単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)とは、生まれつき皮膚の毛細血管が局所的に拡張してできる先天性の赤あざで、医学的には毛細血管奇形(ポートワイン母斑)とも呼ばれます。

「赤いあざがあるけれど、これは単純性血管腫?それともいちご状血管腫?サーモンパッチ?」と判断に迷う保護者の方は少なくありません。実は赤いあざには複数の種類があり、出てくる時期・見た目・その後の経過・必要な治療がそれぞれ異なります。自己判断は難しく、正確な診断には皮膚科専門医の診察が必要です。

本記事では、代表的な赤いあざ5種類の違いを比較表でわかりやすく解説します。最終的な診断・治療方針については、必ず医師の診察を受けてください。

監修:花房 崇明(理事長・医学博士〔大阪大学大学院〕・日本皮膚科学会皮膚科専門医・日本アレルギー学会アレルギー専門医・日本抗加齢医学会専門医)

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

・難病指定医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本臨床皮膚科医会 / 日本美容皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会 等

【保険診療】千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科では、赤あざ(単純性血管腫)・乳児血管腫・原発性毛細血管拡張症などのVビーム治療を、保険診療で行っています

まず皮膚科医が診察し、保険適用になるかどうかと治療の見通しをご説明します

  • 保険適用の場合は3割負担(年齢・所得により1〜2割)。詳しい目安は診察時にご案内します
  • 毛細血管拡張症の場合は保険適用外になる場合もあります
  • お子さまの赤あざ・乳児血管腫も診察しています。保険適用の場合は、各市町村の子ども医療費助成制度の対象となります
  • 千里中央駅徒歩約5分・駐車場あり

Vビーム(Vbeam Prima)は血管病変の治療を目的として国内承認を受けた医療機器です。照射後に赤み・腫れ・紫斑(内出血)が生じ、まれに火傷・瘢痕・色素沈着・色素脱失が起こることがあります。効果・必要回数には個人差があります。保険適用の可否は診察で判断します。お問い合わせ: 千里中央院 06-6872-1200

目次

1. 赤いあざの種類と基本的な違い

赤いあざには「先天性(生まれつき)」と「後天性(生後・成人以降に発生)」があり、さらに血管の性質によって血管奇形と血管腫(血管の増殖)に分類されます。見た目が似ていても、原因・経過・治療方針がまったく異なるため、種類の正確な把握が重要です。

赤いあざ・5種類の大分類

  • 単純性血管腫(ポートワイン母斑):先天性・血管奇形・自然消退しない
  • 乳児血管腫(いちご状血管腫):生後数週〜数か月で出現・血管増殖・多くは自然縮小
  • サーモンパッチ/ウンナ母斑:新生児に多い・多くは自然に薄くなる
  • 老人性血管腫(さくらんぼ状血管腫):中年以降に出現する後天性の赤い点

2. 5種類の赤いあざを比較表で確認

出てくる時期・見た目・経過・治療方針の4点で整理すると、違いが明確になります。

種類 出る時期 見た目・触感 経過 治療方針
単純性血管腫
(ポートワイン母斑)
生まれつき(先天性) 平ら・赤〜赤紫色・押すと一時的に薄くなる 自然消退しない。成長とともに拡大し、成人で色が濃くなったり盛り上がることがある パルス色素レーザー(Vビーム)による治療。保険適用あり
乳児血管腫
(いちご状血管腫)
生後数週〜数か月 いちごのように盛り上がった鮮紅色・ぷっくりした質感 生後1歳頃まで増大し、その後多くは自然に縮小。7〜9歳までにかなり目立たなくなることが多い 経過観察または必要に応じてプロプラノロール内服など。皮膚科・小児科で相談
サーモンパッチ 生まれつき(新生児期) 額・まぶた・鼻根部に多い淡い赤色・平ら・境界不明瞭 多くは1〜2歳までに自然に薄くなるが、消えないこともある 多くは経過観察。残存する場合はレーザー治療を検討
ウンナ母斑 生まれつき(新生児期) うなじ・後頭部に多い淡い赤色・平ら 多くは自然に薄くなるが、髪で隠れるため経過観察が多い 多くは経過観察。残存する場合はレーザー治療を検討
老人性血管腫
(さくらんぼ状血管腫)
中年以降(後天性) 直径1〜5mm程度の鮮紅色の小さな丸い点・わずかに盛り上がる 自然消退しにくいが、悪性ではない。数が増えることがある 気になる場合はレーザー治療(保険適用外)。まず皮膚科で診断を

3. 各あざの特徴を詳しく解説

単純性血管腫(ポートワイン母斑)の特徴

単純性血管腫は生まれつき存在する先天性の赤あざで、皮膚の毛細血管が局所的に拡張した「血管奇形」です。生後すぐから存在し、自然に消えることはありません。体の成長に比例して同じ割合で大きくなり、成人になると色が濃くなったり、一部が盛り上がる(肥厚・結節化)ことがあります。押すと一時的に色が薄くなる(退色する)のが特徴のひとつです。詳しい基礎知識は単純性血管腫とは(基礎ガイド)をご参照ください。

