円形脱毛症とは、自分のリンパ球が毛包(もうほう:毛をつくる組織)を誤って攻撃する自己免疫の関与によって、突然、円形・楕円形の脱毛斑(だつもうはん)があらわれる病気です。

「ストレスのせい?」「うつるの?」と不安に思う方も多いですが、ストレスは発症や悪化の「誘因」になりうるものの、唯一の原因とは断定できません。この記事では、円形脱毛症がなぜ起こるのか、自己免疫・ストレス・体質それぞれの関係を皮膚科専門医が科学的に解説します。原因の理解が、適切な治療への第一歩になります。

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

目次

円形脱毛症とは?定義と特徴

円形脱毛症は、コイン状・楕円形の脱毛斑が突然あらわれる病気です。痛みやかゆみは乏しいことが多く、気づかないうちに進行している場合もあります。

性別・年齢を問わず発症し、子どもにもみられます。「ある日突然、円く毛が抜けた」という訴えで千里中央・豊中・吹田エリアのクリニックを受診される方も少なくありません。

円形脱毛症の主な特徴

  • 突然、円形・楕円形の脱毛斑があらわれる
  • 痛み・かゆみは乏しいことが多い
  • 子どもから高齢者まで、あらゆる年齢・性別で起こりうる
  • 感染症ではなく、人にうつる病気ではない

円形脱毛症の主な原因:自己免疫のしくみ

円形脱毛症の原因として現在最も有力視されているのが、自己免疫の関与です。

リンパ球が毛包を攻撃するしくみ

通常、免疫システムは細菌やウイルスなど外部の異物を攻撃します。ところが円形脱毛症では、自分のリンパ球(免疫細胞)が毛包を「異物」と誤認して攻撃してしまうと考えられています。毛包が攻撃を受けると毛の成長サイクルが乱れ、脱毛斑があらわれます。

毛包には「免疫特権(めんえきとっけん)」と呼ばれる、免疫細胞から守られる仕組みが備わっています。この免疫特権が何らかの要因で崩れることが、発症のきっかけになると考えられています。

ポイント:自己免疫が主体
円形脱毛症は「毛の栄養不足」や「頭皮の血行不良」だけで起こる病気ではありません。免疫システムの誤作動が根本にあるため、一般的な育毛剤だけでは対処が難しいケースがあります。専門医による診断と治療が重要です。

ストレスは「原因」ではなく「誘因」

「円形脱毛症はストレスが原因」というイメージが広く浸透していますが、ストレスは発症や悪化の「誘因(ゆういん)」になりうるものの、唯一の原因とは断定できません

ストレスと自己免疫の関係

強いストレスは免疫バランスを乱すことがあり、もともと自己免疫の素因を持つ方において、発症や悪化のきっかけになる可能性は否定できません。しかし、ストレスがまったくない状況でも発症することがあり、また強いストレスを経験しても発症しない方も大勢います。

【よくある誤解・NG思考】

  • 「ストレスさえなくせば治る」と考え、治療を後回しにする
  • 「自分の性格・生活習慣のせいだ」と自分を責めすぎる
  • 「ストレスを感じていないから円形脱毛症ではないはず」と受診を先延ばしにする

ストレス管理は体全体の健康維持に大切ですが、ストレス解消だけで治療の代わりにはなりません。脱毛斑に気づいたら、早めに皮膚科専門医を受診することをお勧めします。

関係する体質・背景因子

円形脱毛症には、自己免疫以外にもいくつかの体質・背景因子が関わりうることがわかっています。

主な関連因子

因子内容
アトピー素因アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー体質を持つ方に、円形脱毛症が合併しやすいとされています
他の自己免疫疾患甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病など)など、他の自己免疫疾患を持つ方に合併がみられることがあります
家族内発症(体質)家族に円形脱毛症の方がいる場合、発症リスクが高まる可能性があります。遺伝的な素因が関与すると考えられています
ストレス・疲労発症・悪化の誘因になりうる。ただし唯一の原因ではない

これらの因子が複数重なることで発症しやすくなると考えられており、「これが唯一の原因」と特定できるケースは多くありません。原因探しに固執するより、早期に診断・治療を受けることが改善への近道です。

