「どうして粉瘤(ふんりゅう)ができたんだろう?」「自分の生活に問題があったの?」と気になる方は多いものです。結論からお伝えします。粉瘤の根本的な原因ははっきり分かっていませんが、不潔だからできるわけではありません。この記事では、粉瘤ができる仕組み、できやすい人や部位、体質・遺伝との関係、人にうつるのかどうかを皮膚科専門医が解説します。

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

・難病指定医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本臨床皮膚科医会 / 日本美容皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会 等

目次

1. 粉瘤はなぜできる?【結論】

粉瘤の原因(結論)

  • 粉瘤の根本的な原因ははっきり分かっていない
  • 不潔だからできるわけではない——清潔にしていてもできる
  • 体質的にできやすい人はいる。毛穴の多い部位にできやすい
  • 感染症ではないため人にはうつらない

2. 粉瘤ができる仕組み

粉瘤は、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」などと呼ばれます。「皮脂の塊」ではなく、皮膚の下にできた「袋」に角質(アカ)がたまったものである点が、粉瘤を理解するうえで大切なポイントです1

皮膚の表面は「表皮」という組織でできています。多くの粉瘤は毛穴(毛包脂腺単位)の出口がふさがることをきっかけに、この表皮の組織が皮膚の下で袋(嚢腫壁)を作ることで生じます。毛のない部位では、ケガなどによって表皮の組織が皮膚の下に入り込んで袋ができることもあります(外傷性の粉瘤)2

表皮はもともと角質を作り出す性質があるため、皮膚の下にできた袋の中にも角質が溜まっていきます。これが少しずつ大きくなり、しこりとして触れるようになったものが粉瘤です。ただし、なぜ袋ができるのか、その根本的な原因は多くの場合はっきり分かっていません。

粉瘤は「脂肪の塊」「皮脂の袋」と説明されることがありますが、正確には角質(ケラチン)を含んだ袋です1。脂肪組織からできる脂肪腫とは別のできもので、治療の考え方も異なります。

3. 粉瘤ができやすい人・部位

原因ははっきりしないものの、粉瘤にはできやすい人・できやすい部位の傾向があります。

できやすい部位

毛穴(毛包脂腺単位)が多い顔(鼻・眉間)・首・耳・胸・肩・背中などは、粉瘤の好発部位です1。一方で、体のどこにでもできる可能性があります。

できやすい人

  • 体質的に粉瘤ができやすい方
  • 過去に粉瘤ができたことがある方(別の場所にもできることがある)
  • 一度に多数の粉瘤ができる方は、体質的な要因が関係していることがあります

大切なこと:粉瘤は「不潔だからできる」「洗い方が足りないからできる」ものではありません。清潔にしていてもできるできものです。ご自身の生活を責める必要はありません。

4. 体質・遺伝は関係する?

「家族にも粉瘤ができた人がいる」という方もいます。一般的な粉瘤が直接遺伝するわけではありませんが、できやすさには体質が関係すると考えられています。

なお、ごくまれに、多発性の粉瘤がガードナー症候群基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)といった遺伝性疾患の症状のひとつとして現れることが知られています3。一度に多数の粉瘤ができる場合や、ご家族にも同様の方が多い場合は、念のため一度医師にご相談ください。ほとんどのケースでは過度に心配する必要はありません。

5. 粉瘤は人にうつる?

「粉瘤が人にうつるのでは」と心配される方がいますが、粉瘤は感染症ではないため、人にうつることはありません。

触れたり、一緒に生活したり、タオルを共有したりしてうつるものではありません。粉瘤は、その人の皮膚の下に袋ができてしまった状態であり、ウイルスや細菌が他人に伝染するような病気ではない、とご理解ください。

なお、粉瘤が赤く腫れて痛む「炎症性粉瘤」は細菌感染をともなうことがありますが、これもその人の皮膚の中で起きている炎症であり、他の人にうつるものではありません。

6. 粉瘤は予防できる?

残念ながら、粉瘤を確実に予防する方法は確立されていません。根本的な原因がはっきりしていないため、「これをすれば防げる」という対策がないのが現状です。

また、粉瘤は袋そのものが皮膚の下に残るため、自然になくなることは基本的にありません。中身を絞り出して一時的に小さくなっても、袋が残っていれば再び角質がたまります。切開して膿を出すだけの処置と、袋ごと摘出する手術を比べたシステマティックレビューでも、袋を含めて完全に摘出したほうが再発が少ないことが示されています5

現実的にできる対策は、粉瘤に気づいたら、小さく落ち着いているうちに袋ごと摘出する手術を受けることです。小さいうちに取ってしまえば、その粉瘤が大きくなったり、炎症して痛んだりすることを防げます。粉瘤の再発・予防について詳しくは粉瘤の再発・予防の記事を、放置した場合については粉瘤は自然に消える?の記事をご覧ください。

7. 大阪・千里中央で粉瘤治療なら花ふさ皮ふ科

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科グループでは、皮膚科医と形成外科医によるハイブリッド診療で粉瘤を治療しています。

  • エコー検査で粉瘤を正しく診断
  • 保険適用の日帰り手術——切除法・くり抜き法に対応
  • 傷跡に配慮した治療・形成外科専門医が在籍
  • 大阪府内に3院・24時間WEB予約に対応
医院 アクセス 電話
千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 「千里中央」駅より徒歩約5分 050-5212-5052
江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 「江坂」駅より徒歩約1分 06-6368-1200
みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 「箕面萱野」駅直結 072-737-9912

