イボ(疣贅:ゆうぜい)とは、皮膚にできる小さな盛り上がり(できもの)の総称で、最も多いのはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染による「ウイルス性イボ(尋常性疣贅)」です。

イボの治療で最初に選択される標準的な方法が、液体窒素による冷凍凝固療法です。「どのくらい痛い?」「何回通えば取れる?」「治療後はどうなるの?」という疑問を持つ方は多く、不安から受診をためらうケースも少なくありません。

この記事では、液体窒素治療のしくみ・痛み・治療後の経過・取れるまでの期間を皮膚科専門医が正直にわかりやすく解説します。自己判断で市販品を使う前に、ぜひご一読ください。

監修:花房 崇明(理事長・医学博士〔大阪大学大学院〕・日本皮膚科学会皮膚科専門医・日本アレルギー学会アレルギー専門医・日本抗加齢医学会専門医)

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

・難病指定医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本臨床皮膚科医会 / 日本美容皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会 等

目次

1. イボの種類と「うつる・うつらない」の違い

一口に「イボ」といっても種類はさまざまです。種類によって原因・感染性・治療法が異なるため、自己判断は禁物です。まず代表的な種類と感染性を整理しましょう。

種類 主な部位 原因 うつる?
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい) 手足・指 HPV(ウイルス) うつる可能性あり
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい) 顔・手の甲 HPV(ウイルス) うつる可能性あり
足底疣贅(そくていゆうぜい) 足の裏 HPV(ウイルス) うつる可能性あり
水いぼ(伝染性軟属腫) 体幹・腕など 別のウイルス うつる可能性あり
尖圭コンジローマ 陰部 HPV(ウイルス) うつる(性感染症)
老人性イボ(脂漏性角化症) 顔・体幹など 加齢 うつらない
首のイボ(アクロコルドン) 首・脇 加齢・摩擦 うつらない

たこ・魚の目(鶏眼)はイボではありません。こすれや圧迫が原因で、ウイルス性ではありません。足の裏にできた場合、足底疣贅と見た目が似ているため混同されやすいですが、治療法が異なります。皮膚科での正確な診断が重要です。

2. 液体窒素治療とは?しくみを解説

液体窒素による冷凍凝固療法は、保険診療で受けられるイボ治療の基本です。そのしくみを正しく理解しておきましょう。

約−196℃でイボを凍らせて壊す

液体窒素は約−196℃という超低温の液体です。綿棒や専用の器具でイボに直接押し当てることで、イボの組織を急速に凍結・融解させ、細胞を壊死させます。同時に、免疫反応を引き起こしてウイルスを排除する効果も期待されています。

ヨクイニン(漢方)との併用

液体窒素と並行して、ヨクイニン(漢方薬)の内服を組み合わせることがあります。ウイルスへの免疫を高める補助的な役割が期待されており、液体窒素治療の効果をサポートするとされています。

難治例への対応

液体窒素で改善が難しい場合は、モノクロロ酢酸の塗布・電気焼灼・炭酸ガスレーザーなどの選択肢もあります(千里中央院ではモノクロロ酢酸塗布にも対応)。いずれも医師が状態を見て判断します。

3. 治療中の痛みはどのくらい?

「液体窒素は痛い」という声をよく耳にします。正直にお伝えすると、痛みは個人差がありますが、多くの方が感じます。

  • 治療中は「ジーン」「チクチク」「熱い」と表現されるような感覚があります
  • 足の裏(足底疣贅)や指先など、神経が集まっている部位では比較的強く感じやすい傾向があります
  • 治療後数時間〜翌日にかけて、じんじんとした痛みが続くことがあります
  • お子さんの場合は怖がって泣いてしまうこともありますが、処置自体は短時間です

痛みを和らげる工夫について
痛みが心配な方は、事前に担当医師へ遠慮なくご相談ください。凍らせる時間や圧力を調整するなど、できる限り負担を軽減できるよう対応します。ただし、効果との兼ね合いもあるため、最終的には医師の判断によります。

4. 治療後の経過|水ぶくれ・黒ずみ・かさぶた

液体窒素治療後は、一定の経過をたどることが多いです。「これは正常?」と不安にならないよう、あらかじめ知っておきましょう。

治療直後〜数日

  • 治療部位が赤くなる・腫れることがあります
  • 水ぶくれ(水疱)ができることがあります。これは治療の反応として起こるもので、必ずしも異常ではありません
  • 水ぶくれは自分でつぶさず、自然に吸収されるのを待つのが基本です

数日〜1〜2週間後

  • 水ぶくれがつぶれてかさぶたになります
  • イボが黒っぽく変色することがあります。これはイボの組織が壊死している状態で、治療が進んでいるサインです
  • かさぶたは自然に剥がれ落ちます。無理に剥がすと傷になることがあるため、触らないようにしましょう

