ニキビ治療用レーザー「アビクリア(AviClear)」

何を塗っても、何を内服しても繰り返すニキビ。外用薬、内服薬、ケミカルピーリング…様々な治療法を試してきたけれど、根本的な解決には至らず、長年悩み続けている方も少なくないと思います。

そんなニキビ治療の選択肢として、皮脂腺そのものに働きかける新しいレーザー治療が日本でも受けられるようになりました。その名も「AviClear(アビクリア)」です。

アビクリアは、従来の外用薬・内服薬とは異なるアプローチでニキビに働きかけます。
この記事では、治療を検討するうえで知っておくべき4つの事実を、皮膚科専門医が公表されている臨床データに基づいて解説します。

 
監修者:花房崇明 理事長(皮膚科専門医)

監修者
理事長:花房崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院)
・日本皮膚科学会皮膚科専門医
・日本アレルギー学会アレルギー専門医
・日本抗加齢医学会専門医
・難病指定医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会
・日本小児皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会
・日本美容皮膚科学会

 
 

1. 皮脂腺に直接アプローチする仕組み

アビクリアの特徴は、外用薬のように皮膚の表面から働きかけるのではなく、ニキビの発生に関わる「皮脂腺」に直接作用する点にあります。

ニキビは、毛穴の出口の角化異常、皮脂の増加、アクネ菌の関与、炎症という複数の要因が重なって起こる疾患です。アビクリアはこのうち皮脂の産生にアプローチする治療で、これまで内服薬でしか狙えなかった部分をレーザーで扱えるようになった、という位置づけになります。

【仕組み】

アビクリアの鍵は、「1726nm」という波長にあります。この波長の光は、皮膚の水分やメラニンよりも皮脂に吸収されやすい特性を持ちます。その熱エネルギーで皮脂腺に選択的に作用させ、皮脂の分泌を抑えることを狙います。

1726nmレーザーが皮脂腺に作用する仕組みの図
 

2. 公表されている臨床データ

アビクリアの効果については、海外で行われた臨床試験の結果が医学雑誌に報告されています。数値はすべて海外の試験によるものであり、当院での治療成績ではない点にご留意ください。

  • 3か月後: 3回の照射を受けた方の約87%で、医師評価による改善(IGA 1段階以上)が認められた。
  • 12か月後: 約93%で改善が認められ、約68%が「症状なし〜ほぼ症状なし」の状態に。
  • 24か月後: 別の研究では、2年後の時点でも炎症性皮疹の減少が維持されていたと報告されています。

効果には個人差があります。
上記は海外の臨床試験の平均的な結果であり、すべての方に同じ効果が得られることを保証するものではありません。効果が乏しい方もいらっしゃいます。また、ニキビの重症度やタイプによって適応が異なりますので、まずは診察でご相談ください。

 

3. 痛みとダウンタイム

皮脂腺を熱でターゲットにする治療ですが、機器に冷却機構が備わっているため、多くの方は局所麻酔なしで受けられます

照射時には温かさやチクッとした感覚があります。感じ方には個人差があり、我慢が必要なほどの痛みがある場合は出力を調整しますので、施術中にお伝えください。

照射後は赤みやわずかな腫れが出ることがありますが、多くは数日以内に落ち着きます。当日からメイクや洗顔が可能で、日常生活に大きな制限はありません。

 

4. 一時的な「ニキビの悪化」について

治療を受けるうえで、事前に知っておいていただきたいのが「フレアアップ(一時的な悪化)」です。

照射後の数週間のあいだに、ニキビが一時的に増えたり炎症が強まったりすることがあります。多くの場合は経過とともに落ち着いていきます。

ただし、これが「効いている証拠」であることを示す確かなデータはありません。「悪化=好転反応」と考えて我慢し続ける必要はなく、症状が強い場合は塗り薬や内服薬で対応しますので、遠慮なくご相談ください。あらかじめ起こりうる経過として知っておいていただくことが、安心して治療を続けるうえで大切です。

 

5. リスク・副作用と費用について

主なリスク・副作用

  • 照射中〜照射後の痛み、熱感
  • 照射後の赤み、腫れ、ヒリつき
  • 一時的なニキビの悪化(フレアアップ)
  • 色素沈着、色素脱失
  • まれに水疱、やけど、瘢痕
  • 期待した効果が得られない場合があります

受けられない方・注意が必要な方
妊娠中・授乳中の方、光線過敏症のある方、日焼け直後の方、治療部位に感染や皮膚疾患がある方などは、受けられない場合があります。内服中のお薬によっても判断が変わりますので、診察時に必ずお申し出ください。