8. まとめ

まとめ|粉瘤の原因と、知っておきたいこと

  • 粉瘤は表皮が皮下で袋を作るできもの。根本原因は不明な点が多い
  • 不潔だからできるわけではない:自分を責める必要はない
  • 体質的にできやすい人はいる。毛穴の多い部位に多い
  • 人にはうつらない:感染症ではない
  • 自然にはなくならない:袋が残る限り再びたまる
  • 確実な予防法はない:小さいうちに袋ごと摘出するのが現実的な対策

最終的な診断・治療方針は必ず医師の診察を受けたうえでご判断ください。本記事は花房 崇明 理事長(医学博士・皮膚科専門医)の監修のもと作成しています。

当院の特徴:皮膚科専門医と形成外科専門医の連携

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科では、皮膚科専門医と形成外科専門医が連携して粉瘤の診療にあたります。皮膚科専門医が診断・他疾患との鑑別(脂肪腫や悪性腫瘍など)を行い、手術が必要な場合は形成外科専門医が整容面(傷跡を目立ちにくくする縫合)に配慮した切除を担当します。顔など目立つ部位・大きい粉瘤・炎症を繰り返す例では、両科の連携が特に有用です。最終的な診断・治療方針は医師の診察のうえで判断します。

粉瘤について、当院の医師が動画で解説しています

FAQ(よくある質問)

Q1:粉瘤はなぜできるのですか?

A.
粉瘤は、毛穴(毛包脂腺単位)の出口がふさがったり、皮膚の表面の組織(表皮)が皮膚の下に入り込んだりして袋ができ、そこに角質がたまることでできます。なぜ袋ができるのか、その根本的な原因ははっきり分かっていません。ケガなどの外傷をきっかけにできることもあります。

Q2:粉瘤は不潔だからできるのですか?

A.
いいえ、粉瘤は不潔だからできるわけではありません。清潔にしていてもできるできもので、洗い方が足りない、皮膚のケアを怠ったといった問題ではありません。ご自身の生活習慣を責める必要はありません。

Q3:粉瘤ができやすい人はいますか?

A.
体質的に粉瘤ができやすい方はいます。また、毛穴の多い顔・首・耳・胸・肩・背中などはできやすい部位です。過去に粉瘤ができた方は別の場所にもできることがあり、一度に多数できる場合は体質的な要因が関係していることがあります。

Q4:粉瘤は遺伝しますか?

A.
一般的な粉瘤が直接遺伝するわけではありませんが、できやすさには体質が関係すると考えられています。なお、ごくまれに、多発性の粉瘤がガードナー症候群や基底細胞母斑症候群といった遺伝性疾患の症状として現れることがあります。多数できる場合やご家族に同様の方が多い場合は、一度医師にご相談ください。

Q5:粉瘤は人にうつりますか?

A.
粉瘤は感染症ではないため、人にうつることはありません。触れたり、一緒に生活したり、タオルを共有したりしてうつるものではないので、その点はご安心ください。

Q6:粉瘤は予防できますか?

A.
粉瘤の根本的な原因がはっきりしていないため、確実に予防する方法は確立されていません。現実的な対策は、粉瘤に気づいたら小さいうちに袋ごと摘出する手術を受け、大きくなったり炎症したりするのを防ぐことです。

Q7:粉瘤は自然に治りますか?放置してもよいですか?

A.
粉瘤は袋そのものが皮膚の下に残るため、自然になくなることは基本的にありません。中身が出て一時的に小さくなっても、袋が残っていれば再びたまります。放置すると徐々に大きくなったり、細菌感染を起こして赤く腫れ・痛みが出たりすることがあるため、小さいうちの受診をおすすめします。

Q8:粉瘤とニキビ・脂肪腫はどう違いますか?

A.
ニキビは毛穴の炎症で、多くは自然に治ります。脂肪腫は脂肪組織が増えたやわらかい腫瘍で、中央に黒い点は見られません。粉瘤は角質が入った袋で、コリコリとしたしこりとして触れ、中央に黒い点(開口部)が見えることがあります。見た目が似ていて自己判断は難しいため、皮膚科での診察をおすすめします。

参考文献

本記事は以下の文献・資料を参考に、日本皮膚科学会皮膚科専門医の監修のもと作成しています。

  1. Weir CB, St.Hilaire NJ. Epidermal Inclusion Cyst. StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023. NCBI Bookshelf NBK532310
    ▶ 内容物が角質(ケラチン)であること、顔・頸部・体幹に好発すること、再発予防には嚢腫壁の完全摘出が重要であることが記載されている。
  2. Lam M, Oakley A. Epidermoid cyst. DermNet; 2020(2024年一部改訂). dermnetnz.org
    ▶ 毛包の閉塞や外傷による表皮の埋没が嚢腫形成に関与することを解説。
  3. Charifa A, Jamil RT, Sathe NC, Zhang X. Gardner Syndrome. StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2024. NCBI Bookshelf NBK482342
    ▶ 多発性の表皮嚢腫がガードナー症候群の皮膚症状として現れうることの根拠。
  4. Lee HE, Yang CH, Chen CH, Hong HS, Kuan YZ. Comparison of the surgical outcomes of punch incision and elliptical excision in treating epidermal inclusion cysts: a prospective, randomized study. Dermatologic Surgery. 2006;32(4):520-525. doi:10.1111/j.1524-4725.2006.32105.x
    ▶ くり抜き法と紡錘形切除法を直接比較した無作為化比較試験。
  5. Guru Naidu S, Guru Naidu NC, Borgas P, Balasubramaniam D. Surgical Excision Versus Incision and Drainage for Epidermoid (Sebaceous) Cysts: A Systematic Review. Cureus. 2026;18(1):e102434. doi:10.7759/cureus.102434
    ▶ 切開排膿のみと嚢腫壁を含む完全切除を比較したシステマティックレビュー。

最終確認日:2026年8月18日(各文献はDOIまたは発行元サイトで実在および書誌情報を照合済み)

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