疥癬(かいせん)とは、ヒゼンダニ(疥癬虫)という微小なダニが皮膚の角質層に寄生して引き起こす感染症で、強いかゆみ(特に夜間)と皮膚の発疹が主な症状です。その治療に用いられる内服薬がストロメクトール(一般名:イベルメクチン)です。

本記事では、ストロメクトールが疥癬にどのように作用するのか、飲み方の一般的な流れ・投与間隔・副作用・注意点を、皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ花房崇明理事長(医学博士)の監修のもとで解説します。疥癬は自己判断が難しい感染症ですので、気になる症状がある方はお早めに皮膚科を受診してください。

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

目次

1. 疥癬(かいせん)とは?

疥癬(かいせん)とは、ヒゼンダニ(疥癬虫)という肉眼ではほぼ見えない微小なダニが皮膚の角質層に寄生して起こる感染症です。主な症状は強烈なかゆみ(特に夜間に増強する)と、手首・指の間・わきの下・陰部・お腹などに現れる小さな赤いブツブツです。

疥癬には大きく2種類あります。

種類特徴感染力
通常疥癬寄生するダニの数が比較的少ない。一般的な疥癬比較的低い
角化型疥癬(ノルウェー疥癬)免疫が低下した方・高齢者などで発症しやすく、厚いあかのような角質に非常に多数のダニが寄生する極めて強い

疥癬は湿疹・じんましん・アトピー性皮膚炎・虫さされなどと見た目が非常に似ているため、自己判断は困難です。皮膚科での正確な診断が治療の第一歩となります。

2. 疥癬の症状・原因・うつり方

主な症状と特徴的な「疥癬トンネル」

疥癬の特徴的な皮膚所見として、疥癬トンネル(疥癬虫が角質層をトンネル状に掘り進んだ跡である線状の皮疹)があります。手首の内側や指の間に見られることが多く、この所見が診断の重要な手がかりになります。

  • 強いかゆみ(夜間に特に強くなる傾向がある)
  • 手首・指の間・わきの下・陰部・お腹などへの赤いブツブツ
  • 線状の皮疹(疥癬トンネル)
  • 顔・頭部・手のひら・足の裏は通常疥癬では比較的侵されにくい

うつり方(感染経路)

疥癬は主に肌と肌の長時間の直接接触によって感染します。寝具・衣類・タオルの共用でもうつることがあります(特に角化型疥癬は感染力が強いため注意が必要です)。一方、通常疥癬の場合、短時間ふれただけですぐに感染するわけではありません。ただし、家族間・介護施設・病院などでは集団感染が起こることがあるため、感染が疑われる場合は早めに皮膚科を受診し、冷静に対応することが大切です。

疥癬は適切な治療と感染対策を行うことで、治癒が期待できる感染症です。過度に不安にならず、まず皮膚科で正確な診断を受けることが重要です。

3. 疥癬の診断方法

疥癬は見た目だけでの診断が難しいため、専門的な検査による確定診断が必要です。当院(千里中央花ふさ皮ふ科)では以下の方法で診断を行っています。

  • ダーモスコピー検査:専用の拡大鏡(ダーモスコープ)で皮膚を拡大観察し、疥癬トンネルや疥癬虫の存在を確認します。
  • 顕微鏡検査(鏡検):皮膚表面を少量採取し、顕微鏡で疥癬虫本体・卵・糞などを直接確認します。

湿疹・アトピー・じんましんなどと症状が似ているため、自己判断での市販薬使用は治療の遅れにつながる可能性があります。かゆみや発疹が続く場合は、皮膚科専門医による診察を受けてください。

4. ストロメクトール(イベルメクチン)とは?疥癬への作用

ストロメクトールは、イベルメクチンを有効成分とする内服薬で、日本では疥癬の治療薬として承認されています(保険診療適用)。

疥癬虫への作用メカニズム

イベルメクチンは、疥癬虫(ヒゼンダニ)の神経・筋肉に作用し、麻痺を引き起こすことで駆除する効果があるとされています。内服することで血流を通じて全身の皮膚に薬の成分が届くため、外用薬が塗りにくい部位にも効果が期待できるという特徴があります。

ストロメクトールは医師の処方が必要な医療用医薬品です。疥癬の治療は必ず皮膚科を受診し、医師の診断・処方のもとで使用してください。インターネット通販・個人輸入による入手・自己判断での使用は、適切な診断がなされないまま使用するリスクがあり、大変危険ですので行わないでください。

5. ストロメクトールの飲み方・投与間隔

ストロメクトールの用法・用量は必ず担当医の指示に従ってください。以下は一般的な使用方法の流れです。

飲み方の一般的な流れ

項目内容
服用タイミング空腹時(食事の前後2時間を避けて)に水で内服
用量体重に応じて医師が決定(具体的な量は診察で確認)
投与回数・間隔通常、初回内服から1〜2週間後に再内服(計2回が基本。症状・経過により医師が判断)
角化型疥癬の場合通常疥癬より多い回数が必要になることがある(医師の判断による)

