ある日、ふと気づいた皮膚の下のしこり。「ニキビかな?」と思って触ってみても痛みはないけれど、放置していても全然よくならない。特に、顔や頭皮、背中やお尻などによくできるこのしこり、気になってつい指でギュッと潰してみたら、ちょっとクセになるような、臭い白いドロっとしたものが出てきた…そんな経験はありませんか?
そのしこりの正体は、粉瘤(ふんりゅう)、別名アテロームかもしれません。多くの人がニキビと勘違いしがちなこの「おでき」ですが、その正体と対処法は全く異なります。
この記事では、皮膚科専門医が粉瘤の中身を含めた、粉瘤に関する5つの意外な、しかし非常に重要な真実を解説します。
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監修者 [ 資 格 ] ・医学博士(大阪大学大学院) [ 所属学会 ] ・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 |
目次
1. 驚きの正体:中身は「膿」ではなく「垢の塊」だった
粉瘤を潰したり、押したりしたときに出てくる、独特の臭いのする白や黄色のペースト状のもの。多くの人がこれを感染による「膿(うみ)」だと思っていますが、それは大きな間違いです。
その正体は、本来ならば皮膚の表面から垢(あか)として自然に剥がれ落ちるはずだった古い角質(かくしつ)と、皮脂(ひし)が混ざり合ったものです。
専門的には「粥状(かゆじょう)」や、まるで「チーズのよう」だと表現されます。
これらが皮膚の下の袋に閉じ込められ、細菌によって分解されることで独特の強い臭いを放ちます。つまり、中身は膿ではなく、長年溜まった「垢の塊」なのです。
2. 諸悪の根源:見えない「袋」こそが本体
粉瘤の構造で最も重要なのが、皮膚の下に「袋(嚢腫)」が存在するということです。この袋こそが粉瘤の本体であり、諸悪の根源です。
しこりの中央に「へそ」と呼ばれる黒い点状の開口部が見られることがありますが、これは粉瘤を診断する際の重要なポイントになります。
この袋状の構造物が、内部に角質や皮脂を延々と作り続ける「工場」の役割を果たしています。そのため、袋が存在する限り中身は蓄積され続け、しこりは時間とともにゆっくりと大きくなっていきます。
粉瘤を指で押して中身を出しても、「原因となる袋」が残っている限り治ることはありません。
3. 絶対NG:自分で潰すと事態は悪化するだけ
「中身を出せば治る」と考え、自分で粉瘤を潰す行為は絶対に避けてください。その理由は主に以下の通りです。
● 必ず再発する
原因である「袋」が皮膚の下に残っているため、中身だけを押し出しても一時的に小さくなるだけです。時間が経てば袋は再び垢と皮脂で満たされ、必ず再発します。
● 感染と炎症のリスク
無理に潰そうとすると、「袋」が内部で破裂したり細菌が侵入したりする危険があります。その結果、赤く腫れ上がり激痛を伴う「炎症性粉瘤」へと悪化してしまいます。
● 傷跡が大きくなる
一度炎症を起こすと、袋が周囲の組織と癒着してしまいます。そうなると手術時に袋をきれいに取り除くのが難しくなり、より大きく皮膚を切開する必要が出てきます。結果として、本来なら小さく済んだはずの傷跡が目立つ形で残ってしまうのです。
4. 放置も危険:良性でも巨大化や炎症のリスク

粉瘤は悪性化することの少ない「良性腫瘍」ですが、放置にはリスクが伴います。
一つは、時間をかけて巨大化し続けること。もう一つは、ある日突然「炎症性粉瘤」になるリスクです。
炎症が起きると、まず膿を出す応急処置(切開排膿)を行い、後日改めて袋を取り除くという「二段階の治療」が必要になる場合もあります。
きれいな仕上がりを目指すなら、炎症を起こす前の早期手術が鉄則です。
5. 根本治療:解決策は「手術」一択!
粉瘤を根本的に治す答えは、シンプルに「手術一択」です。原因である袋を丸ごと取り除く以外に方法はありません。
炎症のない1〜2cm程度の粉瘤であれば、通常は局所麻酔を用いた15分程度の簡単な日帰り手術で済みます。
条件が合えば、5mm程度の小さな穴から袋を取り出す「くり抜き法」など、傷跡を最小限に抑える術式も選択可能です。
専門医の手で袋を完全に取り除けば、再発の心配はほとんどなくなります。
6. まとめ:気になるしこりは専門医へ
粉瘤は自分で潰しても「百害あって一利なし」です。良性だからと放置せず、小さいうちに適切に処置することが、最も美しく、確実に治す近道です。
自己判断で悪化させてしまう前に、皮膚科や形成外科の専門医に相談しましょう。
千里中央花ふさ皮ふ科、江坂駅前花ふさ皮ふ科、みのお花ふさ皮ふ科では、形成外科専門医による日帰り手術を行っています。粉瘤が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
動画でも詳しく解説しています。
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