乾癬(かんせん)とは、免疫の異常によって皮膚のターンオーバーが異常に速くなり、赤い盛り上がり(紅斑)に銀白色の鱗屑(りんせつ:フケのようなもの)が付着してポロポロとはがれ落ちる、慢性の皮膚疾患です。
「乾癬は寛解を目指せるの?」という疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。結論をお伝えすると、乾癬は体質が関わる慢性疾患であるため、医学的には「寛解(症状のない状態)」という表現は用いません。しかし、適切な治療を続けることで症状のない・落ち着いた状態(寛解)を目指し、維持していくことは十分に可能です。近年は分子標的薬・生物学的製剤の登場により、以前より高いレベルでコントロールできるケースが増えています。
この記事では、千里中央・豊中・吹田エリアで乾癬診療を行う千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科の理事長・花房崇明(皮膚科専門医・アレルギー専門医・医学博士)が、乾癬の正しい知識と治療の考え方を解説します。
目次
乾癬とは?症状・原因・病型
乾癬は、IL-17・IL-23・TNFαなどの免疫に関わるサイトカインの異常が背景にあるとされる慢性炎症性疾患です。皮膚のターンオーバーが正常の約10倍以上の速さになり、未熟な皮膚細胞が積み重なって鱗屑(りんせつ)を形成します。良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴で、頭皮・爪・関節にも症状が現れることがあります。
主な病型
| 病型 | 特徴 |
|---|---|
| 尋常性乾癬 | 最も多い。紅斑+銀白色鱗屑が肘・膝・頭皮などに出る |
| 関節症性乾癬(乾癬性関節炎) | 関節の痛み・腫れ・変形を伴う |
| 滴状乾癬 | 扁桃炎などの後に小さな発疹が全身に多発 |
| 膿疱性乾癬 | 膿疱(のうほう)が多発する重症型 |
| 乾癬性紅皮症 | 全身が赤くなる重篤な状態 |
乾癬は感染しません。乾癬は感染症ではなく、人から人へうつる病気ではありません。また、体質(遺伝的素因)が関与することはありますが、必ず遺伝する病気でもありません。
乾癬は「寛解(症状のない状態)」するの?「寛解」という考え方
乾癬の治療を考えるうえで最も重要なのが、「寛解(症状のない状態)」ではなく「寛解(かんかい)」を目指すという考え方です。
「寛解(症状のない状態)」と「寛解」の違い
| 用語 | 意味 | 乾癬への当てはまり |
|---|---|---|
| 寛解(症状のない状態) | 病気が根本からなくなった状態 | 体質が関わるため、医学的には用いない |
| 寛解 | 症状がない・落ち着いた状態 | 治療のゴールとして目指せる状態 |
乾癬は体質(免疫の特性)が関わる慢性疾患であるため、「寛解した」と断言できる状態にはなりにくい疾患です。しかし、適切な治療を継続することで症状がほぼなくなる「寛解」状態を維持できる方は少なくありません。効果や経過には個人差があります。
近年は治療の選択肢が大きく広がっており、外用療法・光線療法・内服療法に加え、分子標的薬・生物学的製剤の登場によって、中等症〜重症の乾癬でも高いレベルで症状をコントロールできるケースが増えています。「昔に比べて治療が進んだ」と感じる患者さんも多く、希望を持って治療に取り組むことが大切です。
「長く付き合う」という視点が大切です。自己判断で治療を中断すると、症状が再燃・悪化するリスクがあります。症状が落ち着いている時期も、医師と相談しながら治療を継続・調整していくことが寛解の維持につながります。
悪化させる要因と日常のセルフケア
乾癬は生活習慣や環境因子によって悪化することが知られています。寛解を維持するためには、治療と並行して日常生活の見直しも重要です。
【乾癬を悪化させるNG習慣】
- 喫煙(皮膚の炎症を促進するとされています)
- 過度の飲酒(症状を悪化させる要因のひとつです)
- 肥満(体重管理は治療効果にも影響します)
- 強いストレスの持続
- 皮膚への過度な摩擦・刺激(コブネル現象:傷の部位に発疹が出やすくなる)
- 自己判断での治療中断
日常のセルフケアのポイント
- 保湿を習慣に:皮膚のバリア機能を保つため、入浴後すぐに保湿剤を塗りましょう。
- 入浴時のやさしいケア:ゴシゴシこすらず、低刺激のボディソープを使用。
- 体重管理:適正体重の維持が治療効果の向上につながるとされています。
- 禁煙・節酒:生活習慣の改善は症状の安定化に貢献します。