【やってはいけないNG行動】

  • 水ぶくれを自分でつぶす(感染・悪化のリスクがあります)
  • かさぶたを無理に剥がす(傷跡が残る場合があります)
  • 治療部位を強くこする・搔きむしる
  • 途中で通院をやめる(イボが残り、再発・難治化しやすくなります)

5. 何回通えば取れる?期間の目安

液体窒素治療は、1回で治りきるものではなく、1〜数週間おきに複数回くり返すことが基本です。

回数・期間は個人差が大きい

イボが取れるまでの回数・期間は、イボの種類・大きさ・できている部位・免疫状態・個人差によって大きく異なります。数回で改善するケースもあれば、数ヶ月にわたって治療を続けるケースもあります。具体的な回数や期間は医師が診察の上で判断しますので、「何回で必ず取れる」とは断言できません。

途中でやめると治りにくくなる

「見た目が良くなってきたから」と途中で通院をやめてしまうと、ウイルスが残存してイボが再発・難治化するリスクがあります。医師が「終了して良い」と判断するまで、根気よく治療を続けることが大切です。

イボの状態 治療の傾向(目安)
小さく浅いイボ 比較的少ない回数で改善することがある
大きい・古いイボ 回数が多くかかる傾向がある
足の裏(足底疣贅) 角質が厚く、治療に時間がかかりやすい
複数のイボ それぞれに対して治療が必要

※上記はあくまで傾向の目安です。実際の回数・経過は医師の診察による判断が必要です。

6. 自己処置・市販品のリスク

ドラッグストアには「イボ取り」をうたった市販品も販売されています。しかし、自己処置には注意が必要です。

  • 市販品の効果の有無は個人差があり、皮膚科専門医として効果を断言することはできません
  • 自分でイボを無理に取ろうとすると、ウイルスが周囲に広がり、イボが増えることがあります
  • 「イボだと思っていたら実は皮膚がん(有棘細胞癌・悪性黒色腫など)だった」というケースも存在します。自己処置によるがんの見逃しは重大なリスクです
  • 誤った処置で傷や炎症が起き、治療が複雑になることがあります

こんなイボはすぐに皮膚科へ
・急に大きくなった / 色や形が変わってきた
・出血する・ただれている
・足の裏にあり、歩くと痛い
・陰部にできた
・市販品を使っても改善しない

良性のイボと皮膚がんは、見た目だけでは区別できないことがあります。気になるできものは、皮膚科専門医に診てもらうことを強くお勧めします。

7. 花ふさ皮ふ科グループでのイボ治療

花ふさ皮ふ科グループの3院では、液体窒素による冷凍凝固を中心とした保険診療でイボ治療に対応しています。必要に応じてヨクイニン内服の併用や、難治例への追加治療も医師が判断の上で対応します。

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府豊中市上新田 / 千里中央・豊中・吹田エリア)
    千里中央駅から徒歩約5分。皮膚科・アレルギー科・形成外科・美容皮膚科を併設。モノクロロ酢酸塗布にも対応。
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(吹田市江の木町 / 江坂駅から徒歩約1分)
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(大阪府箕面市西宿 / 箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田エリア)

いずれの院も、皮膚科専門医・医学博士(大阪大学大学院)である花房崇明理事長の監修のもと、適切な診断と治療を提供しています。「自分のイボが何の種類か」「液体窒素で治療できるか」など、まずはお気軽にご相談ください。

🎥 動画でわかる:イボ治療を皮膚科医が解説|液体窒素療法ってどんな治療?費用・痛み・回数・副作用(皮膚科専門医の解説)

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イボの診療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田)
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田)
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田)

いずれも理事長・皮膚科専門医の監修のもと、液体窒素による冷凍凝固を中心とした保険診療に対応。種類の見極めから治療まで、通いやすい院をお選びいただけます。

8. まとめ

まとめ|イボの液体窒素治療について皮膚科専門医に相談を

イボの液体窒素治療について、重要なポイントを整理します。

  • 液体窒素治療は保険診療の基本:約−196℃でイボを凍結・壊死させる標準的な治療法です
  • 痛みは個人差あり:「ジーン」「チクチク」とした感覚が多く、部位によって異なります
  • 治療後の経過:赤み・水ぶくれ・黒ずみ・かさぶたは治療の正常な反応です。水ぶくれを自分でつぶしたり、かさぶたを剥がすのはNGです
  • 複数回の通院が必要:1〜数週間おきに繰り返します。回数・期間はイボの種類・大きさ・部位・個人差によって異なり、医師が判断します
  • 途中でやめない:治療を中断するとイボが再発・難治化するリスクがあります
  • 自己処置は危険:ウイルスの拡大・がんの見逃しにつながる可能性があります
  • まず皮膚科で診断を:イボの種類の正確な診断が、適切な治療への第一歩です

