蕁麻疹(じんましん)とは、かゆみを伴う赤くくっきりした皮膚のふくらみ(膨疹)が突然あらわれ、多くは数時間〜1日以内に跡を残さず消えるのを繰り返す病気です。原因は食べ物・薬・感染症・物理的な刺激など多岐にわたりますが、慢性じんましんの約70〜80%は明らかな原因が特定できない「特発性」とされています。

「なぜ突然出るの?」「ストレスのせい?」「うつるの?」――そんな疑問に、皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ花房崇明医師(医学博士)が、最新の知見をもとにわかりやすくお答えします。原因の仕組みから治療の考え方まで、ぜひ最後までご確認ください。

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

目次

蕁麻疹とは? 基本のしくみ

蕁麻疹は、皮膚の中に存在するマスト細胞(肥満細胞)から「ヒスタミン」などの化学物質が放出されることで起こります。放出されたヒスタミンが皮膚の血管を広げ、血管から血漿成分が漏れ出すことで、あの特徴的な赤みを帯びたふくらみ(膨疹)が生じます。同時に神経にも作用するため、強いかゆみを伴います。

膨疹は通常数十分〜数時間で自然に消えるのが特徴で、跡を残しません。ただし、新しい膨疹が次々と出てくる場合は、症状が続いているように感じられます。

急性じんましん vs 慢性じんましん
症状が続く期間によって分類されます。
急性じんましん:6週間以内に治まるもの
慢性じんましん:6週間以上続く、またはくり返すもの
慢性になるほど原因の特定が難しくなり、治療の方針も変わってきます。

蕁麻疹の原因・誘因一覧

蕁麻疹の引き金(誘因)はひとつではなく、複数の要因が重なって発症することも少なくありません。代表的な誘因を以下の表で整理します。

分類具体例
感染症細菌・ウイルス感染(風邪など)
食べ物エビ・カニ・小麦・牛乳・卵・果物など
薬剤解熱鎮痛薬(NSAIDs)・抗生物質など
物理的刺激こすれ・圧迫・寒冷・温熱・日光など
発汗・運動コリン性じんましん(汗・運動・入浴で誘発)
その他疲労・ストレス・寝不足による悪化

食べ物は「原因」ではなく「誘因」のひとつ

食べ物を食べた後に蕁麻疹が出ると「食物アレルギーが原因だ」と思いがちですが、食べ物が関与するのは急性じんましんが多く、慢性じんましんでは食べ物が直接の原因となるケースは少ないとされています。自己判断で食品を過度に制限することは栄養面でのリスクもあるため、必ず医師に相談してください。

コリン性じんましんとは

運動・入浴・緊張などで体温が上がり発汗が促されたときに出やすい蕁麻疹をコリン性じんましんといいます。小さな点状の膨疹が特徴で、若い世代に多い傾向があります。汗そのものや体温上昇がヒスタミン放出を促すと考えられています。

ストレス・疲労・寝不足との関係

「ストレスがたまると蕁麻疹が出る」という経験をお持ちの方は多いでしょう。ストレスや疲労、寝不足は蕁麻疹の直接の原因とは言い切れませんが、症状を悪化させる重要な誘因とされています。

ストレスがかかると自律神経のバランスが乱れ、免疫系にも影響が及びます。その結果、マスト細胞が過敏になりヒスタミンが放出されやすくなると考えられています。特に慢性じんましんでは、睡眠不足や過労が続くと症状がぶり返しやすいため、生活習慣の見直しも治療の一環となります。

【やってはいけないNG行動】

  • 「ストレスが原因」と決めつけて受診を先延ばしにする
  • かゆいからといって患部を強くかいたり、熱いお湯で洗う(皮膚への刺激でさらに悪化する場合があります)
  • 自己判断で市販薬だけに頼り、慢性化しても病院に行かない
  • 「どうせ原因不明だから」と治療を諦める

慢性じんましんの約70〜80%は「原因不明」

慢性じんましん(6週間以上続くもの)の場合、約70〜80%は検査をしても明らかな原因が特定できない「特発性じんましん」とされています。これは世界的な医学的知見であり、決して珍しいことではありません。

「原因がわからないのに治療できるの?」と不安に感じる方もいらっしゃいますが、慢性じんましんの治療では「原因探し」より「症状のコントロール」を優先することが現在の標準的な考え方です。適切な薬物療法によって症状を抑え、徐々に薬を減らしながら内服なしで症状が出ない状態を目指すことが治療のゴールとなります。

「原因がわからない=治療できない」ではありません。慢性じんましんでも抗ヒスタミン薬などによる薬物療法で多くの方が症状をコントロールできるようになっています。千里中央・豊中・吹田エリアで慢性的なかゆみにお悩みの方は、一度専門医にご相談ください。

蕁麻疹は人にうつる?