- ストレスマネジメント:睡眠・運動・気分転換を取り入れましょう。
乾癬の治療法(段階的アプローチ)
乾癬の治療は、重症度・病変部位・患者さんの状態に応じて段階的に選択されます。以下は主な治療法の概要です。適応・費用・副作用については、必ず医師の診察のうえで確認してください。
① 外用療法
軽症〜中等症の乾癬の基本治療です。ステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬、両者の配合剤などを病変の部位・程度に応じて使用します。正しい塗り方・量・期間を守ることが大切です。
② 光線療法(紫外線療法)
エキシマライトやナローバンドUVBなどの紫外線を患部に照射する治療法です。外用療法と組み合わせることで、より高い効果が期待できるとされています。詳しくは紫外線療法(エキシマライト)の詳細もご参照ください。
③ 内服療法
中等症以上や外用・光線療法では効果が不十分な場合に検討されます。
- オテズラ(アプレミラスト):PDE4阻害薬。注射不要の経口薬です。
- シクロスポリン:免疫抑制薬。感染症や腎機能への影響に注意が必要です。
- チガソン(エトレチナート):レチノイド(ビタミンA誘導体)。催奇形性があるため、女性への使用には厳格な管理が必要です。
④ 分子標的薬・生物学的製剤(中等症〜重症)
IL-17・IL-23・TNFαなどを標的とした分子標的薬・生物学的製剤は、中等症〜重症乾癬に対して高い効果が期待できる治療法です。ソーティクツ(デュークラバシチニブ)などの分子標的薬のほか、注射による生物学的製剤があります。適応要件や費用負担があり、定期的な通院・検査が必要です。効果・経過には個人差があります。※公的医療保険適用外の場合があります。適応については医師にご確認ください。
花ふさ皮ふ科グループでの乾癬診療
花ふさ皮ふ科グループでは、皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ理事長・花房崇明(医学博士・大阪大学大学院)のもと、保険診療で乾癬に対応しています。
3院共通の対応(外用・光線・内服)
- 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府豊中市・千里中央駅徒歩約5分)
- 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(吹田市・江坂駅徒歩約1分)
- みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府箕面市・箕面萱野駅直結)
3院すべてで外用療法・光線療法(エキシマライト・ナローバンドUVB)・内服療法(オテズラ・シクロスポリン・チガソン)に対応しています。
分子標的薬・生物学的製剤は千里中央院のみ
千里中央花ふさ皮ふ科は日本皮膚科学会の分子標的薬承認施設です。ソーティクツ(デュークラバシチニブ)などの分子標的薬や生物学的製剤(注射)による中等症〜重症乾癬の治療に対応しています。江坂院・みのお院ではこれらの治療は行っておらず、必要に応じて千里中央院へ連携・紹介いたします。千里中央・豊中・吹田にお住まいの方はもちろん、広く大阪北摂エリアからご相談いただけます。
乾癬の治療は「症状がなくなったら終わり」ではなく、寛解を維持するための継続的なケアが大切です。治療方針は患者さんの状態・生活スタイルに合わせて医師と一緒に決めていきます。心理面の不安についてもお気軽にご相談ください。
乾癬の診療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます
- 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田)— 分子標的薬・生物学的製剤の承認施設
- 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田)
- みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田)
いずれも理事長・皮膚科専門医/アレルギー専門医・難病指定医の監修のもと、外用薬・光線療法(エキシマ)・内服薬(オテズラ・シクロスポリン・チガソン)による保険診療に対応。さらに千里中央院は日本皮膚科学会の分子標的薬承認施設として、ソーティクツなどの分子標的薬や生物学的製剤による重症乾癬の治療にも対応します(江坂・みのおでは行っておらず、必要時は千里中央院と連携します)。