アレルギー専門医・皮膚科専門医のダブル資格を持つ医師による診療
アトピー素因や他のアレルギー疾患を背景に持つ方の円形脱毛症は、皮膚科とアレルギー科の両面から診ることが重要です。千里中央・豊中エリアの千里中央花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ医師が保険診療で対応しています。

円形脱毛症はうつる?他の脱毛との違い

円形脱毛症は感染症ではなく、人から人へうつる病気ではありません

脱毛を引き起こす病気には、白癬菌(はくせんきん:カビ)による「頭部白癬(しらくも)」など感染性のものもあります。これらは原因・治療法がまったく異なるため、自己判断せず皮膚科での正確な診断が大切です。

項目円形脱毛症頭部白癬(しらくも)
原因自己免疫(主体)白癬菌(カビ)による感染
感染性なし(うつらない)あり(うつる可能性がある)
かゆみ乏しいことが多いかゆみを伴うことがある
治療ステロイド外用・JAK阻害薬など抗真菌薬

病型(重症度)と経過

円形脱毛症には複数の病型があり、病型によって経過や治療方針が大きく異なります

  • 単発型:脱毛斑が1つ。小さなものは自然に軽快することも多い
  • 多発型:脱毛斑が複数。単発型より経過が長引くことがある
  • 蛇行型(じゃこうがた):生え際が帯状に抜ける。治りにくい傾向がある
  • 全頭型:頭全体の毛が抜ける。重症型で長引くことがある
  • 汎発型(はんぱつがた):頭部だけでなく眉毛・まつ毛など全身の毛が抜ける。最も重症な型

単発の小さな脱毛斑は自然軽快することもありますが、多発型・全頭型・汎発型は治りにくく長引くことがあります。「様子を見ていたら広がった」というケースも多いため、早期受診が勧められます。

花ふさ皮ふ科グループでの診療

花ふさ皮ふ科グループでは、千里中央・豊中・吹田・江坂・箕面エリアの3院いずれでも、保険診療で円形脱毛症に対応しています。理事長・花房崇明(皮膚科専門医・アレルギー専門医・医学博士)の監修のもと、病型や重症度に応じた治療を提案します。

当院で行う主な治療

  • ステロイド外用薬(塗り薬):治療の基本。炎症を抑え、毛包への免疫攻撃を和らげます(※公的医療保険適用)
  • JAK阻害薬の内服:ステロイド外用で効果が不十分な場合や、進行・重症の例に検討します。リットフーロ(一般名:リトレシチニブ)、オルミエント(一般名:バリシチニブ)など、重症の円形脱毛症に保険適用となる内服薬があります(※公的医療保険適用。適応・処方は診察で判断します)
  • 紫外線療法(エキシマライト):塗り薬や内服で効果が不十分な脱毛部位に選択肢となります。紫外線療法(エキシマライト)の詳細はこちら(※公的医療保険適用外の場合があります。詳細は診察時にご確認ください)

治療効果や経過には個人差があり、すぐに発毛するとは限りません。複数の治療を組み合わせ、段階的に進めることがあります。最終的な診断・治療方針は医師の診察によって決定します。

なお、ステロイドの局所注射(局注)・局所免疫療法(SADBE/DPCPなどのかぶれ療法)・凍結療法など、他院で行われる治療法もありますが、当院では現在これらは行っておりません。治療の選択肢については、診察時に医師にご相談ください。

見た目の変化に伴う心理的なつらさも、円形脱毛症の大きな悩みのひとつです。医療用ウィッグの活用や周囲の理解も、日常生活を支える助けになります。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

円形脱毛症の診療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田)
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田)
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田)

いずれも理事長・皮膚科専門医/アレルギー専門医・難病指定医の監修のもと、ステロイド外用薬による保険診療に対応。効果が不十分な場合や進行・重症例には、JAK阻害薬の内服や紫外線療法(エキシマライト)にも対応しています。通いやすい院をお選びいただけます。

くり返す・広がる脱毛、治りにくい円形脱毛症は花ふさ皮ふ科グループへ

円形脱毛症は早めの治療と、症状に応じた治療の選択が大切です。気になる脱毛は自己判断せず、皮膚科・アレルギー科の専門医にご相談ください。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

