脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは、皮脂の分泌が多い部位に赤み・かゆみ・フケ(鱗屑:りんせつ)・かさぶたが生じる、慢性的に繰り返しやすい湿疹です。「家族にうつるのでは」「なぜ何度も繰り返すのか」と不安を感じている方も多いかと思います。結論から申し上げると、脂漏性皮膚炎は人から人へうつる病気ではありません。ただし、原因となる真菌(マラセチア)は誰の肌にも存在する常在菌であるため、体質や生活習慣によって症状が繰り返しやすい点が特徴です。本記事では、千里中央・豊中・吹田エリアの千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科が、うつる・うつらないの正しい知識から、再発を抑えるための治療・スキンケア、赤ちゃんの乳児脂漏性湿疹まで、皮膚科専門医・アレルギー専門医の視点でわかりやすく解説します。

監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

目次

脂漏性皮膚炎とは?症状・好発部位

脂漏性皮膚炎は、皮脂腺(ひしせん)が多く分布する部位に生じる慢性の湿疹です。頭皮・髪の生え際・眉間・眉毛・鼻の周囲(小鼻の脇)・耳の中や後ろ・胸・背中など、皮脂の多い箇所に症状が出やすいのが特徴です。

主な症状は以下のとおりです。

  • 頭皮・顔のフケ(白〜黄色みがかった鱗屑)
  • 皮膚の赤み(紅斑:こうはん)
  • かゆみ(掻痒感:そうようかん)
  • 皮むけ・かさぶた

成人では30〜70歳の男性に多い傾向がありますが、女性にもみられます。また、生後数か月の赤ちゃんにも同様の症状(乳児脂漏性湿疹)が現れることがあります。

脂漏性皮膚炎は人にうつる?マラセチアと常在菌の話

結論:脂漏性皮膚炎は人にうつりません

「フケやかゆみが出ているから、家族や職場の人にうつしてしまうのでは」と心配される方がいますが、脂漏性皮膚炎は接触によって他の人にうつる病気ではありません

その理由は、脂漏性皮膚炎の主な原因とされる真菌(カビの一種)「マラセチア(Malassezia)」が、健康な人の肌にも普通に存在する皮膚の常在菌だからです。マラセチア自体が「外から感染する病原体」ではなく、もともと誰の皮膚にも存在しています。

マラセチアが炎症を引き起こすメカニズム
マラセチアは皮脂(皮膚の脂)を栄養源として増殖し、皮脂を分解する過程で刺激性の脂肪酸を産生します。この脂肪酸が皮膚に炎症を起こすと考えられています。つまり、「菌が外からうつる」のではなく、「もともといる菌が皮脂の多い環境で過剰に働く」ことで症状が出るのです。

ただし、「うつらない=放置してよい」ということではありません。適切な治療とスキンケアを続けることが、症状をコントロールするうえで大切です。

なぜ繰り返すのか?原因と悪化因子

慢性・再発しやすい疾患である理由

脂漏性皮膚炎が「治らない」「すぐ再発する」と感じる方が多いのは、この疾患が本質的に慢性的な経過をたどりやすいためです。皮脂の分泌量・体質・加齢変化など、コントロールしにくい要因が根底にあることが影響しています。

主な悪化因子

カテゴリ具体的な悪化因子
スキンケア不足入浴・洗顔での皮脂の洗い残し
生活習慣睡眠不足・ストレス・不規則な生活リズム
食事脂っこい食事・甘いものの過剰摂取・アルコール・ビタミンB群不足
スキンケアの刺激刺激の強い洗顔料・化粧品の使用
季節・環境高温多湿(皮脂・マラセチアが増えやすい)・乾燥(バリア機能低下)

【食事について注意】

  • 脂っこい食事・甘いもの・アルコールは症状悪化の誘因になりうるとされていますが、特定の食品を「食べてはいけない」と断定できるわけではありません
  • 極端な食事制限は栄養バランスを崩す恐れがあります。バランスのよい食事を基本とし、ビタミンB2・B6を意識して摂ることが大切です
  • 自己判断での極端な制限食は行わないようにしましょう

