眼瞼黄色腫とは?

最も頻度の高い黄色腫で、50歳代以降の眼瞼内側(女性に多く、70%が上眼瞼に発症)に境界明瞭な扁平隆起した黄色小局面として生じます。左右対称性にできることが多く、特に大きくなると下眼瞼にまで広がることもあります。
かゆみなどの自覚症状はなく、約半数に脂質異常症(高コレステロール血症や高トリグリセリド血症など)を合併します。妊娠時に発症し、出産後に自然消退することもあります。眼瞼黄色腫の患者では心筋梗塞や虚血性心疾患の頻度が有意に高く、かつ寿命が平均より15年短いという報告もあります。
原因
脂質異常症の関与が知られています。
所謂悪玉コレステロール(LDL)が血管外に排出されたものが、真皮の浅い所に蓄積したものです。
治療方法
治療としては、塗り薬では取れず、物理的に切除することで治療します。
手術(保険適応)
メスを用いて病変を切除します。
大きな病変にも対応できますが、病変が大きい場合縫合した際にまぶたの皮膚がひきつれるリスクあります。また、切開縫合する都合上、線状の傷跡が残ります。
健康保険が適応されるため、自己負担額は少なくなります。
炭酸ガスレーザー
レーザーを用いて病変を蒸散させます。大きい病変には対応できませんが、まぶたの皮膚がひきつれるリスクはありません。
傷跡が残りにくいこともメリットです。健康保険は適応されません。
液体窒素療法(保険適応)
液体窒素で凍結し病変を壊死させることで、病変を徐々に縮小させる治療です。病変が小さくなるまでには時間がかかります。急いで治療されたい場合は、切除かレーザー治療を受けることをお勧め致します。
高脂血症薬内服治療
コレステロールが原因の場合は、コレステロールを抑える治療を行います。
病変が小さくなるまでには時間がかかります。急いで治療されたい場合は、切除かレーザー治療を受けることをお勧め致します。