とびひ(伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん))とは、細菌が皮膚の傷口や虫刺されに感染し、水疱(みずぶくれ)やかさぶたが全身に広がる子供に多い皮膚感染症です。夏場を中心に千里中央・豊中・吹田エリアのお子さんにも多く見られ、放置すると短期間で症状が広がるため、早めの皮膚科受診が重要です。この記事では、皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ花房 崇明 理事長(医学博士)が、とびひの原因から治療法・登園の目安まで詳しく解説します。

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

目次

とびひ(伝染性膿痂疹)とは?

とびひとは、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)が皮膚の浅い部分に感染して起こる細菌性皮膚疾患です。正式名称は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれます。水疱やびらん(ただれ)が「飛び火」するように次々と広がる様子から「とびひ」という名前がつきました。

乳幼児〜小学生の子供に多く見られ、特に6月〜9月の高温多湿な時期に発症しやすい傾向があります。千里中央・豊中・吹田エリアでも夏季に受診が増える疾患の一つです。

とびひの原因・うつる仕組み

とびひは主に黄色ブドウ球菌または溶血性連鎖球菌(A群β溶連菌)が原因となります。健康な皮膚には感染しにくいですが、以下のような皮膚のバリア機能が低下した状態では感染が広がりやすくなります。

  • 虫刺されや擦り傷、あせも
  • アトピー性皮膚炎など慢性的な皮膚炎がある
  • 爪で掻いてできた傷(掻痒感(そうようかん:かゆみ)による掻き壊し)
  • 鼻や口の周囲(鼻水・よだれで皮膚が荒れやすい)

とびひは人から人へ直接接触でうつる感染症です。水疱の内容液や滲出液(しんしゅつえき)に細菌が含まれており、タオルや衣類の共有、プールでの接触などで感染が広がることがあります。

症状の特徴と進行

水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)

とびひの約90%を占める一般的なタイプです。薄い壁の水疱(みずぶくれ)が顔・手・足などに現れ、破れてじゅくじゅくしたびらんになります。かゆみを伴うことが多く、掻くことで他の部位に広がります。発熱はほとんど見られません。

痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)

溶連菌が主な原因となるタイプで、厚いかさぶた(痂皮(かひ))を形成します。発熱・リンパ節の腫れを伴うことがあり、水疱性に比べて重症化しやすい傾向があります。全身に広がりやすく、注意が必要です。

【やってはいけないNG行動】

  • 水疱を自分でつぶす(細菌が広がり悪化する可能性があります)
  • 患部をタオルで強くこする
  • 市販の軟膏だけで様子を見て受診を遅らせる
  • 症状が出ている間にプールや水遊びをさせる

治療法(保険診療・自由診療)

とびひの治療は抗菌薬(抗生物質)が中心です。軽症から中等症では外用薬(塗り薬)、広範囲または重症の場合は内服薬が用いられます。

治療の種類内容保険適用
外用抗菌薬フシジン酸軟膏・ムピロシン軟膏などを患部に塗布○(保険診療)
内服抗菌薬セファレキシン・アモキシシリンなど症状に応じて処方○(保険診療)
ステロイド外用薬炎症が強い場合に短期使用(医師の判断による)○(保険診療)
スキンケア指導保湿・洗浄方法の指導(アトピー合併例など)一部自由診療※

※自由診療メニューには公的医療保険が適用されません。

近年、抗菌薬に対する耐性菌(MRSA等)が問題となっています。自己判断で抗菌薬の使用を途中でやめると耐性菌が生じやすくなるため、処方された期間は必ず服用・塗布を続けることが重要です。

自宅でできるケアと予防法

日常ケアのポイント

  • 患部を清潔に保つ:シャワーで優しく洗い流し、清潔なタオルで押さえるように水分を拭き取る
  • 爪を短く切る:掻き壊しを防ぎ、細菌の繁殖を抑える
  • タオル・衣類の共有を避ける:家族内での感染拡大を防ぐ
  • 患部を覆う:ガーゼや包帯で保護し、触れる機会を減らす

予防のポイント

  • 虫刺されや汗疹(あせも)を早めに治療する
  • アトピー性皮膚炎がある場合は日頃から保湿・スキンケアを継続する
  • 外出後は手洗いを徹底する
  • 高温多湿の時期は通気性の良い衣類を選ぶ

