ジアノティ症候群とは
ジアノティ症候群は1~3歳くらいの小児でよくみられる疾患です。ジアノティ-クロスティ症候群と呼ばれることもあります。
皮膚症状としては足の先端から赤く小さな盛り上がった皮疹(紅色丘疹と呼びます)がはじまり、数日かけてだんだん体の上の方に広がっていきます。左右対称性な点や、手足や顔(頬)には見られるものの体幹(腹部・胸部)には見られづらいという点が挙げられます。
皮膚以外の症状として、カゼのような症状(発熱・倦怠感や食欲不振)が皮膚症状に先行したり、リンパ節の腫れを伴うことがあります。
ジアノティ症候群の原因
ジアノティ症候群はウイルス感染症に対するアレルギー反応であると考えられています。
感染症の原因ウイルスとしては、EBウイルスやサイトメガロウイルス、コクサッキーウイルスなどがあります。とくにB型肝炎ウイルスが原因のジアノティ症候群をジアノティ”病”と呼ぶこともあります。
なおウイルス感染そのものによる症状ではなく、他人へうつしてしまう心配はありません(登園・登校・プール制限などは不要です)。ただしB型肝炎ウイルスによるものの場合は、感染力が強いため注意が必要です。
ジアノティ症候群の治療
B型肝炎ウイルスが原因の場合は、この場合ウイルスの治療が大切です。もっとも2016年からB型肝炎ワクチンが定期接種となったこともあり、近年はB型肝炎ウイルスが原因となる場合はあまりありません。
B型肝炎ウイルス以外のウイルスが原因の場合、ウイルス感染症に対する特異的な治療はありません。発熱があるなど全身症状が強い場合は、点滴治療が必要になることもあります。
皮膚症状については、ジアノティ症候群の皮疹は数日で急に広がりますが、1か月ほどの経過で自然消退し、痕も残りません。このため基本的には積極的な治療を行わなくて自然消退する疾患です。皮疹の痒みが強い場合には、かゆみを抑えるためにステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服薬を使用する場合もあります。
かゆみに対しては薬物治療以外に、冷やしてあげると楽になることが多いようです。また激しい運動などは避け、なるべく安静にするように心がけましょう。
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