私の出身医局の大阪大学皮膚科同門会では毎年この時期になると年に一度の同門会雑誌が発行されます。

栄えあることに今年の同門会雑誌への寄稿の機会を頂きました。

以下、一部抜粋させて、掲載させて頂きます。

 

原点回帰

平成16年卒業 花房崇明

 

 平素より同門会の先生方には格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。片山先生のご厚情により2017年11月1日より千里中央で開業させていただくことになりました。この原稿を執筆しているのは9月中旬なのですが、(中略)新しいことを学ぶことも多く、勤務医時代とはまた違った、新鮮な気持ちで毎日開業準備をさせていただいております。

 私はスーパーローテート一期生でして、2年間の初期研修修了後、大阪大学皮膚科に入局させていただき、11年間片山先生にご指導いただきました。特に患者さんに内服ステロイド薬を処方する時には、片山先生に「ステロイドを処方するときは、その患者さんの人生に最後まで責任をもたなあきまへんで」と指導を受けたのを毎回思い出します。また片山先生には、散々我が儘や勝手を聞いて頂き、大阪→東京→大阪→サンフランシスコ→大阪→東京と色々な場所で本当に色々な経験をさせていただきました。東京医科歯科大学では横関先生に2年間、病棟医長という大役を任せて頂きました。東京生活は単身赴任だったこともあり、一人で自分の人生を見つめ直すことができました。私は医学の世界とは無縁のサラリーマン家庭で育ち、頑丈に産んでもらったお陰であまりお医者さんのお世話になることも無かったのですが、たまに風邪を引いて受診した近所の開業医の姿に憧れ、「近所の頼りになるお医者さん」になりたくて医師を志したのですが、最終的にはその原点に立ち返り、これからの医師人生を生きていこうと決心いたしました。

 大学院の指導教官の小豆澤先生には何度も国際学会で発表させていただく機会を頂き、ヨーロッパでの薬疹の学会は、緊張のオーラル発表だけでなく、小豆澤先生と食事にお酒に買い物に、まさにpricelessな経験をさせていただき、本当によい思い出です。また今回改めて、13年間の勤務医の中で自分が関わった英語論文を数えてみたのですが、first authorとして17編、corresponding authorとして17編、co-authorとして27編、合計61編と、後進の若手医師の指導も含め、医局の発展に微力ながらも貢献できたとすればこれ以上の喜びはありません。

今後は自分の生まれ育った北摂の地域の皆様の健康に貢献できるように、向上心を忘れずに、誠心誠意、取り組んでいく所存です。医局の益々の発展を祈念しております。今後ともご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。