ジベルバラ色粃糠疹とは
ジベルバラ色粃糠疹とはあまり聞き慣れない病名ですが、特徴的な症状をきたすため、皮膚科専門医にとっては比較的診断が簡単な疾患です。とくに10~30歳くらいの青年期に多くみられ、季節は春と秋に多く発症します。
この疾患は炎症性角化症に分類されます。炎症性という名前の通り、皮膚に炎症(皮膚のかゆみや赤み)を伴う疾患です。角化症とは皮膚が分厚くなってしまう疾患のことで、分厚くなった皮膚が剥がれおちることで鱗屑(りんせつ、 垢やフケのようなもの)が出てきます。同じく炎症性角化症に分類される病気としては乾癬(かんせん)という病気があります。
ジベルバラ色粃糠疹では体に2〜5cmほどの大型の赤い皮疹(紅斑)がまず出現します。この大型の紅斑は鱗屑を伴っており、ヘラルドパッチと呼びます。
ヘラルドパッチが見られてから1~2週間後、体に1〜2cmほどの紅斑が多数出現してきます。この後々出てくる紅斑は、最初にみられるヘラルドパッチよりも小さく、また紅斑の見られる部位も特徴的で、背中によくみられ線状の配列から「クリスマスツリー様配列」と呼ばれます。腕や足・顔にはこの皮疹は出現しません。
紅斑の自覚症状はあまりありませんが、軽いかゆみを伴うことがあります。皮膚症状は強くでますが、発熱や怠さなどの全身症状はありません。
ジベルバラ色粃糠疹の原因
ジベルバラ色粃糠疹の原因ははっきりとはわかっていませんが、ウイルス感染とくにHHV-6やHHV-7というウイルスが関係すると考えられています。HHV-6やHHV-7はヘルペスウイルスの一種であり、突発性発疹の原因となるウイルスです。
ただしウイルスそのものによる症状というより、体がウイルスに反応して皮疹をきたして生じる疾患です。このため、他の人へ感染させてしまう、移してしまうという心配はありません。
ジベルバラ色粃糠疹の治療
ジベルバラ色粃糠疹は皮膚の症状が派手なので、心配される方も多いのですが基本的には自然に治っていき色素沈着などの痕も残らない疾患です。多くの方は1~2ヶ月程度で自然治癒し、その後再発することも滅多にありません。
皮疹が痒みを伴うことがあるため、この際はステロイドの外用薬や抗ヒスタミン薬・抗アレルギー剤の内服薬が用いられます。いずれもジベルバラ色粃糠疹は基本的に自然に治るため、対症的な治療になります。
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