乳児血管腫(いちご状血管腫)との違い

乳児血管腫は生後数週から数か月で突然あらわれる点が単純性血管腫との大きな違いです。生まれた直後には存在せず、急速に増大していちごのように盛り上がるため、保護者が驚かれるケースが多いです。一方で多くは自然に縮小していく経過をたどります(必要に応じてプロプラノロール内服などの治療が行われることもあります)。「生後しばらくしてから出てきた」「盛り上がっている」場合は乳児血管腫の可能性があります。

サーモンパッチ・ウンナ母斑との違い

サーモンパッチとウンナ母斑はいずれも新生児によくみられる淡い赤あざで、毛細血管の一時的な拡張が原因とされています。サーモンパッチは額・まぶた・鼻根部に、ウンナ母斑はうなじ・後頭部に出やすいのが特徴です。多くは1〜2歳頃までに自然に薄くなりますが、消えないこともあります。単純性血管腫と比べると色が淡く境界が不明瞭なことが多いですが、見た目だけでの自己判断は難しく、皮膚科専門医による診察が必要です。

老人性血管腫(さくらんぼ状血管腫)との違い

老人性血管腫は中年以降に後天的に出現する赤い点で、先天性の単純性血管腫とはまったく別の疾患です。直径1〜5mm程度の鮮紅色の小さな丸い点で、わずかに盛り上がります。悪性ではありませんが、急に大きくなる・出血する・色が変わるなどの変化がある場合は皮膚科への受診をお勧めします。

【自己判断のNG行動】

  • 「自然に消えるだろう」と根拠なく放置する(単純性血管腫は消えません)
  • インターネットの画像だけで種類を判断して治療を決める
  • 「親のせい」「霊的なもの」など根拠のない説を信じて悩む(科学的根拠はありません)
  • 市販のスキンケアでの「治療」を試みる(効果はなく、悪化の原因になることがあります)

4. 単純性血管腫を放置するとどうなる?

単純性血管腫は自然消退しないため、放置すると残り続けます。成人になると色が濃くなったり、一部が盛り上がる(肥厚・結節化)ことがあり、その状態になると治療の難易度が上がる可能性があります。また、整容面・心理面での負担が生じることもあります。

一般的に、皮膚が薄く反応しやすい乳児期〜小児期の早めの治療が望ましいとされています。治療はパルス色素レーザー(Vビーム)が標準的で、健康保険(こども医療費)が適用されます。治療と並行して、医療用カバーメイク(リハビリメイク)で日常的にカバーする方法もあります。

Vビームの保険適用・費用の詳細はVビーム保険適用の条件と費用を、効果・回数についてはVビームの効果・回数・いつから実感できるかをご覧ください。

5. スタージ・ウェーバー症候群について

顔の三叉神経第1枝(額〜上まぶた)の領域に単純性血管腫がある場合、まれに緑内障・てんかん・脳(軟膜)の血管腫を合併するスタージ・ウェーバー症候群を伴うことがあります。

スタージ・ウェーバー症候群について知っておきたいこと

  • 顔の赤あざがあるすべての方に該当するわけではなく、まれな合併症です
  • 心配な場合は眼科・小児科と連携して経過をみることが大切です
  • 過度に不安になる必要はありませんが、気になる部位・症状がある場合は早めに皮膚科専門医へ相談してください

6. 花ふさ皮ふ科グループでの診療

花ふさ皮ふ科グループの3院では、単純性血管腫(赤あざ)に対してパルス色素レーザー(Vビーム)による保険診療に対応しています。理事長・花房崇明(皮膚科専門医・アレルギー専門医・難病指定医)の監修のもと、各院でレーザー治療を行っています。

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府豊中市上新田/千里中央・豊中・吹田エリア):Vビームプリマを使用。あざ専門外来あり。千里中央駅から徒歩約5分、駐車場9台完備。
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(吹田市江の木町/江坂駅から徒歩約1分):VビームIIを使用。
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府箕面市西宿/箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田エリア):VビームIIを使用。

治療は4〜6か月間隔で複数回の照射が必要で、回数は部位・色・年齢などにより個人差があります。ダウンタイムの詳細はVビームのダウンタイムと経過をご参照ください。

千里中央・豊中・吹田エリアからお越しの方はもちろん、江坂・箕面・茨木・池田方面からもアクセスしやすい3院体制です。赤いあざが気になる方、お子さまのあざについて相談したい保護者の方は、まずお気軽にご相談ください。

※Vビームによるあざ治療は公的医療保険が適用されますが、診察の結果によっては保険適用外となる場合があります。詳細は診察時にご確認ください。

単純性血管腫(赤あざ)の保険治療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田/Vビームプリマ・あざ専門外来)
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田/VビームII)
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田/VビームII)

いずれも理事長・皮膚科専門医/アレルギー専門医・難病指定医の監修のもと、パルス色素レーザー(Vビーム)による単純性血管腫の治療に対応。健康保険(こども医療費)が適応され、4〜6ヶ月間隔で複数回の照射を行います。千里中央はVビームプリマ・あざ専門外来、江坂・みのおはVビームIIで対応します。

