「足の裏のほくろは、がんになるから危ない」。多くの人が一度は耳にしたことがあると思います。自分の足の裏にほくろを見つけると、不安になるかもしれません。
この記事では、足の裏のほくろが悪性化するのかどうかについて皮膚科専門医が医学的根拠を元に解説します。ただのほくろと、放置してはいけない危険な皮膚がん「メラノーマ(悪性黒色腫)」をどう見分ければよいのか、具体的なサインを分かりやすく解説します。
この記事が、皆さんが足の裏のほくろについて正しく理解し、不安な気持ちが少しでも解消する一助になれば幸いです。
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監修者 [ 資 格 ] ・医学博士(大阪大学大学院) [ 所属学会 ] ・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 |
目次
- 1.【驚きの事実1】既存のほくろが「癌化」することは、実は稀
- 2.【驚きの事実2】日本人特有のリスク:危険なサインは「紫外線の当たらない場所」に現れる
- 3.【ご自宅でできるセルフチェック】覚えておきたい「ABCDEルール」
- 4.【皮膚科専門医の視点】自己判断は禁物。医師は「秘密兵器(ダーモスコピー)」で診断する
- 5.【もしもの場合】ほくろの検査と治療法
- 6. まとめ:気になったら、まずは気軽に相談を
【驚きの事実1】既存のほくろが「癌化」することは、実は稀

足の裏のほくろは大半はほとんどの場合良性で、良性のほくろが「癌化」することは実は稀です。それでは、なぜ「足の裏のほくろは危ない」と言われるのでしょうか。それは、「悪性のメラノーマの初期症状が、良性のほくろとそっくりなこと」にあります。つまり、危険なのは「昔からあるほくろ」よりも、「新しくできた、良性のほくろに見える、悪性のメラノーマ」なのです。この見分けがつきにくい点が、皮膚科専門医・形成外科専門医による診断を重要にしています。
【驚きの事実2】日本人特有のリスク:危険なサインは「紫外線の当たらない場所」に現れる

一般的に、皮膚がんの主な原因は紫外線です。しかし、日本人に発症するメラノーマには、欧米人とは異なる特徴があります。それは、足の裏、手のひら、爪のまわりといった、紫外線の影響を受けにくい部分に生じやすいという点です。このため日本人は欧米人と比べて、足の裏に悪性黒色腫が発生する頻度が高いことも知られています。これらの部位は普段注意していないため、自分で変化に気づく機会が少なく、発見が遅れるリスクがあります。足の裏にメラノーマができる一つの原因として、足の裏の刺激が考えられます。裸足で外出するようなことは無いとは思いますが、靴下をはいて、靴を履く生活を心がけましょう。
【ご自宅でできるセルフチェック】覚えておきたい「ABCDEルール」
皮膚科専門医・形成外科専門医も用いる、ほくろとメラノーマなどの皮膚がんを見分けるための国際的な判断基準が「ABCDEルール」です。
まずは心配のいらない「良性のほくろ」の一般的な特徴を知っておきましょう。
- 形: 円形や楕円形で、左右対称
- 境界: 周囲の皮膚との境目がはっきりしている
- 色: 全体が均一な色をしている
- 大きさ: 直径がおおむね6mm以下
- 変化: 大きさがほとんど変わらない、盛り上がっておらず平坦
これに対し、メラノーマや基底細胞がんなどの悪性の可能性がある場合、以下の「ABCDEルール」に当てはまることがあります。

