水虫(白癬:はくせん)とは、白癬菌というカビ(真菌)が皮膚の角質・爪・毛に感染して起こる皮膚疾患です。足にできるものが最も多く「足白癬」、爪なら「爪白癬(つめ水虫)」と呼ばれます。
水虫の治療の基本は抗真菌薬(塗り薬・飲み薬)ですが、「症状が消えたから治った」と自己判断して薬をやめてしまうと、菌が残ったまま再発しやすくなります。また、水虫に似た湿疹やかぶれと見分けがつきにくいケースも多く、まず顕微鏡検査(直接検鏡)で正しく診断することが、治療成功の第一歩です。この記事では、水虫の薬の種類・正しい塗り方・治療の流れを皮膚科専門医が詳しく解説します。
目次
水虫(白癬)とは?種類と症状
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚に感染することで起こる病気です。感染する部位によって名称が異なります。
| 部位 | 病名 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 足(指の間・裏) | 足白癬(水虫) | 指間のジュクジュク・水ぶくれ・かかとのカサカサ |
| 爪 | 爪白癬(つめ水虫) | 爪が白〜黄色く濁る・分厚くなる・もろく崩れる |
| 体幹・腕 | 体部白癬(たむし) | 輪状の赤い発疹・かゆみ |
| 股・内もも | 股部白癬(いんきんたむし) | 股間〜内ももの赤い発疹・かゆみ |
| 頭部 | 頭部白癬 | 頭皮の炎症・脱毛 |
足白癬の3つのタイプ
足白癬には主に以下の3タイプがあります。
- 趾間型(しかんがた):指の間がジュクジュクして白くふやける。最も多いタイプ。
- 小水疱型(しょうすいほうがた):足の裏や縁に小さな水ぶくれができる。
- 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた):かかとを中心に皮膚が厚く硬くなり、粉をふいたようにカサカサする。かゆみが少なく気づきにくいのが特徴。
「かゆくない=水虫でない」は誤解です
水虫はかゆいイメージがありますが、角質増殖型などかゆみをほとんど感じないタイプも少なくありません。かゆみがなくても、足裏のカサカサや爪の変色が続く場合は受診をご検討ください。
なぜ自己判断は危険?正確な診断の重要性
水虫の治療を始める前に、「本当に水虫かどうか」を確認することが最も重要です。
水虫(白癬)は、見た目が次のような別の皮膚疾患と非常によく似ています。
- 湿疹・接触性皮膚炎(かぶれ)
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- 乾癬(かんせん)
- 異汗性湿疹(いかんせいしっしん)
これらは抗真菌薬では改善しないどころか、誤った薬を使うことで悪化するリスクがあります。
確定診断には「直接検鏡(ちょくせつけんきょう)」が必要
直接検鏡とは、皮膚や爪の一部を少量採取し、顕微鏡で白癬菌の有無を確認する検査です。皮膚科では保険診療で受けることができます。
【やってはいけないNG行動】
- 検査を受けずに市販の抗真菌薬を長期間使い続ける(別の病気だった場合に悪化することがある)
- 市販薬を使った後に受診する(菌が確認しにくくなり、正確な診断が難しくなることがある)
- 「症状が消えた」と感じた時点で治療を自己中断する(菌が残っていて再発しやすくなる)
水虫の薬の種類と選び方
水虫の治療薬は、外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)に大きく分かれます。どちらを使うかは、水虫のタイプや重症度によって医師が判断します。
外用抗真菌薬(塗り薬)
足白癬・体部白癬・股部白癬など、多くの水虫の基本治療は外用抗真菌薬です。皮膚科では保険診療で処方されます。クリーム・液・スプレーなどの剤形があり、患部の状態に合わせて選択されます。
内服抗真菌薬(飲み薬)
角質増殖型足白癬や爪白癬など、塗り薬だけでは薬が届きにくいタイプには内服抗真菌薬が用いられます。主な選択肢は以下のとおりです(費用は3割負担の目安・変動あり。詳細は各院でご確認ください)。
| 薬剤名 | 服用方法 | 備考 |
|---|---|---|
| テルビナフィン | 1日1錠を約6か月内服 | ジェネリックあり |
| イトラコナゾール | パルス療法(1週間内服→3週間休薬を3クール) | ジェネリックあり |
| ホスラブコナゾール(ネイリン) | 1日1錠を12週間内服 | 比較的新しい薬剤 |
内服薬は肝機能への影響などに注意が必要な場合があるため、自己判断での服用は行わず、必ず医師の指示のもとで使用してください。
爪専用の外用薬
爪白癬には、爪に浸透しやすい専用の外用液も選択肢のひとつです。
- エフィナコナゾール爪外用液(クレナフィン)
- ルリコナゾール爪外用液(ルコナック)
爪白癬の治療薬や費用の詳細は、爪白癬(つめ水虫)を治療するならのページもご参照ください。
塗り薬の正しい使い方・塗り方のコツ
外用抗真菌薬は、正しい方法で継続して塗ることが治療効果を左右します。
塗る範囲は「症状のある部分だけ」ではない
