酒さ
酒さは中年以降の女性に多い、顔面の毛包・皮脂・血管に生じる、原因不明の慢性の炎症性疾患です。長期間、ステロイド外用をすることで生じる酒さ様皮膚炎、ステロイド酒さもあります。どちらも確立された治療は無く、治療が難しい病気の一つです。
日本では、諸外国と比較して保険診療で治療できる範囲が遅れているのが現状です。当院ではご希望に応じてVビームによるレーザー治療や海外医薬品による治療(自由診療)も行っております。
治療方法(保険診療)
確立された治療はまだないので、誘因、増悪因子と考えられている、日光暴露、寒冷・温熱刺激、香辛料などの刺激物の摂取、飲酒などをできるだけ避けましょう。また日焼け止め、保湿などのスキンケアも重要です。酒さ様皮膚炎では、ステロイド外用を徐々に減らしていきます。
(1)ロゼックスゲル
ロゼックスゲルは抗生剤で、以前から酒さの治療に使われてきました。酒さの原因の一つにデモデックスと呼ばれるニキビダニが過剰に増殖し炎症を引き起こすことが原因と言われています。そのニキビダニを減らして酒さを治療するのがロゼックスゲルです。炎症を抑えて、酒さの赤いブツブツ(紅色丘疹)を治療します。刺激感などは少なく、1日2回顔面に外用します。
(2)抗生物質の内服・外用
ロキシスロマイシン、塩酸ミノサイクリンなどのテトラサイクリン系の抗生物質を内服します。細菌の感染が原因ではありませんが、炎症を抑える効果、免疫を調整する作用を期待して投与します。ニキビにも有効なクリンダマイシンゲル、ナジフロキサシンクリーム(ローション)、オゼノキサシンローションなどの抗菌剤の塗り薬が効くことがあります。イオウカンフルローションを塗ることもあります。
(3)抗真菌剤の外用
脂漏性湿疹にも有効な、ケトコナゾールなどの抗真菌剤の塗り薬が効くことがあります。
(4)漢方薬
桂枝茯苓丸や加味逍遥散の内服が酒さに効果的なことがあります。
(5)タクロリムス軟膏・デルゴシチニブ軟膏・ジファミラスト軟膏
アトピー性皮膚炎の治療に使用されるタクロリムス軟膏や、デルゴシチニブ軟膏や、ジファミラスト軟膏が、酒さに効果的なことがあります。
治療方法(自費診療)
(1)イベルメクチンクリーム
ロゼックスゲルと同様、酒さのニキビダニを減らして酒さを治療するのがイベルメクチンクリームです。酒さの赤いブツブツ(紅色丘疹)に効果が高いと言われていて、一般的にロゼックスゲルよりも効果が出るのが早いと言われています。イベルメクチンクリームもロゼックスゲルと同様にあまり刺激感がありません。1日1回入浴後に外用します。
イベルメクチンクリーム:価格5,500円(診察料込)/30gチューブ
(2)Vビーム
酒さによる赤ら顔に対して、当院ではVビームプリマによるレーザー治療を行っています。
詳細はこちらから
Vビームによる治療に興味のある方はまずは自費診療からVビームカウンセリングをご予約ください。
症例のご紹介
●ロゼックスゲル+アゼライン酸+ミノマイシン内服
before
after