンセリング・診察時に医師がご説明します。

Q2:肝斑にもQスイッチルビーレーザーを照射できますか?

A.
肝斑(かんぱん)に強いレーザーを単独で照射すると、かえって色素沈着が悪化するリスクがあるため、原則として行いません。肝斑には、トラネキサム酸内服・低出力レーザートーニング(ピコトーニングなど)・遮光・スキンケアを組み合わせた治療が基本となります。老人性色素斑と肝斑が混在しているケースも多いため、まず医師の診察でシミの種類を正確に見極めることが重要です。

Q3:ピコレーザー(ピコスポット)とQスイッチルビーレーザーはどちらが良いですか?

A.
どちらが適しているかはシミの種類・深さ・状態によって異なります。一般的に、ピコレーザーはパルス幅がより短くダウンタイムが比較的短い傾向があり、老人性色素斑や薄めのシミに用いられることが多いです。Qスイッチルビーレーザーは特にADM・太田母斑など色素が濃く深いシミに対して長年の実績があります。カウンセリングで医師が診察のうえ最適な治療法をご提案します。

Q4:施術後のかさぶたはどのくらいで取れますか?仕事中でも大丈夫ですか?

A.
照射後のかさぶたは、一般的に約1〜2週間程度で自然に剥離することが多いです。かさぶたの大きさや個人差によって期間は異なります。仕事中の見た目が気になる方は、保護テープやコンシーラーで目立ちにくくすることも可能ですが、かさぶたを無理に剥がすと炎症後色素沈着や傷跡のリスクがあるため、自然に剥がれるまでお待ちください。ダウンタイムの過ごし方についてはカウンセリング時に詳しくご説明します。

Q5:治療後に炎症後色素沈着が起きた場合、どう対処しますか?

A.
炎症後色素沈着(PIH)はレーザー治療後に起こりうる副作用のひとつで、照射部位が一時的に黒ずんで見えることがあります。多くの場合は数ヶ月かけて徐々に軽快していくことが期待されますが、ハイドロキノン外用薬の処方やケミカルピーリング、ターゲットクールによる美白成分導入などを組み合わせて対応することもあります。治療後は必ず徹底した紫外線対策(高SPF・PA++++ の日焼け止め)と保湿を継続してください。気になる症状があればお早めにご相談ください。

Q6:手の甲のシミにも対応していますか?料金はいくらですか?

A.
はい、手の甲のシミ(老人性色素斑など)にも対応しています。当院のQスイッチルビーレーザーの手の甲への照射料金は55,000円(税込・公的医療保険適用外)です。手の甲は顔と比べて紫外線を受けやすい部位でもあるため、治療後の日焼け止めの使用が特に重要です。詳しくはカウンセリングにてご確認ください。