登園・登校の目安

とびひは学校保健安全法において「第三種感染症」に分類されており、「病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めるまで」出席停止となります。

登園・登校再開の一般的な目安
抗菌薬を開始して24〜48時間以上経過し、新しい水疱の出現がなく、既存の病変が乾燥・かさぶた化している状態が目安とされています。ただし、必ず担当医師の判断を仰いだうえで登園・登校を再開してください。保育園・幼稚園・学校によって独自の基準を設けている場合もあります。

こんな症状はすぐ受診を

以下に該当する場合は、速やかに皮膚科を受診することをお勧めします。

  • 水疱が急速に広がっている
  • 発熱・リンパ節の腫れがある
  • 患部が赤く腫れ、痛みが強い
  • 市販薬を数日使用しても改善しない
  • アトピー性皮膚炎などの基礎疾患がある

千里中央駅から徒歩約5分の千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科では、皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ医師が診察を行っており、アトピー性皮膚炎を合併したとびひなど複合的なケースにも対応しています。

まとめ

まとめ|皮膚科専門医にご相談を

とびひ(伝染性膿痂疹)は適切な治療を行えば多くの場合、比較的早期に改善が期待できる疾患ですが、放置すると広範囲に広がり、家族や周囲への感染リスクも高まります。

  • 原因:黄色ブドウ球菌・溶連菌による皮膚の細菌感染
  • 症状:水疱・びらん・かさぶたが広がる。かゆみを伴うことが多い
  • 治療:抗菌薬(外用・内服)が基本。自己中断は厳禁
  • 登園目安:医師の判断のもと、新しい水疱がなく病変が乾燥した状態で
  • 予防:虫刺され・あせもの早期ケア、スキンケアの継続が大切

症状が気になる場合は、自己判断せず皮膚科専門医による診察を受けることをお勧めします。

千里中央・豊中・吹田で皮膚のお悩みは千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科へ

気になる症状は、自己判断せず皮膚科専門医にご相談ください。

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FAQ(よくある質問)

Q1:とびひは何日くらいで治りますか?

A.
適切な抗菌薬治療を開始した場合、軽症であれば1〜2週間程度で改善してくることが多いとされています。ただし、症状の範囲・重症度・お子さんの体質・アトピー性皮膚炎などの合併症の有無によって経過は異なります。自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。

Q2:とびひはお風呂に入っても大丈夫ですか?

A.
患部を清潔に保つことは治療の一環ですので、シャワー浴は一般的に問題ないとされています。ただし、湯船に長時間つかることや、患部を強くこすることは避けてください。また、家族と同じ湯船を共有すると感染が広がる可能性があるため、シャワーのみにするか、最後に入浴するなどの配慮が勧められます。詳しくは担当医師にご確認ください。

Q3:とびひはプールに入れますか?

A.
とびひが治癒するまでの間は、プールや水遊びは控えることが推奨されています。水を介した接触や他のお子さんとの肌の触れ合いにより、感染が広がるリスクがあります。プール参加の再開については、医師に確認のうえ判断してください。

Q4:市販薬で治せますか?

A.
とびひの治療には処方抗菌薬が必要なケースがほとんどです。市販の消毒薬や軟膏では十分な効果が得られないことが多く、症状が悪化・拡大する可能性があります。また、耐性菌の問題もあるため、自己判断での対処は避け、早めに皮膚科を受診されることをお勧めします。

Q5:兄弟・家族にうつる心配はありますか?

A.
とびひは接触感染するため、家族内での感染拡大に注意が必要です。タオル・衣類・寝具の共有を避け、患部に触れた後は手洗いを徹底してください。特に乳幼児や皮膚にトラブルを抱えているご家族は感染しやすい傾向があります。家族内で複数の方に症状が出た場合は、それぞれ受診されることをお勧めします。

Q6:アトピー性皮膚炎の子供はとびひになりやすいですか?

A.
はい、アトピー性皮膚炎のお子さんは皮膚のバリア機能が低下しているため、とびひを発症しやすい傾向があるとされています。かゆみによる掻き壊しが細菌の侵入口になりやすいためです。日頃からの保湿・スキンケアと、アトピー性皮膚炎のコントロールがとびひ予防にもつながります。アトピーととびひを合併している場合は、両方を考慮した治療が必要なため、専門医への相談をお勧めします。