再発を完全に防ぐことは難しい場合もありますが、悪化因子を減らし・適切な治療を継続することで、症状が出ない状態(コントロールされた状態)を目指すことができます

乳児脂漏性湿疹について(赤ちゃんのフケ・かさぶた)

赤ちゃんの頭や顔のかさぶた・フケは乳児脂漏性湿疹かもしれません

生後2〜3か月ごろの赤ちゃんに、頭皮や眉毛・まぶた・鼻の周囲に黄色みがかったかさぶたやフケが現れることがあります。これを乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)といいます。

乳児脂漏性湿疹は、多くの場合、生後数か月〜1歳ごろまでに自然に軽快していくことが多い疾患です。これは、出生直後の赤ちゃんの皮膚には母体からのホルモンの影響で皮脂分泌が一時的に活発になるためと考えられています。

乳児脂漏性湿疹の基本ケア
・ベビー用の低刺激シャンプーや石けんを使い、頭皮・顔をやさしく丁寧に洗う
・かさぶたを無理にはがさない(傷や感染の原因になります)
・症状が広範囲・ひどいかゆみ・ジュクジュクしている場合は、自己判断せず小児科・皮膚科を受診する
・アトピー性皮膚炎など他の疾患との鑑別が必要な場合があるため、気になる症状は専門医に相談を

「うちの子にうつったのでは」と心配される保護者の方もいらっしゃいますが、乳児脂漏性湿疹も人にうつる病気ではありません。ただし、症状が長引く・悪化する場合は皮膚科への受診をご検討ください。

治療法(保険診療)

脂漏性皮膚炎の治療の中心は抗真菌薬の外用です

脂漏性皮膚炎の治療は、原因となるマラセチアの働きを抑える抗真菌薬の外用(塗り薬)が中心となります。以下に主な治療法をまとめます。

治療法目的・特徴備考
抗真菌薬の外用
(ケトコナゾールクリームなど)
マラセチアの増殖を抑え、炎症の原因を取り除く治療の中心。保険診療で処方可能
ステロイド外用薬赤み・かゆみが強いときに炎症を速やかに抑える医師の指示のもと短期間使用。自己判断での長期連用は避ける
抗アレルギー薬の内服かゆみが強いときに補助的に使用症状に応じて医師が判断
ビタミンB2・B6製剤の内服皮脂の代謝をサポートする目的補助的な位置づけ

ステロイドについて正しく理解しましょう
ステロイド外用薬は「怖い薬」と思われがちですが、医師の指示のもとで必要なときに適切な強さ・期間で使用すれば、炎症を抑える有用な薬です。自己判断での長期連用や急な中断はかえって症状を悪化させる可能性があるため、必ず医師の指示に従ってください。効果・副作用には個人差があります。

市販の抗真菌シャンプー・薬について

ドラッグストアでは、ケトコナゾール・ミコナゾール・ピロクトンオラミンなどの抗真菌成分を配合したシャンプーや外用薬が市販されており、頭皮の脂漏性皮膚炎に一定の効果が期待できる場合があります。

なお、医療機関で処方されるケトコナゾール(医療用)は医療用医薬品であり、市販では購入できません。市販品と医療用では成分濃度・剤形・使用方法が異なります。市販品で改善が見られない場合や、顔・体への症状がある場合は、自己判断を続けずに皮膚科を受診されることをお勧めします。

