炎症性粉瘤(感染した粉瘤・感染性アテローマ)とは
粉瘤(アテローム)は、皮膚の下にできた袋(嚢腫)の中に垢(ケラチン)がたまる良性のできものです。この袋が破れて中身が皮膚の中に漏れ出すと、体が異物として反応して強い炎症が起こります。これが炎症性粉瘤で、細菌感染を伴うこともあるため「感染性粉瘤」「感染性アテローマ」とも呼ばれます。
それまで痛みのなかったしこりが、数日のうちに赤く腫れ、熱をもって強く痛むのが特徴です。放置すると皮膚が破れて膿が出たり、炎症が周囲に広がったりすることがあります。
こんな症状があれば早めに受診してください
- しこりが急に赤く腫れて、押すと痛い・ズキズキする
- 腫れた部分が熱をもっている、膿やにおいのある液が出てきた
- おしり・背中・首・顔など、以前からあったできものが急に大きくなった
- 市販の塗り薬や「たこの吸出し」で様子を見ているが良くならない
自分で押し出したり針で刺したりしないでください。袋が皮膚の中で破れて炎症が広がり、治りが遅くなったり傷あとが大きくなったりします。
治療法(炎症があるとき)
炎症が軽い場合は、抗菌薬(抗生物質)の内服で炎症を抑えます。腫れが強く膿がたまっている場合は、局所麻酔をして皮膚を小さく切開し、中の垢と膿を出す切開排膿術を行います。切開排膿は保険診療で、当日に行えます。
切開排膿は炎症を鎮めるための処置で、根治治療ではありません。袋が残っているため、炎症が落ち着いた1〜2か月後に、袋ごと取り除く摘出手術をおすすめします。抗菌薬だけでは炎症が治まらないこともあり、その場合は切開が必要になります。
再発を防ぐには(炎症が落ち着いたあと)
炎症のないときに、袋ごと切除することが望ましいです。
皮膚を切開して袋を取り出し縫い合わせる「切除法」と、小さな穴から袋を取り出す「くり抜き法」があり、大きさや部位に応じて形成外科専門医が選択します。いずれも日帰り手術で、保険が適用されます。縫合した場合は約1週間後に抜糸します。摘出した組織は病理検査を行います。
手術の流れと費用の目安(3割負担)は粉瘤手術のページをご覧ください。
切開排膿のあと、ご自宅での処置
ア)処方された抗菌薬を指示どおり内服してください。
イ)創部は1日1回、シャワーでよく洗い、軟膏をつけてガーゼで保護してください。
ウ)傷が落ち着くまで入浴(湯船に浸かること)は避けてください。
エ)翌日と約1週間後に受診してください。
オ)さらに腫れてきた、膿が増えた、発熱したときは、予約日を待たずに早めに受診してください。
カ)袋は残っているため、創部が落ち着いたら(1〜2か月以降)袋を取る手術をご相談ください。
よくあるご質問
Q. 抗生物質だけで治りますか?
炎症は抗菌薬で落ち着くことがありますが、袋が残っている限り再び炎症を起こす可能性があります。根本的には袋を摘出する手術が必要です。
Q. 何科を受診すればよいですか?
皮膚科または形成外科です。当院は皮膚科専門医と形成外科専門医が診察し、切開排膿から摘出手術まで同じクリニックで行えます。
Q. 治療は保険が使えますか?
診察・抗菌薬・切開排膿・摘出手術・病理検査はいずれも保険診療です。