千里中央・豊中・吹田 WEB予約 円形脱毛症の詳細

江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

江坂駅 徒歩1分・吹田 WEB予約 円形脱毛症の詳細

みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

箕面萱野駅 直結・箕面・茨木・池田 WEB予約 円形脱毛症の詳細

まとめ|皮膚科専門医にご相談を

円形脱毛症の原因と対処のポイントをまとめます。

  • 主な原因は自己免疫:リンパ球が毛包を誤って攻撃するしくみが主体と考えられています
  • ストレスは「誘因」:発症・悪化のきっかけになりうるが、唯一の原因ではありません
  • 体質・背景因子も関与:アトピー素因、甲状腺疾患などの自己免疫疾患、家族内発症(遺伝的素因)が関わることがあります
  • 感染症ではない:人にうつる病気ではありませんが、白癬など他の脱毛との鑑別が必要です
  • 病型によって経過が異なる:単発型は自然軽快することもありますが、多発型・全頭型・汎発型は長引く傾向があります
  • 早期受診が大切:原因探しに固執せず、脱毛斑に気づいたら早めに皮膚科専門医を受診しましょう

千里中央・豊中・吹田エリアの千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科、吹田・江坂エリアの江坂駅前花ふさ皮ふ科、箕面エリアのみのお花ふさ皮ふ科では、保険診療で円形脱毛症に対応しています。最終的な診断・治療方針は医師の診察によって決定しますので、お気軽にご相談ください。

くり返す・広がる脱毛、治りにくい円形脱毛症は花ふさ皮ふ科グループへ

円形脱毛症は早めの治療と、症状に応じた治療の選択が大切です。気になる脱毛は自己判断せず、皮膚科・アレルギー科の専門医にご相談ください。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。

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FAQ(よくある質問)

Q1:円形脱毛症はストレスが原因ですか?

A.
ストレスは発症や悪化の「誘因」になりうる可能性はありますが、唯一の原因ではありません。現在最も有力視されているのは自己免疫の関与で、自分のリンパ球が毛包を誤って攻撃するしくみが主体と考えられています。ストレスがない状況でも発症することがあり、「ストレスさえ解消すれば治る」というわけではありません。脱毛斑に気づいたら、早めに皮膚科専門医を受診してください。

Q2:円形脱毛症は人にうつりますか?

A.
円形脱毛症は感染症ではないため、人から人へうつる病気ではありません。白癬菌(カビ)による頭部白癬(しらくも)などの感染性脱毛とは原因・治療法がまったく異なります。自己判断せず、皮膚科で正確な診断を受けることが大切です。

Q3:子どもでも円形脱毛症になりますか?

A.
はい、円形脱毛症は性別・年齢を問わず起こり、子どもにもみられます。子どもの場合もアトピー素因など体質的な背景が関わることがあります。お子さんの頭部に円形・楕円形の脱毛斑を見つけたら、自己判断せず皮膚科専門医にご相談ください。

Q4:円形脱毛症は自然に治りますか?

A.
単発の小さな脱毛斑は自然に軽快することもあります。しかし、多発型・蛇行型・全頭型・汎発型は治りにくく長引く傾向があります。「様子を見ていたら広がった」というケースも多いため、脱毛斑が広がる・複数ある・なかなか改善しないといった場合は早めに受診することをお勧めします。

Q5:どんな治療が受けられますか?保険は使えますか?

A.
花ふさ皮ふ科グループでは、ステロイド外用薬(塗り薬)を基本とした保険診療を行っています。効果が不十分な場合や重症例には、重症円形脱毛症に保険適用となるJAK阻害薬の内服(リットフーロ〔リトレシチニブ〕、オルミエント〔バリシチニブ〕など)を検討します。また、紫外線療法(エキシマライト)も選択肢となる場合があります。治療効果・経過には個人差があり、適応や費用は診察時に医師が判断・ご説明します。まずはお気軽にご相談ください。

Q6:甲状腺の病気があると円形脱毛症になりやすいですか?

A.
橋本病・バセドウ病などの甲状腺疾患は自己免疫疾患の一種であり、円形脱毛症との合併がみられることがあるとされています。ただし、甲状腺疾患があれば必ず円形脱毛症になるわけではありません。他の自己免疫疾患をお持ちの方で脱毛が気になる場合は、皮膚科専門医にご相談ください。