服用時の注意点

  • 空腹時の服用が吸収に影響するため、食事のタイミングに注意する
  • 自己判断で服用を中断したり、回数を減らしたりしない
  • 他の薬との飲み合わせについて、事前に医師・薬剤師に相談する
  • 妊娠中・授乳中の方は必ず事前に医師に伝える
  • 治療後もかゆみがしばらく続くことがあるが、それだけで治療が失敗したとは判断できないため、自己判断で追加服用しない

【やってはいけないNG行動】

  • 医師の処方なしにストロメクトールを入手・使用する
  • インターネット通販・個人輸入でイベルメクチンを購入する
  • 「かゆみが続く」からといって自己判断で追加服用する
  • 家族の分を自分の残り薬で流用する(必ず各自が受診する)
  • 服用後にかゆみが残るからといって途中で治療を中断する

6. ストロメクトールの副作用と注意点

ストロメクトールは適切に使用することで多くの方が治療を受けていますが、すべての薬と同様に副作用が起こる可能性があります。主な副作用として以下が報告されています。

主な副作用(個人差があります)

  • 消化器症状:吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・食欲不振など
  • 神経系症状:めまい・頭痛・ふらつきなど
  • 皮膚症状:発疹・かゆみの一時的な悪化(治療反応として起こることがある)
  • 肝機能への影響:まれに肝機能検査値の変動が見られることがある

副作用の程度・頻度には個人差があります。服用後に気になる症状が現れた場合は、自己判断せず処方を受けた医療機関に速やかに連絡してください。

治療後もかゆみが数週間続くことがあります。これは疥癬虫が死滅した後も、虫体・卵・糞などに対するアレルギー反応としてかゆみが残るためです。「まだかゆいから治っていない」と焦らず、経過を担当医に相談しながら治療を続けることが大切です。

7. 外用薬・感染対策との併用

疥癬の治療はストロメクトール(内服)だけでなく、外用薬との組み合わせや、生活環境の感染対策が重要です。

外用薬

  • フェノトリンローション(スミスリンローション):首から下の全身に塗布し、一定時間後に洗い流す。1週間間隔で複数回行う。
  • クロタミトン(オイラックス):かゆみを和らげる目的で使用されることがある。

生活環境の感染対策(治療と並行して行う)

  • 寝具・衣類・タオルなどを高温洗濯・乾燥機処理する
  • 同居家族・密接な接触者も症状の有無にかかわらず皮膚科を受診し、必要に応じて治療を受ける
  • 介護施設・病院などで感染が疑われる場合は、施設の担当者・医療スタッフと連携して対応する

感染対策を徹底しないと、再感染・家族内での感染の繰り返しが起こることがあります。治療と並行して環境対策を行うことが、治癒への重要なステップです。

8. 花ふさ皮ふ科グループでの疥癬診療

花ふさ皮ふ科グループでは、保険診療にて疥癬の診断・治療に対応しています。千里中央・豊中・吹田エリアをはじめ、江坂・箕面エリアの方にもご利用いただいています。

  • 診断:ダーモスコピー・顕微鏡検査(鏡検)による確定診断
  • 内服治療:イベルメクチン(ストロメクトール)の処方・服薬指導
  • 外用治療:フェノトリンローション(スミスリンローション)・クロタミトン(オイラックス)など
  • 感染対策のご相談:ご家族・施設での対応についても丁寧にご案内
院名所在地・アクセス
千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科大阪府豊中市上新田2丁目(千里中央駅から徒歩約5分・駐車場9台完備)
江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科吹田市江の木町(江坂駅から徒歩約1分)
みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科大阪府箕面市西宿(箕面萱野駅直結)

千里中央・豊中・吹田エリアで疥癬が疑われる症状(強いかゆみ・指の間の発疹など)がある方は、お気軽にご相談ください。皮膚科専門医・アレルギー専門医のダブル資格を持つ医師が診察いたします。

当院の医師による解説動画もご覧ください

▶ YouTubeで動画を見る

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疥癬の診療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田)
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田)
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田)

いずれも理事長・皮膚科専門医/アレルギー専門医・難病指定医の監修のもと、ダーモスコピーや顕微鏡検査で疥癬虫・卵を確認して正しく診断し、内服薬(イベルメクチン)や外用薬(フェノトリン=スミスリンローション、クロタミトン)による保険診療に対応します。ご家族・施設での感染対策もご相談いただけます。