- A (Asymmetry):
形が左右非対称 良性のほくろがきれいな円形に近いのに比べ、形がいびつで左右対称でない。 - B (Border):
境界が不明瞭・ギザギザ ほくろと皮膚の境目がにじんだようにぼやけていたり、ギザギザしている。 - C (Color):
色にムラがある 一つのほくろの中に、黒や茶色、灰色などが混ざり合い、色の濃淡が均一ではない。 - D (Diameter):
直径が6mm以上 大きさが6mmを超えている場合、特に7mmを超える場合は注意が必要。ただし、直径7mm以上であっても、幼少時から存在して、体の成長に伴って伸びてきたなど、部位によっては良性の場合もある。 - E (Evolution):
形や大きさが変化する 短期間で急に大きくなったり、色が変化したり、盛り上がってきた。
これらに加え、「出血したり、表面がただれて傷になり潰瘍化している」といった症状も危険なサインです。
【皮膚科専門医の視点】自己判断は禁物。医師は「秘密兵器(ダーモスコピー)」で診断する
ABCDEルールはあくまでセルフチェックの目安です。特にごく初期のメラノーマはほくろとの区別が非常に難しく、見た目だけで「大丈夫」と自己判断してしまうのは大変危険です。
皮膚科専門医、形成外科専門医は、「ダーモスコピー」という特殊な拡大鏡を使って診断します。これは、肉眼では見えない皮膚内部の色素の分布やパターンを詳細に観察できる専用のデバイスで、これを用いることで良性か悪性化の診断の精度が飛躍的に上がります。
まずは自己判断をせず、皮膚科専門医、形成外科専門医に相談をしましょう。
【もしもの場合】ほくろの検査と治療法
もしダーモスコピー検査で少しでも疑わしい点が見つかった場合、皮膚科医師・形成外科医師は次のステップとして「皮膚生検」を提案します。これは、診断を確定させるための非常に重要な検査です。局所麻酔をして組織の一部、あるいは組織全体を採取し、顕微鏡で詳しく調べます。ほくろの場合は部分生検よりも全体を切除する、「全切除生検」が一般的です。
生検結果によってその後治療方針は大きく変わります。
- 生検結果が良性の場合:
基本的には治療の必要はなく、経過観察となります。 - 生検結果が悪性の場合:
病変部をマージンをとって(余裕を持って)完全に取り除くため、周囲の正常な皮膚を含めて広めに切除する手術が標準治療となります。
メスを用いた切除やレーザーを用いた蒸散など、切除方法の選択において最も重要な判断基準の一つが、「診断を確定させるための組織検査(生検)ができるかどうか」です。
▼ 生検が可能な外科的切除
悪性の疑いが少しでもある場合に優先されます。組織をきれいに採取できるため、確定診断に不可欠です。
• 切除法:
メスでほくろを紡錘形(葉っぱの形)に切り取り、縫合します。再発のリスクが最も低く、確実な方法です。
• くり抜き法:
トレパンとも呼ばれる円筒状のメスでほくろをくり抜く方法。小さなほくろに適しており、傷跡を最小限に抑えつつ組織を採取できます。
▼ 生検には向かない除去法
良性であることが明らかな場合に、見た目を改善する目的などで選択されます。
• 炭酸ガスレーザー:
レーザーで組織を蒸散させて除去します。傷跡が残りにくいメリットがありますが、組織が破壊されるため生検はできません。また、外科的切除に比べ再発のリスクが高くなります。
• ラジオ波メス:
高周波で組織を削り取ります。止血作用が高いのが特徴ですが、手足、体にあるほくろは傷跡が残りやすいため、部位を選びます。
このようにどの治療法が最適かは、ほくろの状態や場所、悪性の疑いの有無によって変わります。皮膚科専門医・形成外科専門医とよく相談することが大切です。
千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科・みのお花ふさ皮ふ科ではほくろに対して切除生検、切除、炭酸ガスレーザーによる治療を行っています。
まとめ
- 足の裏のほくろの大多数は良性。
- ごくまれに悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性があるため、「ABCDEルール」を参考に、形や色の変化がないか注意深く観察することが大切。
- 少しでも気になる変化に気づいたら自己判断せず、早めに皮膚科専門医や形成外科専門医に相談することが最も重要。
- 診断はダーモスコピーなどで行うが、確定診断には切除生検で細胞の検査をする。
皮膚科専門医による正確な診断が、不要な心配を取り除き、万が一の場合の早期発見につながります。もし足の裏のホクロが心配な場合は、千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科・みのお花ふさ皮ふ科を受診ください。
千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科では「ほくろ専門外来」を設けております。
保険のご予約より「ほくろ専門外来」をご選択ください。

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