再発を抑えるセルフケア・生活習慣

脂漏性皮膚炎はくり返しやすい疾患ですが、日常的なセルフケアと生活習慣の見直しが再発抑制につながります。

  • 正しい洗い方を習慣に:頭皮・顔の皮脂をしっかり落とすことが大切です。ただし、強くこすりすぎると皮膚バリアを傷めます。やさしく丁寧に洗いましょう
  • 保湿ケアを忘れずに:洗浄後は適切な保湿を行い、皮膚バリア機能を整えます
  • 刺激の強いスキンケアを避ける:アルコール濃度の高い化粧水や強い洗浄力の製品は症状を悪化させる場合があります
  • 睡眠・ストレス管理:睡眠不足やストレスは皮脂分泌を増やし、症状悪化の誘因になりえます
  • 食事のバランスを整える:ビタミンB2・B6を含む食品(納豆・卵・緑黄色野菜など)を意識したバランスのよい食事を心がけましょう
  • 治療を自己中断しない:症状が落ち着いても医師の指示なく治療を急にやめると再発しやすくなります

こんな症状はすぐ受診を

以下のような状態がある場合は、早めに皮膚科・アレルギー科を受診されることをお勧めします。

  • 市販薬・市販シャンプーを2〜4週間使用しても改善しない
  • 顔・体に広範囲の赤み・皮むけがある
  • かゆみが強く、掻き壊しがある・夜間も眠れない
  • ジュクジュクした滲出液(しんしゅつえき)が出ている
  • 乳児で症状が長引く・悪化している
  • アトピー性皮膚炎・乾癬(かんせん)など他の疾患との区別がつかない

脂漏性皮膚炎は自己診断が難しく、アトピー性皮膚炎・乾癬・接触性皮膚炎などとの鑑別が必要な場合があります。最終的な診断と治療方針は、必ず医師の診察を受けたうえで決定してください。

花ふさ皮ふ科グループでの診療について

花ふさ皮ふ科グループでは、千里中央・豊中・吹田エリアの千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科をはじめ、江坂・箕面の3院いずれでも、脂漏性皮膚炎に対して抗真菌薬外用を中心とした保険診療に対応しています。

監修医の花房 崇明 理事長(医学博士・日本皮膚科学会皮膚科専門医・日本アレルギー学会アレルギー専門医)のもと、症状の程度・部位・生活背景に応じた治療方針をご提案します。「市販薬では改善しない」「顔と頭皮の両方に症状がある」「繰り返しているのでしっかり診てほしい」という方は、お気軽にご相談ください。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科は千里中央駅から徒歩約5分、駐車場も完備しており、豊中・吹田エリアからもアクセスしやすい立地です。予約システムを導入しているため、待ち時間の短縮にもつながります。

脂漏性皮膚炎の診療は、花ふさ皮ふ科グループ3院で受けられます

  • 千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(千里中央・豊中・吹田)
  • 江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(江坂駅から徒歩約1分・吹田)
  • みのお花ふさ皮ふ科・美容皮膚科(箕面萱野駅直結・箕面・茨木・池田)

いずれも理事長・皮膚科専門医/アレルギー専門医の監修のもと、抗真菌薬の外用を中心とした保険診療に対応。頭皮・顔のくり返す症状もご相談ください。通いやすい院をお選びいただけます。

くり返す赤み・かゆみ・フケは花ふさ皮ふ科グループへ

脂漏性皮膚炎は、原因に合った治療とスキンケアでコントロールしやすくなります。市販薬で良くならない・くり返すときは、自己判断せず皮膚科専門医にご相談ください。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。

千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

千里中央・豊中・吹田 WEB予約 脂漏性皮膚炎の詳細

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まとめ

まとめ|皮膚科専門医にご相談を

脂漏性皮膚炎は人にうつる病気ではありませんが、慢性的に繰り返しやすい疾患です。正しい知識と継続的なケアで、症状をコントロールすることを目指しましょう。

  • うつらない:原因菌マラセチアは誰の肌にもいる常在菌。接触で他の人にうつることはありません
  • 繰り返しやすい:皮脂・体質・生活習慣が関係するため、根気強い治療とスキンケアが必要です
  • 治療の中心は抗真菌薬:医療機関では抗真菌薬外用を中心に、ステロイド・内服薬を組み合わせた保険診療を行います
  • 乳児脂漏性湿疹:赤ちゃんに多く、多くは自然に軽快しますが、悪化・長引く場合は皮膚科へ
  • 市販薬で改善しない場合:自己判断を続けず、皮膚科・アレルギー科の専門医に相談を