強いかゆみ・うつる発疹、疥癬が心配なときは花ふさ皮ふ科グループへ

疥癬は早期の診断と治療、そして周囲への感染対策が大切です。ダーモスコピーや顕微鏡検査で正しく診断し、保険診療で治療します。自己判断せず、皮膚科専門医にご相談ください。通いやすい院の保険予約からどうぞ。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

千里中央・豊中・吹田 保険外来をWEB予約 皮膚科の診療案内

江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

江坂駅 徒歩1分・吹田 保険外来をWEB予約 皮膚科のご案内

みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

箕面萱野駅 直結・箕面・茨木・池田 保険外来をWEB予約 疥癬の詳細

まとめ|ストロメクトール(イベルメクチン)と疥癬治療について

疥癬は皮膚科での正確な診断と適切な治療により、治癒が期待できる感染症です。ストロメクトール(イベルメクチン)は疥癬治療に用いられる内服薬ですが、必ず医師の診断・処方のもとで使用することが原則です。

  • 疥癬とは:ヒゼンダニが角質層に寄生する感染症。強いかゆみと特徴的な皮疹が現れる
  • 診断:ダーモスコピー・顕微鏡検査による確定診断が重要。自己判断は難しい
  • ストロメクトールの飲み方:空腹時に内服、体重に応じた量を医師が決定、通常1〜2週間後に再内服
  • 副作用:消化器症状・めまいなどが起こることがある。個人差があり、気になる症状は医師に相談
  • 注意点:通販・個人輸入での入手は行わず、必ず医療機関を受診する。外用薬・感染対策との併用が重要
  • 治療後のかゆみ:治療後もしばらくかゆみが続くことがあるが、自己判断で追加服用せず担当医に相談

最終的な診断・治療方針は医師の診察によって判断されます。症状が気になる方は、お早めに皮膚科専門医にご相談ください。

強いかゆみ・うつる発疹、疥癬が心配なときは花ふさ皮ふ科グループへ

疥癬は早期の診断と治療、そして周囲への感染対策が大切です。ダーモスコピーや顕微鏡検査で正しく診断し、保険診療で治療します。自己判断せず、皮膚科専門医にご相談ください。通いやすい院の保険予約からどうぞ。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

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FAQ(よくある質問)

Q1:ストロメクトール(イベルメクチン)は疥癬に保険で処方してもらえますか?

A.
はい、疥癬の治療を目的としたイベルメクチン(ストロメクトール)の処方は、公的医療保険の適用対象です。ただし、保険診療を受けるには皮膚科を受診し、医師が疥癬と診断した上で処方を受ける必要があります。まず皮膚科を受診してください。

Q2:ストロメクトールを飲んでもかゆみが続いています。治っていないのでしょうか?

A.
疥癬の治療後も、数週間にわたってかゆみが続くことがあります。これは疥癬虫が死滅した後も、虫体・卵・糞などに対するアレルギー反応としてかゆみが残るためです。かゆみが続いているからといって治療が失敗しているとは限りません。自己判断で追加服用せず、必ず担当医に現在の状態を相談してください。

Q3:ストロメクトールの投与間隔はなぜ1〜2週間空けるのですか?

A.
イベルメクチンは疥癬虫(成虫・幼虫)には効果が期待できますが、卵には直接作用しにくいとされています。そのため、最初の服用で生き残った卵が孵化するタイミングを見計らって、1〜2週間後に再度内服することで、より高い治療効果が期待できます。投与間隔・回数は症状や経過によって医師が判断しますので、必ず指示に従ってください。

Q4:家族も同時に治療を受ける必要がありますか?

A.
疥癬は同居家族や密接な接触者に感染している可能性があります。症状がない場合でも、感染している可能性があるため、同居家族・密接な接触者も皮膚科を受診し、必要に応じて治療を受けることが推奨されます。一人だけ治療しても、家族内で感染が繰り返されるリスクがあります。当院では感染対策のご相談も承っています。

Q5:ストロメクトールはインターネットや通販で購入できますか?

A.
ストロメクトール(イベルメクチン)は医師の処方が必要な医療用医薬品です。インターネット通販・個人輸入などによる入手は、正確な診断なしに使用するリスクがあり、品質・安全性が保証されないため、大変危険です。疥癬が疑われる場合は、必ず皮膚科を受診し、医師の診断・処方のもとで治療を受けてください。

Q6:角化型疥癬(ノルウェー疥癬)と通常疥癬で治療は異なりますか?

A.
角化型疥癬(ノルウェー疥癬)は、通常疥癬に比べて非常に多数の疥癬虫が寄生しており感染力が極めて強いため、より慎重かつ集中的な治療・感染対策が必要です。内服薬(イベルメクチン)の投与回数が増えることや、外用薬との積極的な併用が必要になることがあります。治療方針は必ず医師が判断しますので、疑わしい症状がある場合は速やかに受診してください。