アトピー性皮膚炎とは
生後2~3か月頃から顔に始まり、徐々に肘・ひざの内側、体に治りにくいかゆい湿疹ができて、慢性に続きます。
アトピー性皮膚炎は、原因は解明されていませんが、遺伝的な体質(バリア機能の低下、アレルギー体質)と、環境要因(乾燥、引っ掻くなど)の2つが合わさることで発症します。
アトピー性皮膚炎の診断基準
1)痒み
2)特徴的な左右対称性の湿疹病変(乳児なら顔、小児なら関節、成人なら上半身)
3)繰り返す経過(乳児なら2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上)
治療法
アトピー性皮膚炎はかゆみや湿疹をまず抑える事が重要です。ステロイド外用と保湿剤が基本となります。補助的にかゆみ止め(抗アレルギー剤)を飲みます。処方された薬をしっかり塗り、ただしスキンケアを心掛け、定期的に通院しましょう。
また最近、プロアクティブ療法という治療法が注目されています。
免疫抑制剤の塗り薬(タクロリムス軟膏)や飲み薬(シクロスポリン)を使って治療することもあります。
※当院では、ステロイドを全く使わない治療、いわゆる脱ステロイド療法は行っておりません。
注意点
スキンケア
お風呂の温度はぬるめにし、石けんは控えめにし、体は低刺激の石けんをしっかり泡立てて、手でやさしく洗いましょう。肌の乾燥はアトピー性皮膚炎を悪化させます。塗り薬は毎日2回塗りましょう。爪を切り清潔にして、引っ掻かないようにしましょう。髪は束ねるなどして顔に触れないようにしましょう。汗をかいたら放置せず、濡れたやわらかいタオルで拭くかシャワーで洗い流しましょう。
環境
こまめな部屋の換気と掃除機がけをこころがけ、ダニやホコリに注意しましょう。湿度は50~60%が理想です。
ストレス
睡眠不足や過度な飲酒などのストレスはアトピー性皮膚炎に影響を与えます。自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。上記の3つの注意点のうち、まずはできることから始めましょう。