費用について

アビクリアは自由診療です。健康保険は適用されず全額自己負担となり、同一の疾患について保険診療と併用することはできません。
料金は照射部位・回数によって異なります。詳しい料金はアビクリアの治療ページをご覧いただくか、診察時にお尋ねください。

 

6. まとめ

アビクリアは、ニキビに関わる皮脂腺に直接働きかける新しい選択肢です。最後に大切なポイントを振り返ります。

アプローチ: 1726nmの波長で皮脂腺に作用し、皮脂の分泌を抑えることを狙う治療。

臨床データ: 海外の試験で12か月後に約93%が改善、約68%がほぼ症状なしと報告。個人差あり。

負担: 冷却機構により多くの方が麻酔なしで受けられ、赤みも数日で落ち着くことが多い。

経過: 一時的な悪化が起こることがある。つらい場合は我慢せず相談を。

費用: 自由診療のため保険は使えません。リスク・副作用も理解したうえでご検討ください。

ニキビは、まず保険診療の外用薬・内服薬で治療を行うのが基本です。
それでも改善が乏しい場合や、皮脂の多さが目立つ場合の選択肢としてアビクリアをご提案しています。患者様お一人おひとりの肌質・重症度に合わせて、最適な方法をご相談させてください。

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7. よくある質問(FAQ)

Q1:アビクリアはどのくらい効果がありますか?

海外の臨床試験では、3回の照射を受けた方のうち3か月後に約87%、12か月後に約93%で医師評価による改善が認められ、12か月後には約68%がほぼ症状のない状態になったと報告されています。ただし効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるものではありません。効果が乏しい場合もあります。

Q2:効果はどのくらい持続しますか?

皮脂腺そのものに作用するため、比較的長い持続が期待されています。24か月後の追跡調査で炎症性皮疹の減少が維持されていたという報告があります。ただし長期のデータはまだ限られており、生涯にわたって再発しないことを保証するものではありません。経過によっては追加照射をご提案する場合があります。

Q3:痛みはありますか?麻酔は必要ですか?

照射時に温かさやチクッとした感覚があります。機器に冷却機構が備わっているため、多くの方は麻酔なしで受けられますが、痛みの感じ方には個人差があります。我慢できない場合は出力を調整しますので、施術中に遠慮なくお伝えください。

Q4:ダウンタイムはありますか?

照射後に赤みやわずかな腫れが出ることがありますが、多くは数日以内に落ち着きます。当日からメイクや洗顔は可能です。ただし個人差があり、赤みが長引く方や、色素沈着・水疱などが生じる可能性もゼロではありません。気になる症状が出た場合はご連絡ください。

Q5:治療後に一時的にニキビが増えることはありますか?

照射後の数週間で一時的にニキビが増えたり赤みが強まったりすることがあり、フレアアップと呼ばれます。多くは経過とともに落ち着きますが、これが「効いている証拠」であることを示す確かなデータはありません。症状が強い場合は塗り薬や内服で対応しますので、我慢せずご相談ください。

Q6:保険は使えますか?費用はいくらですか?

アビクリアは自由診療のため健康保険は使えません。全額自己負担となり、同一の疾患について保険診療と併用することはできません。料金は照射部位と回数によって異なりますので、詳しくはアビクリアの料金ページをご確認いただくか、診察時にお尋ねください。

 

参考文献(Evidence)

  1. Alexiades M, et al. Novel 1726 nm laser demonstrates durable therapeutic outcomes and tolerability for moderate-to-severe acne across skin types. Journal of the American Academy of Dermatology. 2023.
    PubMed 37328000
    ▶ 1726nmレーザーの中等症〜重症ニキビに対する有効性と忍容性を、複数のスキンタイプで検討した試験。
  2. Goldberg D, et al. Selective photothermolysis with a novel 1726 nm laser beam: a safe and effective solution for acne vulgaris. Journal of Cosmetic Dermatology. 2023.
    doi:10.1111/jocd.15602
    ▶ 1726nmによる選択的光熱融解の機序と臨床効果を報告した研究。長期経過も報告されている。
  3. Bittar J, Hooper P, Dover JS. 1726 nm lasers for the treatment of acne vulgaris. Skin Therapy Letter. 2024;29(1).
    skintherapyletter.com
    ▶ 1726nmレーザーの臨床試験データを整理した総説。本記事の数値はこの総説に記載された試験結果に基づく。
  4. Reynolds RV, Yeung H, Cheng CE, et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. Journal of the American Academy of Dermatology. 2024;90(5):1006.e1-1006.e30.
    PubMed 38300170
    ▶ 米国皮膚科学会のニキビ診療ガイドライン。外用・内服による標準治療の位置づけを示す。

最終確認日:2026年8月17日(各文献はDOIまたはPubMed IDで実在を照合済み)

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