7. まとめ

まとめ|赤いあざは種類によって経過・治療が異なります

赤いあざには複数の種類があり、それぞれ出てくる時期・見た目・経過・治療方針が異なります。自己判断は難しく、正確な診断には皮膚科専門医の診察が必要です。

  • 単純性血管腫:先天性・平ら・自然消退しない。早めのVビーム治療が望ましい
  • 乳児血管腫(いちご状血管腫):生後数週に出現・盛り上がる・多くは自然縮小
  • サーモンパッチ/ウンナ母斑:新生児に多い・多くは自然に薄くなる
  • 老人性血管腫:中年以降の後天性・先天性あざとは別物
  • 治療の判断は医師へ:見た目だけでの自己判断は難しく、皮膚科専門医への相談が重要

最終的な診断・治療方針は必ず医師の診察を受けたうえでご判断ください。千里中央・豊中・吹田エリアで赤いあざについてお悩みの方は、千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(あざ専門外来)へお気軽にご相談ください。

生まれつきの赤あざ(単純性血管腫)の保険治療は花ふさ皮ふ科グループへ

単純性血管腫は自然には消えず、早めのレーザー治療(Vビーム)が大切とされています。健康保険(こども医療費)が適応されます。気になる赤あざは自己判断せず、皮膚科専門医にご相談ください。通いやすい院の保険予約からどうぞ。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

千里中央・豊中・吹田/Vビームプリマ あざ専門外来(保険)をWEB予約 あざ治療の詳細

江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

江坂駅 徒歩1分・吹田/VビームII 保険外来をWEB予約 あざ治療の詳細

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FAQ(よくある質問)

Q1:単純性血管腫と乳児血管腫(いちご状血管腫)はどう見分けますか?

A.
最大の違いは「いつ出てきたか」と「盛り上がっているかどうか」です。単純性血管腫は生まれつき存在し、平らで皮膚と同じ高さです。乳児血管腫(いちご状血管腫)は生後数週〜数か月で突然あらわれ、いちごのように盛り上がります。ただし、見た目だけでの自己判断は難しいため、皮膚科専門医への受診をお勧めします。

Q2:サーモンパッチは自然に消えますか?単純性血管腫との違いは?

A.
サーモンパッチは額・まぶた・鼻根部に多い淡い赤あざで、多くは1〜2歳頃までに自然に薄くなります(消えないこともあります)。一方、単純性血管腫は自然消退しません。色の濃さや境界の明瞭さなどに違いがありますが、確実な鑑別には皮膚科専門医の診察が必要です。

Q3:赤いあざは何歳から治療できますか?

A.
単純性血管腫のVビームレーザー治療は乳児期から対応可能です。一般的に皮膚が薄く反応しやすい乳児期〜小児期の早めの治療が望ましいとされています。具体的な開始時期は部位・範囲・状態により個人差がありますので、まず皮膚科専門医にご相談ください。詳しくはVビームの効果・回数・いつから実感できるかもご参照ください。

Q4:単純性血管腫は放置しても問題ありませんか?

A.
単純性血管腫は自然消退しないため、放置すると残り続けます。成人になると色が濃くなったり、一部が盛り上がる(肥厚・結節化)ことがあり、その状態になると治療の難易度が上がる可能性があります。整容面・心理面での負担を考慮し、早めに皮膚科専門医へ相談されることをお勧めします。

Q5:顔の赤あざがあると、スタージ・ウェーバー症候群になりますか?

A.
顔の赤あざがあるすべての方がスタージ・ウェーバー症候群になるわけではありません。スタージ・ウェーバー症候群は、顔の三叉神経第1枝(額〜上まぶた)領域に単純性血管腫がある場合に、まれに緑内障・てんかん・脳の血管腫を合併することがあるものです。過度に不安になる必要はありませんが、気になる症状がある場合は眼科・小児科とも連携しながら皮膚科専門医に相談してください。

Q6:単純性血管腫の治療は保険が使えますか?

A.
単純性血管腫(赤あざ)のパルス色素レーザー(Vビーム)治療には、健康保険(こども医療費助成含む)が適用されます。費用・条件の詳細はVビーム保険適用の条件と費用をご参照いただくか、診察時にご確認ください。

参考文献

1. 厚生労働科学研究費難治性疾患政策研究事業「血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022(第3版)」(2023年3月)
https://issvaa.jp/wp/wp-content/uploads/2025/11/728416d2e897fce6610172946792b3cd.pdf

2. Léauté-Labrèze C, Harper JI, Hoeger PH. Infantile haemangioma. Lancet. 2017;390(10089):85-94.(乳児血管腫の経過・治療)
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(16)00645-0

3. Shirley MD, et al. Sturge-Weber Syndrome and Port-Wine Stains Caused by Somatic Mutation in GNAQ. N Engl J Med. 2013;368(21):1971-1979.
https://doi.org/10.1056/NEJMoa1213507

4. Qadeer HA, Singal A, Patel BC. Cherry Hemangioma. StatPearls [Internet]. StatPearls Publishing; 2023.(20代で5〜41%、75歳以上では約75%に認める)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK563207/

最終確認日:2026年8月19日(各出典はDOIまたは発行元サイトで内容を確認済み)