最終的な診断・治療方針は医師の診察によって決まります。千里中央・豊中・吹田・江坂・箕面エリアでお悩みの方は、花ふさ皮ふ科グループへお気軽にご相談ください。

くり返す赤み・かゆみ・フケは花ふさ皮ふ科グループへ

脂漏性皮膚炎は、原因に合った治療とスキンケアでコントロールしやすくなります。市販薬で良くならない・くり返すときは、自己判断せず皮膚科専門医にご相談ください。通いやすい院の保険診療WEB予約からどうぞ。

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FAQ(よくある質問)

Q1:脂漏性皮膚炎は家族にうつりますか?

A.
脂漏性皮膚炎は人から人へうつる病気ではありません。原因とされるマラセチアは、健康な方の皮膚にも普通に存在する常在菌です。タオルや枕の共有などで感染が広がるものではないため、過度に心配する必要はありませんが、症状が気になる場合は皮膚科を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。

Q2:脂漏性皮膚炎はなぜ繰り返すのですか?

A.
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌量・体質・加齢変化など根本的にコントロールしにくい要因が関係しているため、慢性的に繰り返しやすい疾患です。ストレス・睡眠不足・食生活の乱れ・スキンケア不足なども悪化の誘因になりえます。症状が落ち着いた後も継続的なスキンケアと、必要に応じた治療の維持が再発抑制につながります。

Q3:市販のフケ用シャンプーで治りますか?

A.
ケトコナゾール・ミコナゾール・ピロクトンオラミンなどの抗真菌成分を配合した市販シャンプーは、頭皮の脂漏性皮膚炎に一定の効果が期待できる場合があります。ただし、医療機関で処方されるケトコナゾール(医療用医薬品)とは異なり、顔や体の症状・重い症状には対応が難しいこともあります。2〜4週間使用して改善がない場合や、顔・体にも症状がある場合は皮膚科への受診をお勧めします。

Q4:赤ちゃんの頭皮にかさぶたやフケが出ています。乳児脂漏性湿疹ですか?

A.
生後2〜3か月ごろの赤ちゃんに頭皮・眉毛・鼻の周囲などに黄色みがかったかさぶた・フケが現れる場合、乳児脂漏性湿疹の可能性があります。多くは生後数か月〜1歳ごろまでに自然に軽快することが多い疾患です。基本的なケアとして、ベビー用低刺激シャンプーでやさしく洗うことが大切です。ただし、症状が広範囲・悪化・長引く場合や、アトピー性皮膚炎との鑑別が必要な場合もあるため、心配な場合は小児科または皮膚科を受診してください。

Q5:ステロイドの塗り薬は使い続けても大丈夫ですか?

A.
ステロイド外用薬は、医師の指示のもとで必要なときに適切な強さ・期間で使用すれば、赤みやかゆみを抑える有用な薬です。脂漏性皮膚炎では赤み・かゆみが強い時期に短期間使用し、症状が落ち着いたら抗真菌薬に切り替えるのが一般的です。自己判断での長期連用は皮膚が薄くなるなどの副作用が生じる可能性があり、急な中断も症状の揺り戻しにつながることがあります。必ず医師の指示に従って使用してください。効果・副作用には個人差があります。

Q6:脂漏性皮膚炎は保険診療で治療できますか?

A.
脂漏性皮膚炎の治療(抗真菌薬外用・ステロイド外用・抗アレルギー薬内服・ビタミンB製剤内服など)は、原則として保険診療の対象です。花ふさ皮ふ科グループ(千里中央・江坂・箕面の3院)でも保険診療で対応しています。初診の際は保険証をご持参ください。なお、美容目的の自由診療メニューは公的医療保険適用外となります。