白癬菌は症状が出ていない部分にも広がっていることがあります。医師から指示された範囲(例:足の指の間だけでなく、足の裏全体など)にしっかり塗ることが大切です。
症状が消えても「菌は残っている」
かゆみや皮むけが治まっても、白癬菌は角質の奥に残っていることがほとんどです。自己判断で塗布をやめると、短期間で再発することがあります。医師が指示した期間(一般的に数週間〜数か月)は、症状がなくなった後もぬり続けることが重要です。
塗り方の基本ステップ
- 足をよく洗い、水分をしっかり拭き取る(指の間まで丁寧に)
- 医師に指示された範囲に薬を薄く均一に塗り広げる
- 1日1回(または指示された回数)を毎日続ける
- 入浴後に塗ると角質が柔らかくなり吸収されやすい
継続が治療の鍵です
「症状が良くなった=治癒(菌がいない状態)した」ではありません。医師の指示どおり一定期間使い続けることで、菌を根絶に近い状態まで減らし、再発を防ぐことが期待できます。途中でやめてしまうと、菌が残り再発しやすくなります。
治りにくいタイプ|角質増殖型・爪白癬
水虫の中でも、角質増殖型足白癬と爪白癬は塗り薬だけでは治りにくいタイプとして知られています。
角質増殖型足白癬
かかとの角質が厚く硬くなるタイプで、かゆみが少なく気づきにくいのが特徴です。角質が厚いため外用薬が奥まで届きにくく、内服薬が必要になることがあります。
爪白癬(つめ水虫)
爪は皮膚より薬が浸透しにくいため、外用薬のみでの治療は難しいケースが多く、多くの場合は内服薬が選択されます。治療期間は1年〜1年半程度かかることがあり、根気強く続けることが大切です。自己判断で中断すると再発・悪化につながりやすいため、定期的に受診して経過を確認することをお勧めします。
爪白癬の詳しい治療法・薬の種類・費用については、爪白癬(つめ水虫)を治療するならをご覧ください。
水虫の予防とうつらないための注意点
白癬菌は接触によってうつることがあります。ただし、菌が皮膚についてもすぐに感染するわけではなく、過度に心配する必要はありません。
感染しやすい場所・状況
- バスマット・スリッパ・床などの共用
- サウナや銭湯の足ふきマット
- 家族間での感染(特に同じバスマットを使用している場合)
予防のポイント
- 足をよく洗い、指の間まで丁寧に乾かす
- バスマット・スリッパは家族で共用しない
- 通気性の良い靴下・靴を選ぶ
- 家族に水虫の方がいる場合は、早めに一緒に治療を受ける
家族も一緒に受診・治療を
水虫は家族内でうつし合うことがあります。一人が治療しても、家族に感染者がいると再感染の原因になることがあります。家族の方も気になる症状があれば、千里中央・豊中・吹田エリアの皮膚科で一度ご相談ください。
花ふさ皮ふ科グループでの水虫診療
千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府豊中市・千里中央駅から徒歩約5分)をはじめ、花ふさ皮ふ科グループの3院では、水虫(白癬)を保険診療で診察しています。
当グループの水虫診療の流れ
- 直接検鏡による確定診断:皮膚や爪の一部を採取し、顕微鏡で白癬菌の有無を確認します。見た目だけでは判断せず、検査結果に基づいて診断します。
- タイプに合わせた治療薬の処方:足白癬・体部白癬などには外用抗真菌薬を、角質増殖型や爪白癬には内服薬(テルビナフィン・イトラコナゾール・ホスラブコナゾールなど)または爪専用外用液(エフィナコナゾール・ルリコナゾール)を組み合わせて対応します。
- 定期的な経過観察:治療効果を確認しながら、自己中断を防ぐためのサポートを行います。
理事長の花房崇明医師は皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持ち、大阪大学大学院で医学博士を取得。皮膚疾患全般にわたる専門的な診療を行っています。
水虫全般の診療については水虫を治療するなら、爪白癬については爪白癬(つめ水みず)を治療するならのページもご参照ください。また、水虫に関するコラム一覧もあわせてご覧いただけます。
【グループ各院】
- 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府豊中市上新田/千里中央・豊中・吹田エリア)
- 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(吹田市江の木町/江坂駅から徒歩約1分)
- みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府箕面市西宿/箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田エリア)
水虫(白癬)の診療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます
- 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田)
- 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田)
- みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田)
いずれも理事長・皮膚科専門医/アレルギー専門医・難病指定医の監修のもと、まず顕微鏡検査(直接検鏡)で白癬菌を確認し、外用抗真菌薬(塗り薬)による保険診療に対応。爪白癬や角質増殖型など塗り薬で治りにくいタイプには内服薬も用います。通いやすい院をお選びいただけます。
市販薬で治らない・くり返す水虫は花ふさ皮ふ科グループへ
水虫は見た目が似た別の病気のこともあり、顕微鏡検査(直接検鏡)で白癬菌を確認することが大切です。自己判断せず、まずは皮膚科で正しい診断を受けましょう。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。
まとめ
まとめ|水虫は正しい診断と継続治療が大切
水虫(白癬)は適切な治療で改善が期待できる病気ですが、自己判断での対処や治療の中断が再発・悪化につながりやすい点に注意が必要です。
- まず確定診断を:水虫に似た別の皮膚疾患も多いため、直接検鏡による正確な診断が治療の出発点です。
- 塗り薬は継続が重要:症状が消えても白癬菌は残っています。医師の指示どおり一定期間ぬり続けることが再発防止につながります。
- 治りにくいタイプは内服も検討:角質増殖型・爪白癬は塗り薬だけでは治りにくく、内服薬が必要なことがあります。
- 家族も一緒に治療を:家族内での感染を防ぐため、気になる症状がある方は早めに受診しましょう。
最終的な診断・治療方針は医師の診察によって決まります。市販薬で改善しない・繰り返す・爪が気になるという方は、千里中央・豊中・吹田エリアの千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科にお気軽にご相談ください。
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FAQ(よくある質問)
Q1:市販の水虫薬と病院の処方薬は何が違いますか?
A.
市販薬にも抗真菌成分が含まれており、軽症の足白癬には一定の効果が期待できます。ただし、病院では直接検鏡で「本当に水虫かどうか」を確認してから治療薬を処方するため、別の病気と間違えて使い続けるリスクを避けられます。また、角質増殖型や爪白癬など市販薬では対応しにくいタイプには内服薬や爪専用外用液が必要で、これらは医療機関でのみ処方可能です。市販薬で2〜4週間使っても改善しない場合は、皮膚科への受診をお勧めします。
Q2:症状がなくなったら薬をやめてもよいですか?
A.
症状(かゆみ・皮むけなど)が消えても、白癬菌は角質の奥に残っていることがほとんどです。自己判断で薬をやめると、菌が残ったまま再発しやすくなります。医師が指示した期間は、症状がなくなった後も継続して使用することが大切です。「いつやめてよいか」は必ず医師に確認してください。
Q3:水虫は家族にうつりますか?予防方法は?
A.
白癬菌は接触によって感染することがあります。特にバスマット・スリッパ・床の共用が感染経路になりやすいです。ただし菌が皮膚に触れてもすぐに感染するわけではなく、過度に心配する必要はありません。予防としては、足をよく洗って乾かす、バスマットやスリッパを家族で共用しない、通気性の良い靴下を使う、などが有効です。家族に水虫の方がいる場合は、早めに一緒に治療を受けることをお勧めします。
Q4:爪が白く濁っているのですが、爪水虫でしょうか?
A.
爪の変色・肥厚・もろさは爪白癬(つめ水虫)の典型的な症状ですが、爪乾癬や爪の外傷など別の原因でも似た見た目になることがあります。確定には皮膚科での直接検鏡(顕微鏡検査)が必要です。爪白癬は塗り薬だけでは改善しにくく、内服薬が必要なことが多いため、気になる場合は早めに受診することをお勧めします。治療期間は1年〜1年半程度かかることがあります。
Q5:水虫の治療はどのくらいの期間かかりますか?
A.
水虫のタイプによって大きく異なります。趾間型・小水疱型などの足白癬は、外用薬を数週間〜数か月継続することで改善が期待できます。一方、爪白癬や角質増殖型は内服薬が必要なことが多く、治療期間は1年〜1年半程度かかることがあります。効果や期間には個人差があるため、定期的に受診して経過を確認しながら治療を続けることが大切です。自己判断で中断すると再発しやすくなるためご注意ください。
Q6:かゆくない場合でも水虫の可能性はありますか?
A.
はい、かゆみのない水虫も少なくありません。特に角質増殖型足白癬はかかとがカサカサ・硬くなるタイプで、かゆみをほとんど感じないことがあります。また爪白癬も痛みやかゆみが出にくく、爪の変色や変形で気づくことが多いです。「かゆくないから水虫ではない」と判断するのは難しいため、足裏のカサカサや爪の変化が続く場合は皮膚科での検査をお勧めします。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断・治療を保証するものではありません。最終的な診断・治療方針は必ず医師の診察を受けたうえで決定してください。