蕁麻疹は感染症ではないため、人から人へうつる病気ではありません。ただし、細菌やウイルスの感染症が引き金となって蕁麻疹が出ることはあります。その場合、感染症自体は人にうつる可能性がありますが、蕁麻疹の症状そのものがうつるわけではありません。家族や周囲の方に対して過度に気を遣う必要はありませんが、感染症の疑いがある場合は医師に相談しましょう。

治療法:症状コントロールを最優先に

第一選択は抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

蕁麻疹の治療は、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服が第一選択です(保険診療)。ヒスタミンの働きをブロックすることで、かゆみや膨疹を抑えます。効果には個人差があり、標準用量で十分な効果が得られない場合は、増量や薬剤の変更を検討します。

治療のゴールは「薬なしでコントロールできる状態」

症状が落ち着いてきたら、医師の判断のもとで薬を徐々に減らしていくことを目指します。「薬をやめたら再発するのでは」と心配される方も多いですが、適切なペースで減薬を進め、最終的に内服なしで症状が出ない状態を目指します。自己判断での急な中止は症状が戻りやすいため、必ず医師の指示に従ってください。

治療ステップ内容診療区分
第1段階抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服(標準用量)保険診療
第2段階増量または薬剤の変更・追加保険診療
難治例オマリズマブ(ゾレア)などの注射治療(適応は医師が判断)診察で確認

※自由診療メニューの適否・費用については診察時にご確認ください。効果・副作用には個人差があります。

花ふさ皮ふ科グループでの診療について

花ふさ皮ふ科グループの3院では、いずれも保険診療による蕁麻疹の診察・治療に対応しています。皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ花房崇明理事長(医学博士・大阪大学大学院)の監修のもと、患者さん一人ひとりの症状に合わせた診療を行っています。

難治例・重症例への対応

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(豊中市・千里中央):重症・難治の慢性じんましんに対し、オマリズマブ(ゾレア)やデュピクセント(デュピルマブ)の皮下注射治療にも対応しています。
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(吹田市・江坂):重症難治例にはオマリズマブを用いることがあり、必要に応じて総合病院への紹介・連携も行っています。
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面市・箕面萱野駅直結):重症難治例にはオマリズマブを用いることがあり、必要に応じて総合病院への紹介・連携も行っています。

注射治療(ゾレア・オマリズマブ・デュピクセントなど)の適応・費用・保険適用の有無は、症状や医療機関によって異なります。詳細は診察時に医師にご確認ください。

千里中央・豊中・吹田エリアにお住まいの方は、千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央駅より徒歩約5分・駐車場9台完備)へお気軽にご相談ください。

じんましんの診療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田)
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田)
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田)

いずれも理事長・皮膚科専門医/アレルギー専門医の監修のもと、抗ヒスタミン薬による保険診療に対応。難治性の慢性じんましんに対する注射治療(ゾレアなど)にも対応・連携しています。通いやすい院をお選びいただけます。

くり返すじんましん・治らないかゆみは花ふさ皮ふ科グループへ

じんましんは原因の見極めと適切な内服が大切です。気になる症状は自己判断せず、皮膚科・アレルギー科の専門医にご相談ください。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

千里中央・豊中・吹田 WEB予約 じんましんの詳細

江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

江坂駅 徒歩1分・吹田 WEB予約 じんましんの詳細

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こんな症状はすぐ受診を

蕁麻疹のほとんどは命に関わるものではありませんが、以下の症状がある場合はすぐに医療機関を受診するか、救急へ連絡してください。

  • のどのかゆみ・締め付け感・声のかすれ・息苦しさ
  • 顔や唇・まぶたの急激なむくみ(血管性浮腫)
  • めまい・血圧低下・意識の遠のき
  • 腹痛・嘔吐・下痢を伴う場合

これらはアナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)の可能性があり、迅速な対応が必要です。

まとめ|蕁麻疹は専門医への相談で症状コントロールを

蕁麻疹の原因・誘因は多様であり、慢性じんましんの約70〜80%は原因が特定できない「特発性」とされています。大切なのは原因探しに固執するのではなく、適切な治療で症状をコントロールすることです。

  • ヒスタミンが関与:マスト細胞からのヒスタミン放出が膨疹・かゆみを引き起こす
  • 誘因は多様:感染・食べ物・薬・物理刺激・ストレス・疲労など
  • 慢性では原因不明が多い:約70〜80%が特発性。原因探しより症状コントロールを優先
  • 治療は抗ヒスタミン薬が第一選択:難治例には注射治療の選択肢もあり(適応は医師が判断)
  • うつらない:蕁麻疹は感染症ではなく、人から人へうつる病気ではない

最終的な診断・治療方針は医師の診察によって決まります。症状が続く場合や繰り返す場合は、自己判断せず皮膚科・アレルギー科の専門医にご相談ください。

くり返すじんましん・治らないかゆみは花ふさ皮ふ科グループへ

じんましんは原因の見極めと適切な内服が大切です。気になる症状は自己判断せず、皮膚科・アレルギー科の専門医にご相談ください。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。

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FAQ(よくある質問)

Q1:蕁麻疹は突然出るのはなぜですか?

A.
蕁麻疹は皮膚のマスト細胞からヒスタミンが急に放出されることで、突然膨疹(ふくらみ)とかゆみが生じます。食べ物・薬・感染・ストレス・物理的な刺激など、さまざまな誘因がヒスタミン放出のきっかけになりますが、慢性じんましんでは明らかな誘因が見当たらないことも多くあります。突然の発症に驚かれる方も多いですが、適切な治療で症状をコントロールできるケースがほとんどです。

Q2:ストレスで蕁麻疹は出ますか?

A.
ストレスや疲労、寝不足は蕁麻疹の直接の原因とは言い切れませんが、症状を悪化させる誘因になりやすいとされています。自律神経の乱れが免疫系に影響し、マスト細胞が過敏になることが関係していると考えられています。ストレスを完全になくすことは難しいですが、睡眠を十分にとり、無理のない生活リズムを保つことが症状の安定につながる場合があります。

Q3:蕁麻疹の原因を調べる検査はありますか?

A.
血液検査(アレルギー検査・炎症マーカーなど)や皮膚テストを行うことがありますが、慢性じんましんの約70〜80%は検査をしても明らかな原因が特定できない「特発性」とされています。そのため、検査で原因が見つからなくても治療は可能です。必要な検査の種類や範囲は症状や経過によって異なりますので、医師にご相談ください。

Q4:蕁麻疹は人にうつりますか?

A.
蕁麻疹は感染症ではないため、人から人へうつる病気ではありません。ただし、細菌やウイルスの感染症が引き金となって蕁麻疹が出ることがあります。その場合、感染症自体はうつる可能性がありますが、蕁麻疹の症状そのものがうつるわけではありません。

Q5:蕁麻疹はどのくらいで治りますか?

A.
急性じんましんは多くの場合、適切な治療で6週間以内に症状が落ち着きます。一方、慢性じんましん(6週間以上続くもの)は治療期間が長くなることがありますが、抗ヒスタミン薬などによる薬物療法で症状をコントロールしながら、徐々に薬を減らし「内服なしで症状が出ない状態」を目指します。経過には個人差があるため、焦らず医師と相談しながら治療を続けることが大切です。

Q6:市販の抗アレルギー薬で様子を見てもいいですか?

A.
軽度の蕁麻疹で一時的に市販薬を使用することは選択肢のひとつですが、症状が1週間以上続く・繰り返す・悪化するといった場合は皮膚科・アレルギー科の専門医への受診をお勧めします。自己判断での長期使用は適切な診断や治療の機会を遅らせる可能性があります。のどの締め付け感・息苦しさ・顔のむくみなどを伴う場合はすぐに医療機関を受診してください。