くり返す・治りにくい乾癬は花ふさ皮ふ科グループへ
乾癬は症状や重症度に応じて、外用・光線療法・内服・分子標的薬まで幅広い治療があります。皮膚科専門医・アレルギー専門医が保険診療でご提案します。気になる症状は自己判断せずご相談ください。通いやすい院の保険予約からどうぞ。
こんな症状はすぐ受診を
以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
- 全身に赤みや膿疱(のうほう)が急速に広がっている
- 関節の痛み・腫れ・変形が出てきた(関節症性乾癬の可能性)
- 発熱を伴う皮膚症状がある
- 現在の治療で症状がコントロールできていない
- 自己判断で治療を中断し、症状が再燃・悪化した
まとめ
まとめ|乾癬は「寛解」を目指して、皮膚科専門医にご相談を
乾癬は慢性疾患であるため「寛解(症状のない状態)」という表現は用いませんが、適切な治療を続けることで症状のない「寛解」状態を目指し、維持していくことは可能です。近年の治療の進歩により、多くの患者さんがより高いレベルで症状をコントロールできるようになっています。
- ポイント1:乾癬のゴールは「寛解(症状のない状態)」ではなく「寛解(症状のない・落ち着いた状態)の維持」
- ポイント2:外用・光線・内服に加え、分子標的薬・生物学的製剤(千里中央院)で中等症〜重症にも対応
- ポイント3:自己判断での中断は再燃リスクがあるため、医師と相談しながら継続的に治療を
- ポイント4:喫煙・飲酒・肥満・ストレスなど悪化因子の管理も大切
- ポイント5:最終的な診断・治療方針は必ず医師の診察を受けたうえで決定してください
千里中央・豊中・吹田エリアで乾癬にお悩みの方は、千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科へお気軽にご相談ください。皮膚科専門医・アレルギー専門医が丁寧に診察いたします。
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FAQ(よくある質問)
Q1:乾癬は寛解(症状のない状態)しますか?
A.
乾癬は体質(免疫の特性)が関わる慢性疾患であるため、医学的には「寛解(症状のない状態)」という表現は用いません。ただし、適切な治療を継続することで症状がほぼなくなる「寛解」状態を目指し、維持していくことは可能です。効果・経過には個人差がありますので、詳しくは医師にご相談ください。
Q2:乾癬は人にうつりますか?
A.
乾癬は感染症ではなく、人から人へうつる病気ではありません。触れたり、同じ空間にいたりすることで感染することはありませんので、ご安心ください。
Q3:乾癬は遺伝しますか?
A.
体質(遺伝的素因)が発症に関与することはありますが、必ず遺伝する病気ではありません。発症・悪化には生活習慣・ストレス・感染・肥満・喫煙・飲酒などの環境因子も大きく関わっています。
Q4:症状が落ち着いたら治療をやめてもいいですか?
A.
自己判断での治療中断は、症状の再燃・悪化につながるリスクがあります。症状が落ち着いている時期も、医師と相談しながら治療を継続・調整していくことが寛解の維持に重要です。治療の変更・中止を検討する際は、必ず担当医にご相談ください。
Q5:生物学的製剤・分子標的薬はどのクリニックで受けられますか?
A.
花ふさ皮ふ科グループでは、千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府豊中市・千里中央)が日本皮膚科学会の分子標的薬承認施設です。ソーティクツ(デュークラバシチニブ)などの分子標的薬や生物学的製剤による治療に対応しています。江坂院・みのお院ではこれらの治療は行っておらず、必要に応じて千里中央院へご紹介・連携いたします。適応要件・費用については診察時にご確認ください。
Q6:乾癬の治療に保険は使えますか?
A.
外用療法・光線療法・内服療法(オテズラ・シクロスポリン・チガソン)・生物学的製剤の多くは公的医療保険が適用されます。ただし、適応要件や処方できる医療機関の要件があるものもあります。費用・適応については診察時に医師にご確認ください。
Q7:乾癬に関節の痛みも出てきました。皮膚科で診てもらえますか?
A.
乾癬に関節の痛み・腫れ・変形が伴う「関節症性乾癬(乾癬性関節炎)」は、皮膚科でも診察・治療の相談が可能です。症状によっては整形外科・リウマチ科との連携が必要になる場合もあります。まずは皮膚科専門医にご相談ください。