千里中央・豊中・吹田・江坂・箕面エリアでイボにお悩みの方は、花ふさ皮ふ科グループへお気軽にご相談ください。最終的な診断・治療方針は、医師の診察に基づいて決定します。

気になるイボ・取れないイボは花ふさ皮ふ科グループへ

イボは種類によって治療が異なり、自己処置で広がることもあります。気になるイボは自己判断せず、皮膚科専門医にご相談ください。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

千里中央・豊中・吹田 WEB予約 イボ治療の詳細

江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

江坂駅 徒歩1分・吹田 WEB予約 イボ治療の詳細

みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

箕面萱野駅 直結・箕面・茨木・池田 WEB予約 イボ治療の詳細

FAQ(よくある質問)

Q1:液体窒素治療は保険が使えますか?

A.
ウイルス性イボ(尋常性疣贅・扁平疣贅・足底疣贅など)に対する液体窒素による冷凍凝固療法は、公的医療保険が適用される保険診療です。ただし、老人性イボ(脂漏性角化症)や首のイボ(アクロコルドン)の治療は、自費(保険適用外)となる場合があります。詳しくは診察時に医師にご確認ください。

Q2:液体窒素治療は何回くらいで終わりますか?

A.
治療回数はイボの種類・大きさ・部位・免疫状態・個人差によって大きく異なります。数回で改善するケースもあれば、数ヶ月にわたって治療を続けるケースもあります。「何回で必ず取れる」と断言することはできません。具体的な見通しは診察の上、医師が判断します。途中でやめてしまうと再発・難治化しやすくなるため、医師の指示に従って通院を続けることが大切です。

Q3:治療後に水ぶくれができました。どうすればいいですか?

A.
液体窒素治療後に水ぶくれができるのは、治療の反応として起こりうることです。自分でつぶさず、自然に吸収されるのを待つのが基本です。水ぶくれが大きい・痛みが強い・化膿しているように見える場合は、早めに受診してご相談ください。

Q4:イボはうつりますか?家族にうつる心配はありますか?

A.
ウイルス性のイボ(尋常性疣贅・扁平疣贅・足底疣贅・水いぼ・尖圭コンジローマ)は、皮膚の小さな傷口などを通じて感染する可能性があります。タオルや足ふきマットの共用を避けるなどの注意が有効とされています。一方、老人性イボ(脂漏性角化症)や首のイボ(アクロコルドン)はウイルス性ではないため、うつりません。自分のイボが何の種類かを知るためにも、皮膚科での診断をお勧めします。

Q5:市販の「イボ取り」を使ってもいいですか?

A.
市販品の使用については、皮膚科専門医として慎重な対応をお勧めします。自己処置によってウイルスが周囲の皮膚に広がりイボが増えることや、「イボだと思っていたら実は皮膚がんだった」というケースでのがんの見逃しリスクがあります。市販品を使っても改善しない場合や、急に大きくなった・出血するなどの変化がある場合は、早めに皮膚科を受診してください。

Q6:足の裏のイボが魚の目と区別できません。どうすればわかりますか?

A.
足の裏にできた足底疣贅(ウイルス性イボ)と魚の目(鶏眼)・たこは、見た目が似ているため自己判断が難しい場合があります。一般的に、魚の目は圧迫すると痛く、横から押すと痛みが少ない傾向があるのに対し、足底疣贅は横から押すと痛みを感じやすいとされます。ただし確実な判断は皮膚科専門医による診察が必要です。治療法が異なるため、自己判断での処置は避け、皮膚科を受診することをお勧めします。

参考文献

1. Sterling JC, Gibbs S, Haque Hussain SS, Mohd Mustapa MF, Handfield-Jones SE. British Association of Dermatologists’ guidelines for the management of cutaneous warts 2014. Br J Dermatol. 2014;171(4):696-712.
https://doi.org/10.1111/bjd.13310

2. Bruggink SC, Gussekloo J, Berger MY, et al. Cryotherapy with liquid nitrogen versus topical salicylic acid application for cutaneous warts in primary care: randomized controlled trial. CMAJ. 2010;182(15):1624-1630.
https://doi.org/10.1503/cmaj.092194

3. Kwok CS, Gibbs S, Bennett C, Holland R, Abbott R. Topical treatments for cutaneous warts. Cochrane Database Syst Rev. 2012;(9):CD001781.
https://doi.org/10.1002/14651858.CD001781.pub3

4. 厚生労働省 医科診療報酬点数表 J056「いぼ等冷凍凝固法」(3箇所以下210点/4箇所以上270点)
https://recenavi.net/shinryohoshu/J/J056.html

最終確認日:2026年8月25日(各出典はDOIまたは発行元サイトで内容を確認済み)